「小室節」には歴史的文献があるわけですので、それらを見ていきましょう。 「小室節」の名称が出てくる最も古い文献といえば、『吉原はやり小唄総まくり』です。これは寛文二年(1662)版の草紙で、<万治二年(1659) 所々より吉原迄の駄賃付けの事>として、 一、日本橋より大門まで並み駄賃弐百文馬奴二人小室節うたふ かざり白馬駄賃 三百四十八文 一、飯田橋より大門まで並み駄賃弐百文まご二人小室節うたふ かざり白馬駄賃 三百四十八文 一、浅草見附より大門まで並み駄賃百三十二文馬子二人小室節うたふ かざり白馬 駄賃二百四十八文と記されている。つまり、江戸時代初期には小室節は唄われていたということです。 …