多少のネタバレあり。鬼才・天才・変態・モンスター・狂人と言われるソローキンの17作の短編集。ただのエログロだと思って読むべからず。あなたの深層心理が臓物の中から鷲掴みでひねり出される。 本作はロシアの作家ウラジーミル・ソローキン(現在はドイツ在住)が1992年に発表した短編集である。ちなみに『愛』は1作目に収められている作品名で、原著の直訳は『作品集』である。 本書に「可能性」という短編がある。とても短い話で、短編というよりも掌編と呼んだ方が良いかもしれない。あらすじは(おそらく)老境に入った男が「人にはなにができるだろうか?」ソローキン著 亀山訳 『新装版 愛』, 2023, p. 56 と…