相対する両者を比べて、第三者的な視点から独自の判断をすること。
【arbitrage】 「アービトラージ」、「アビトラージ」
同じような商品において、同一時点で価格差が推定できる場合に、安く買って高く売ること。「一物一価の法則」を目指すゆえに、「裁定」が可能になる。
証券投資論では、複数の証券を組み合わせて、追加の資金投入なしでリスクのないポートフォリオ(裁定ポートフォリオ)を組むこと。裁定価格理論(APT)では、裁定ポートフォリオの期待収益率がゼロである状態を「裁定機会がない」(arbitrage free)とよび、証券価格は裁定機会がなくなるように均衡すると考える。
実務上では、市場リスクをできる限り(または、相対的に)低くして、その他のリスク(流動性リスク、イベントリスク、その他の非システマティックリスクなど)をとりにいくようなポジションを組むことを裁定取引とよんでいる。厳密なリスク管理を行わない単なるスプレッド売買も統計的裁定取引などとよばれることがあるなど、用例上意味の拡大が進行しつつある。