明星大学(青梅校)日本文化学部言語文化学科・教授。日本文化学部長。日中比較文学・漢文訓読論。昭和32年(1957)神奈川県横浜市生まれ。 東京大学文学部フランス文学科卒。同大大学院修士(比較文学)・博士課程単位取得、台湾大学大学院修士(中国文学)。 中国・北京日本学研究センター派遣教授(平成16年)、重慶師範大学客員研究員(平成16年〜現在)。タイ・チュラロンコーン大学客員教授(平成18年)。
Amazonで、私の「もし『源氏物語』の時代に芥川賞・直木賞があったら」に、sasabonという人が2月26日づけでレビューを書いた。「目くじらを立てるほどではないですが、過去の名作を恣意的に「芥川賞・直木賞」に選定したというお遊び」というタイトルだ。以前はAmazonレビューにはコメント欄があったのだが、なくなってしまったし、私は昨年自分のAmazonレビューを削除されてから、レビューを書くことができなくなり、今Amazonを提訴する準備をしているところだが、なのでここで答える。 まず「恣意的」ということだが、文学であれ美術であれ音楽であれ、最終的には評価は個人の主観であって、いくら説明して…
ちょっと機縁があったので近所の図書館にはなかったが北区図書館から取り寄せてざっとななめ読みした。著者は生年が書いていないが恐らく私より年上で、これは一橋大学の2010年の博士論文で2012年刊行だから著者は50歳を超えていただろう。実にものすごい量の文献を読破していて、これは十年がかりである。力作である。 島田謹二(1901-93)は文化功労者の比較文学者で、東北帝大の英文科を出たあと台北帝国大学教授となり、敗戦直前に香港へ渡ったが敗戦後日本へ引き上げて東大教養学部の英語教授となり、1954年比較文学比較文化の大学院を設置し、芳賀徹、平川祐弘、亀井俊介、小堀桂一郎らを育てた人で、私はいわばその…
文語を学びたいと思い、過去にいろいろ挑戦しましたが、うまくいった試しがありません。英語は仕事に必要なので学びました。フランス語も妻の家族との対話で必要なので、今でも学び続けています。どちらも必要に迫られているので、努力が持続しているのでしょう。 そこで、日本近代史を学ぶために、ということであれば、文語を学び続けることが可能なのかと思い、古田島洋介『日本近代史を学ぶための文語文入門』(吉川弘文館、2013年)を読んでいるところです。 古田島氏によると、文語体の一つである漢文訓読体について、たとえ、大学の史学科で近代史を研究していても、漢文訓読体を体系的に学ぶことに時間を割くことはなく、国語教員免…