今まで賑やかだったことが何事もなかったかのようにしんと静まり返ることを、津軽弁で「しげね」という。亡き母が私が孫を連れて生家を去る時によく言っていた。「わいはまだしげねぐなるじゃ」。 孫娘が来た。たくさんの思い出が蘇った。でも孫娘がいなくなると、それと同時に思い出も一瞬にして消える。そして元通りの静まり返った日常がまた始まる。その繰り返し。 梅が咲いて、これなら順当に春が来るかと思っていたら、ここへきてソメイヨシノが咲くのを踏みとどまった。 咲くどころか、固い蕾に戻った。誰が咲いてやるもんかと意地悪しているようだ。人間様の思い通りにはならないぞ、と。 それで26日に予定されていた花見も延期にな…