スケールフリーネットワーク@20050621025413

一部のノードが膨大なリンクを持つ一方で,ほとんどはごくわずかなノードとしか繋がっていないようなネットワーク構造をスケールフリーネットワークと呼ぶ。

従来,[[ランダムネットワーク]]構造になるだろう,あるいはなっていると思われていたインターネットなどのネットワークが,どうもそうではない何か新しい構造をとっているらしいということで調べられた結果,このようなネットワーク構造があちこちで見つけられた。このネットワーク構造の最大の特徴は,新しいノードが次々に参入しても,ネットワークの形状が変化しない,フラクタル性をもっているところにある(だからスケールフリー)。以下のような具体例が見つかっている。

-WWW 
--ウェブページをノードとし,ノード同士はハイパーリンクでリンクされるネットワーク。 ごく少数の有名サイトが数百万単位のリンクを集めるのに対し,大多数のサイトは小さなリンク数に留まる。 
-インターネット 
--ルータをノードとし,その物理的な結線状況をリンクとするネットワーク。 基幹ネットワークに直接接続する高性能ルータなど,高機能なノードにリンクが集中する一方,大多数のルータのリンクは少数。 
-男女の性的関係 
--ほとんどが生涯に数人としか性交渉を持たない一方で,ごく一部は100人を超える相手と関係する。 AIDSや性感染症の感染率自体が低くても、この性的関係の分布がスケールフリーであるために、感染が広まりやすくなってしまう。
-学術論文 
--研究者をノード,論文の共同執筆をリンクとすると,ごく一部の研究者は膨大なリンク数を持つが,大多数は少数のリンクに留まる。 ハリウッドの俳優の共同出演をリンクとするネットワークも同様の構造になる。 
-電子メール 
--やりとりする人をリンクとするネットワークも,一部の人間だけが非常に多くのノードとリンクする構造になる。 
-生体内の相互作用 
--生体の活動に関わる蛋白質をノードとし,その相互作用をリンクとすると,ごく一部の蛋白質がリンクを集める構造になる。 細胞内で利用される分子をノードとし,同じ生化学的反応に関与することをリンクとした場合でもリンクを集めるノードが存在する同様のネットワーク構造になる。

*参考文献
-アルバート・ラズロ・バラバシ(著), 青木薫 (翻訳)『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』(NHK出版、2002年12月) [ISBN:4140807431]
-<a href="http://lisgi1.engr.ccny.cuny.edu/~makse/shm.pdf">Complex networks are self-similary</a> by Chaoming Song, Shlomo Havlin, and Hernan A. Makseby