文化人類学・民族学研究に映画という中立的な記録媒体を応用した学問分野。
人々の日常生活の映画による記録に基づき研究を進める。
映画人類学の起源は1930年代にバリ島の家族内コミュニケーションの記録に映画を利用した、マーガレット・ミードとグレゴリー・ベイトソンの試みに遡る。
マルセル・モースに師事したジャン・ルーシュが映像人類学の概念を普及させた。
ルーシュは1945年以来、ニジェールを中心に数多くの記録映画を撮り、ヌーヴェル・ヴァーグ、とりわけジャン=リュック・ゴダール、ジャック・リヴェットにも影響を与えた。
また1960年代に流行したシネマ・ヴェリテ(真実映画)の先駆となった「ある夏の記録」(1960)を社会学者のエドガール・モランと共同監督した。