(ポピュラー・カルチャー論講義補遺)「アメリカ」を考える(23) 戦時中、脅威であり、驚異であったアメリカ これまで幾度となく言及してきた小田実『アメリカ』(角川文庫、1962→1976年)ですが、再度その解説(室謙二)から引いておきます。 601-2p「大ベストセラーになり、小田実を一挙に有名にした『何でも見てやろう』は、こういう文章で始まっている。/「ひとつ、アメリカへ行ってやろう、と私は思った。三年前の秋のことである。理由はしごく簡単であった。私はアメリカを見たくなったのである。要するに、ただそれだけのことであった」/この一見なにげないような気楽なポーズの文章のうらに、気負いと、重たいも…