関直子「マティスと1940年代の日本」(『東京都現代美術館紀要』7号、2001年度)。 序 1. 1940年代の美術雑誌における、素描家としてのマティス 2. 1940年代のマティスの普及 (1)武者小路実篤の役割 (2)文学雑誌メディアー『別冊文芸春秋』の場合 (3)デザインへの影響 結 〇アンリ・マティス(1869-1954)の活動は1909年に作家自身による画論の翻訳が行われて以来、晩年に至るまでほぼ同時代的に日本のメディアで紹介されてきた。マティスの日本での受容においてはおもに1910年前後のフォーヴィスムとの関連であり、1940年代についてはほとんど論じられることがなかった。マティス…