Black Rain
殺人犯である日本人ヤクザを追って大阪にやって来たアメリカ人刑事たちを主人公に、日本側の警官との交流も描いたアクション。映像的には『ブレードランナー』化したオーサカと、豪華日本人キャストの顔触れが見ものであるが、脚本の出来が相当粗く、内容的には余り褒められた出来ではない。スコットの演出も意外にも雇われ監督に徹しているかのよう。後半にはストレートに盛り上がらないのもマイナスだ。だがこれが遺作となった松田優作の鬼気迫る演技が強烈で、主役のマイケル・ダグラスをすっかり食ってしまった。松田の演技だけでも見る価値がある。当初のエンディングでは、松田演じるヤクザは、ダグラスとの死闘の末死ぬことになっていたが、続編を当て込んだプロデューサーらによって逮捕されるものへと変更された。が、松田の死によってそれもご破算となる。
オランダ時代の作品に惚れ込んでいたダグラスの指名により、監督候補にポール・バーホーベンが挙がっていたが、「英語も分からないのに、文化の衝突映画なぞ撮れない」と断られた。尚、本作品の撮影監督は、そのバーホーベンのオランダ時代の盟友ヤン・デ・ボンが担当している。
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*1:刀剣による殺傷・出血がみられるが、親又は保護者の助言・指導があれば、12歳未満の年少者も観覧できます。