昨夜、居酒屋でソール・ライターに関する特番を見ていると、不意に悟るところがあった。彼は芸術家アーティストという意識が希薄だった。むしろ、職人クラフツマンたろうとしていたのではないか。写真家らしく、虚構フィクションを作ろうという意識は皆無だったのではないだろうか。 記者として、写真のごとき小説を書けないだろうか、と夢想する。虚構ではなく、限りなく事実に近い小説である。文学史的にはエミール・ゾラの写実主義、自然主義がそれに当たる。日本の田山花袋も含めていいと思う。ゾラは知らないが、写実主義、自然主義の小説家は新聞記者あがりか、その経験がある人が多いと思われる。最後は私と同じように『聖書』を愛読して…