【bookCrossing; BC】
読み終えた本に指定IDラベルを付けることで、見知らぬ第三者との間でも、本のまわし読みを行う非営利活動。
このBCをとおして本と人の出合いを無償で提供しあう、インターネット上で、本の追跡や感想を共有できる。
「本の交差点」という意味で、読み終えた本を「ブッククロッシング・ゾーン」と呼ばれる公式の本棚に置き、一冊の本をより多くの人々に読んでもらおうという運動。
このBC・ゾーンは、駅、カフェ、雑貨店の店頭などの街中のあらゆる場所が、登録され現在も世界各国で公式の本棚が増えている。BC・ゾーンの登録は、マイカーにも適用され、BC公式マークを貼った車は、モバイル本棚になる。
「世界中を図書館に!」という大きな理念の下、ブッククロッサーと呼ばれる会員たちが、各々のモラルとマナーにより本の「キャッチ&リリース」を楽しんでいる。
「良い本を"わざと"街中に忘れてくる」というユニークなセンスが世界中の130カ国にメンバーを要する大きな要因になり、アメリカでは州知事であり、俳優でもあるアーノルド・シュワルツェネッガー氏が「アイ・アム・ア・ブッククロッサー」とターミネーターの「アイルビーバック」ばりに言ったのが、ブレイクのきっかけとなり、全米には20万人以上のメンバーがいる。
2001年アメリカのカンザスシティで始まったもので、もともとの発想は創業者であるホーンベイカー氏の妻である日本人のかおりさんと言われている。現在では約67万人の会員と、本の登録冊数は470万冊を超えているが、日本でもこの運動を広めようという動きが広島県を中心に始まっている。
インターネット上のブッククロッシングのサイトに登録すると、自分が置いた本の動きを確認することもできる。本を置きたい人は会員登録をし、手放したい本を登録してその本専用のID番号を入手し、ID番号を書いた専用ラベルを本に貼って街中の本棚に入れてどの本棚に置いたかをサイトに登録する。
本を持ち帰った人はサイトで本のID番号を打ち込み、感想と次に置く本棚を書き込んで手放す。自分が本棚に置いた本がどういう旅をし、それを読んだ人がどんな感想を書き込んでいるのかということをインターネットで調べるのが基本的な楽しみ方である。
昨今の出版不況に対しては、賛否両論あるのだが、紙の本を残すこと、また、活字に対して、本に対しての一つの試金石になるのではないだろうか?