ブラインドタッチ@20090124205628

タッチタイプ(またはタッチタイピング)を習得し終えた状態を指して、これを和製英語によって呼び替えた言葉。


パソコン・ワープロ・タイプライタ・ケータイなどで、キーボードの「刻印を見ないで」打つことから、「ブラインド」という単語をあてた「ブラインドタッチ」という言葉が作られたとみられている。
ブラインドと言う英単語の和訳を、いわゆる差別用語である「めくら」とする向きから、和製英語である「ブラインドタッチ」ではなく、もともとの呼び方である「タッチタイプ」と呼ぶ例がある。
ブラインドタッチ/タッチタイプの最終目標は「ホームポジション((Qwertyキーボードでは【ASDF(Space)(Space)JKL;】または【ASDF(無変換)(変換)JKL;】の、それぞれ10キーをホームポジション(指をそこに置き、上下動以外を一切伴わずに打てるキー)と呼ぶ。))に指を置いて、指の動きで文字をつづる」ことにあり、「キーボードを見るか否か」よりも「ホームポジションを中心とした打鍵操作ができるかどうか」のほうがよほど重要である。
「ブラインドタッチ」という表現は「キーボードを見ずに入力することができている」という結果を表すには必要十分な表現であるが、「ホームポジションに指を置いて、そこからの相対位置を指が覚えるまで練習する」といったプロセス部分をも含めて表現するには、あまり適切な表現とはいえない点に注意する必要がある。


ブラインドタッチを練習しようとする場合、一般的には「人差し指をF・Jのキーに置く」ことをまず奨める場合がある。
しかしながら、一般的な入力法では人差し指をホームポジションから離してしまう場合が多く((2009年初頭において、「人差し指をホームポジション外へと動かす機会を減らした」入力法は、そもそも非常にマイナーなものにしかない点に注意する必要がある。一般的には人差し指は「器用である」と見なされているために広いキー範囲を担当し、したがってホームポジションに居座り続ける機会が少ない……という状況となっているためである。例外の一つである「飛鳥カナ配列」では、人差し指を動かす機会が少なくなっているが、これは「親指シフトキーを連続的に押す操作が多用される」ために「人差し指を伸ばす操作がしづらい」ので、結果として「人差し指をホームポジションに置き続ける確率が高い」という状況に至っている。これはシフト方式に起因する縛りであるため、シフト方式が異なる他の入力法では「人差し指をホームポジションに固定し続ける必要性がない」ため、そもそも人差し指にホームポジション用マーカーがあっても打鍵中にはあまり役に立たないという都合がある。))、この方法を厳密に守ろうとすると練習しづらくなる可能性がある((たとえばNICOLA(親指シフト)専用キーボードでは、そもそもホームポジション位置である人差し指同士にはさまれた「非ホームポジション」である「G・Hキー」について、ホームポジションの一部であると誤解されてしまうほどに、ホームポジションから人差し指が離れてしまう機会が多い。NICOLA(親指シフト)専用キーボードではこの問題をハードウェア側で解決するために、親指を置く位置のキーについて形状を他のキーとは違うものにしていて、なおかつ(NICOLAではほとんど指を動かす必要がない)小指ホームポジション位置には人差し指ホームポジション位置と同様のマーキングを施すことで、この錯誤を最小限にとどめるという工夫をしている。))。
従来の教本がどうであるかにかかわらず、一般的には「指に上下動以外の動作が必要とされる機会の少ない、親指を基準にする」ことが望ましいはずである。


実際の習得法としては、様々なメソッドが提唱されている。
なお、まず前提として、「キーボードを見ずに入力することができている」という結果については追いかけず、「ホームポジションに指を置いて、そこからの相対位置を指が覚えるまで練習する」というプロセス部分に着目することが重要である。
練習の成否を大きく分けるポイントはこの考え方にあり、プロセスを達成するための練習法を選べば、習得可能性は確実に上がる。
以下に、習得のための考え方について記述する。
-練習するときには「キーボードと手指を見て入力する」ことだけを徹底的に避けるべきであり、そのほかの補助ツールは積極的に利用しなければならない。これは「指の動き」を「目で追わない」で「自転車の乗り方を覚える」かの様に練習していくために重要である。
--実際に使っているキーボードを上から撮影した「写真」を用意し、ディスプレイの横など見やすい場所に掲示すること。キーボードの段毎ズレ量はキーボードごとに異なっている(1/2キーズレと1/4キーズレを交互に配置したタイプが標準的であるが、中には1/3キーズレのものもある)ため、図で表現したものでは役に立たない可能性がある(必要な刻印がないキーボードを使う場合には、よく観察した上で図を作ること)。
--ブラインドタッチができるかどうか半信半疑だ……という場合、いきなりフルキーボードによる文字入力を練習したりせず、より難易度の低い「数字入力用のテンキー部分」について練習することを強く奨める。片手入力であってなおかつ規則性のあるテンキー練習は、両手を使う文字入力部分よりも遥かに覚えやすく、タッチタイプによる感触を覚えるためには適した初級練習である。これが出来ないうちにいきなり文字入力部分に挑戦すると、自信を持つよりも前に挫折してしまう可能性がある。
--初期練習を行うための教材としては、「任意の2キーの繰り返し打鍵」でも、「任意の単語の繰り返し打鍵」でも、「ランダム打鍵」でもないものを選ぶのが好ましい。タッチタイプの肝は「手指がどこにある状態からでも、次に打つべきキーへと自然に手指を移動してくることができる」状態にあるため、これに近い動作を練習で再現するには「ランダムor順序に選ばれたキーから、特定のキーへの繰り返し打鍵」が適している。こういった動作をメソッド化したものとしては、「増田式」と呼ばれるものが有名である。
---このばあい、学習内容を補完するために「50音順練習法」が有用となる機会もある。これは「文字の出現頻度は、文章に多少左右されつつ、基本的には使用言語によって大きく傾いている」という点((これは暗号技術に絡む話として有名。))に絡んで、「多用する文字と一緒に使用機会のない文字を続けて打つ練習をしておけば、それを頼りに【練習時の感触を元に、多用する文字と一緒に練習していた、使用機会のない文字の打ち方を思い出す】ことができる」ためである。日本語のカナは50音順で並べた場合に「ア段が最も使用頻度が高く、ウ段の一部とエ段の使用頻度が低い」という特徴があるため、「よく使う、覚えやすい文字」を始めに打ち、かつ「使う頻度が少なく、覚えにくい文字」を続けて打つ練習となるため、特に練習中期において「キーボードを見る癖を取る」ために役立つ。
--キーボードには「練習しようとする文字の刻印がないキーボード」を用いるのがよい。たとえキーボードを見る癖があったとしても、キーボードに刻印がなければ「刻印を見ようといる悪癖」など絶対に出ないからである。
---「ローマ字入力用の刻印(アルファベット刻印)がないキーボード」はほとんど選択肢がなく、せいぜい「完全無刻印キーボード」と「ジョークキーボードの一種」が存在する程度となっている。
---JISかな入力法については「ローマ字スッキリキーボード」などと称する普及価格帯キーボードが多数あるため、比較的容易に「JISかなをブラインドタッチで打つための、自分好みのキーボード」を選択することが可能である。かつては「USB接続の親指シフトキーボード(FMV-KB231か、FKB8579-661EV)」を購入するという方法も選択できた(これはNICOLAかなが刻印されており、JISかな刻印がない)が、現在販売されている親指シフトキーボードは全てJISかな入力のために使用することができない(BackSpaceキーが右手小指右隣に来ている)ため、この選択肢はなくなった。
---NICOLA(親指シフト)かな入力については、専用のキーボードが刻印ありのものばかりであり、真面目にブラインドタッチを練習するための邪魔をしがちである点に注意する必要がある。「ローマ字スッキリキーボード」を使ってもよいが、そもそも【JISかな刻印があるキーボードにはNICOLAかなが刻印されていない】ため、市販のJISキーボードから親指シフトしやすいキーボードを選べば、刻印に依存せずに「NICOLAかな」を練習するためにはちょうどよい環境を作ることができる。
---そのほか、商用けん盤配列については「専用キーボード」を作るか、あるいは「キーボードに貼るシールを用意する」ことによって、意地でも刻印を作ろうとする例が多い……が、いずれもブラインドタッチ習得を目指す人にとっては「練習を阻害する邪魔にしかならない」点に注意する必要がある。
----商用のμTRONキーボードは、もともと「TRONかな入力」と「Dvorak英字入力」を使うためのUSB接続キーボードであるが、刻印は「JISかな」と「Qwerty英字入力」になっている。高額なキーボードを特製で作ったのだから、普通は「TRONかな入力」と「Dvorak英字入力」の刻印をするべきなのであるが、[http://www.personal-media.co.jp/utronkb/article.html:title=メーカーではあえて刻印をJIS X6002キーボード風に仕立てた。]
----個人製作の入力法を作るor使うユーザーの場合、キーボードに貼り付けるためのシールを自作する例は稀であり、ほとんどが「練習時に使うためのあんちょこor練習用コンテンツ」を作成している。まれにキーボード貼り付け用シートを作るとしても、目的は「愛着を持って使いたい」という心理的なものであり、練習のために使う事例は存在しないといっていい状況である。汎用の入力法を習得してきた経験と、次に習得しようとする入力法のために練習方法を探していった結果とが結びつき、「キーボードの刻印=練習時の邪魔になるもの」という結論が結びついたのだと思われる。
-----中には、刻印が無意味となる入力法もある。たとえば飛鳥カナ配列は、[http://ameblo.jp/asuka-layout/entry-10023400400.html:title=かな入力法の一種であるにもかかわらず、刻印しても事実上は目視検索することができない]とされている。また、ローマ字入力法の拡張入力規則や、かな入力法の拗音拡張規則を持つもの、漢字直接入力法全般、速記系入力法全般などでも、キーボードへの刻印は「ごく一部の目印」を示すことしかできず、事実上刻印をすることが不可能となっている。
--「ブラインドタッチ」ができることと、「高速にブラインドタッチできること」とを混同しないことも、練習のために重要である。「ブラインドタッチ」は「キーボードを見てから打つ」事と比べて高速な操作を行える可能性を持っているが、高速に入力できるようになるのはあくまでも「キーボードを見てから打つ」よりも「キーの位置を思い出して打つ」操作のほうが高速に行えるようになった時点からである。「(既に慣れている)キーボードを見てから打つ」操作よりも「(まだ慣れていない)キーの位置を思い出して打つ」操作のほうが高速になるまでの期間は人それぞれであるが、ブラインドタッチにより「目視確認作業が不要になる」ことと「次に打つべきキーへとスムーズに指を動かす」ことができるようになるため、原理的にはブラインドタッチのほうが速くなる((「カイゼン」の基本として「整理・整頓・清掃・定位・定品・定量」が掲げられることがある。「探す手間」がなくなることにより、「特に意識せずとも、自然に」行動できる……という話は、ブラインドタッチの習得においても全く同じく作用する。「手元を見なければならない」状況や「手元を見ればすんでしまう」状況を強制的に解除することで、タッチタイプの成立条件である「定位置にキーがあること」が最大限に生かされる。ちなみに、キーボード上の文字の並び方に対する「整理・整頓」を行ってきたのが、新しい入力法群である。こういった入力法では「目的に合うように入力規則を整理する」とか、「よりホームポジションに近いところへと文字を整頓する」とか、「文章を打っていくときの指の動きを見直す」とかいう類の処理がなされている。))。


*以下注釈。
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blind touch(和製英語)
パソコン、ワープロ、タイプライターなどで、キーボードのキーを一々目で確かめたりしないで打つこと。英語ではtouch type([[タッチタイプ]])という。
日本では、PC的な言い換え((ブラインドと言う英単語の和訳を、いわゆる差別用語である「めくら」とする向きから))として英語本来の表現の[[タッチタイプ]]を使うようになってきている。

<blockquote cite="http://bpstore.nikkeibp.co.jp/item/main/148222147960.html" title="「日経パソコン用語事典」より">
キーボードを見ないで文字などを入力すること。いったんキーボードの配置を覚えてしまえば、原稿や画面だけを見ながらキー入力ができるようになり、キー入力の速度が大幅に向上する。
 DOS/V機(PC AT互換機)では[F]と[J]のキートップに小さな突起があり、左右の人差し指を置くように習慣づけることでタッチタイピングが容易になる。

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