フランスの経済学者、ジャン-バプティスト・セイ(1767年〜1832年)の名に由来する。
「セイの販路法則」とも呼ばれる。
一言で言うと「供給はそれ自らの需要を生み出す」との原則。
もう少し拡げると、仮に需要と供給にアンバランスが存在しても、自由市場によって価格調整が行われて*1最終的には需要と供給は一致する*2という考え。
誤解を承知で言うと、天動説と同程度には日常生活からの観測には合致する考えで、あまり細かい話を考えないのであれば成立する(ように思える)。天文学と違って望遠鏡で観察して答を出すわけにもいかないので、天才ケインズですらこの罠の存在に気づくのは容易なことではなかった。
セイの法則を前提とする経済学*3は、ケインズ革命によって古典派ということになった。
ケインズ経済学の新しい基本法則は「有効需要の原理」である。
一言で言うと「需要の大きさが供給量を決定する」との原則である。
総需要と総供給はかならずしも一致せず、よって市場が機能していても不況や失業が発生することを示した。