作家。1955年東京都生まれ。東京学芸大学卒業。八王子市役所に勤務。福祉事務所、教育委員会、 図書館などの業務を経て、1990年『絹の変容』で小説すばる新人賞受賞し、作家デビュー。 代表作は『女たちのジハード』(第117回直木賞受賞)、『ゴサインタン−神の座−』(第10回山本周五郎賞受賞)など。 2004年9月から、朝日新聞朝刊で「讃歌」連載中。
『仮想儀礼』篠田節子 新潮文庫 仮想儀礼(上)(新潮文庫) 作者:篠田節子 新潮社 Amazon 仮想儀礼(下)(新潮文庫) 作者:篠田節子 新潮社 Amazon NHKのドラマを見て面白くて原作を読んでみた。 ドラマは原作とは全くの別物だな。視点を変えて宗教を見る良いドラマだと思う。 原作は、上巻を面白く読んでいてからの、下巻のスピード感と底なしに転げ落ちていくようなストーリー。久しぶりに身体にダメージがくる本だ。 解説に、「確かにこれは人間喜劇であって、しかも同時に身の毛もよだつ恐怖小説にもなっているのである」とあった。本当にその通りだと思う。 宗教を自分がどう見ているか、中から、外から、…
ナゼキニエンタメ!をご覧戴き有難う存じます。 「仮想儀礼」とは 『仮想儀礼』ネタバレ読書感想とドラマとの相違点 今夜いよいよ最終回【追記】原作ラストネタバレ 「仮想儀礼」とは AI記事読み上げ↓ AIテキスト読み上げ【仮想儀礼】読書感想とドラマとの相違点 - 昭和なラジオ | stand.fm 2023年12月3日にプレミアムドラマ(NHKBS)で放送開始した「仮想儀礼」が面白いので、原作を読んでみました。 「仮想儀礼 それは金のためにインチキな宗教をでっち上げたおろかな二人が 真理と営利を追求する 有難い物語である」 ドラマ冒頭部分のセリフですが、内容そのままです。 ドラマは第5回までが放送…
休みの日や出勤がゆっくりな日に、朝風呂が嬉しい季節になった。 朝は暖房のタイマーをかけて温まった部屋で起きているけれど、体は案外冷えていて、冬の時季は朝風呂を楽しむのがここ数年の定番になっている。気ままな一人暮らしだから叶えられる贅沢かもしれない。 湯船に浸かりながら毎回、温泉に行きたいなぁと思ったり、いや家のお風呂でも十分と思ったり。ゆったり浸かるとその日一日、気分にも余裕ができ、優雅な気持ちで過ごせるみたい。 先月から手首の調子が悪くて湿布を貼っている。体の歪みと姿勢の悪さからきていると思う。ヨガやストレッチをすると軽減されるので。さらに夜と朝、湯船に浸かった日は手首の調子も良い気がする。…
「失われた岬」(篠田節子 著)を読みました。 美都子の友人・清花が、北海道に転居後「岬へ行く」と言い残し失踪した。 20年後、ノーベル文学賞を受賞した日本人作家が、「もう一つの世界に入る」と授賞式の前日に失踪し・・・。 (西宮市立図書館の紹介文より) 松浦美都子の友人 栂原清花が失踪したのは2007年。ノーベル賞作家 一ノ瀬和紀が失踪したのは2029年。 この2つの失踪事件の真相を探る物語は、主に2029年の方で描かれるので、今からそう遠くない未来が舞台になる。 雑誌連載は2018年~2020年で、コロナの初期にはかかっている。でもそれからコロナウィルスが世界的にどう拡がったかはわからなかった…
篠田節子 著『ドゥルガーの島』の紹介。 ニッポン放送あなたとハッピー!2023年9月14日放送分 新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナー紹介した本と、お話をざっくりまとめて載せていきます。 番組はこちら!radikoでも聴けますよ! 毎回、話題の本が登場!さぁ、今週はどんな本と出合えるでしょうか?早速見て行きましょう。 ニッポン放送あなたとハッピー!2023年9月14日放送分 ドゥルガーの島:篠田節子 内容 放送内容 篠田節子プロフィール 感想 ドゥルガーの島:篠田節子 ドゥルガーの島 作者:篠田節子 新潮社 Amazon 内容 大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え…
お母様の介護が大変な時、自身ががんになったのにとても明るい筆者に逆にこちらが励まされました。
怪談というのは、聞いている人の感情に訴えかける、古来のエンターテインメントであり、語りの力が影響するものだろう。 百物語とは怪談を持ち寄り、一話話す毎に蝋燭を一本づゝ消していき、やがて百本目が消えたとき怪異が出現する、という。 都内某所と伏せられているが、根津辺りの古い建物(旅館?料理屋?)にて開催されたようだ。 怪談の怖さには、因果応報の考え方が深く染み込んでいる。 もちろんそれが全てではないが、然るべき因果によって、恐ろしいことが引き起こされる。 理由もなく、不条理なことは起きない。(例外はある) そこは底知れぬ夜の世界ではなく、因果に縛られた昼の世界の延長なのだ。 というか、昼の世界の延…
「薄暮」は2009年7月日本経済新聞社より出版された。のち改題されて「沈黙の画布」2012年8月新潮文庫に収められる。 ミステリー小説である。 農村で絵を描き続けた無名の画家が、死後、幾つかの偶然を経て知名度を上げていくお話だ。そこに画家の妻の承認欲求と、絵を所有する郷土の小金持ち達の欲、本物と偽物を織り交ぜて売買する画商の欲が、物語をミステリーにさせている。 美術出版社の事情、絵画取引の事情がよく調べられて書かれている。それが小説に臨場感を与えている。 読み始めた時に予想したことは、郷土の小金持ち達が、幻想の画家を皆で作り上げ、各自が持つ、その画家が描いたという嘘の絵の値段を吊り上げるために…
最近、じわりじわりと物価や光熱費が上がっている気がいたします、と言うか、世界的にも実際に上がっていますね。結局は、エネルギーの問題なのでしょうか?海の向こうの争いは何とかならないものだろうかと思います。 避難している市民への支援とかは勿論、大切なものではあるけれど、武器の調達とかになると、それは戦争を長引かせるものではないか?と疑問を持ってしまいます。重要なことはこの戦争を早く終わらせることだと思うのだけど・・・とご主人様は思っているようです。 今日は雨模様。そんな時は家で静かに本を読むか、音楽を聴くか、がいいですね。 さて、久しぶりにご主人様の本便りです。最近、作家別に読んでいるようです。 …
今日でゴールデンウィークも終わり。明日からようやく5月の日常が始まるな~と言う感じがしています。まとまったお休みが長かったせいか、弛緩したものをどう引き締めれば良いのか分からなくなっています。^^; ふたり展の準備も「この辺りでいい加減区切りをつけねば」とは思うのですが、なかなか手を引くことができない往生際の悪い自分がいます。展示が終わったら燃え尽きてしまいそうで怖い~^^; この連休は、あちこち探し求めていた「中村苑子」の句集が手元にやって来たので読んだり、大好きな篠田節子さんの小説を読んだりもしていました。 地元の図書館にはなくて、都内の他の自治体から取り寄せてもらったのです。 www-s…
1.チンギス紀 17(北方謙三) 著者渾身のライフワークである「大水滸シリーズ」がついに完結。「水滸伝19巻」、「楊令伝15巻」、「岳飛伝17巻」に続く「チンギス紀17巻」ですから、全部で68巻。気の遠くなるようなページ数です。著者は直木賞選考委員を退任した際に「最後の長編に挑みたい」と表明しましたが、それは本シリーズの続編になるのでしょうか。ただ本書には「書き切った感」が強く出ているので、そうではないように思えます。短編でよいので未来へと続くエピソードなど書いてくれると嬉しいのですが。 2.大仏ホテルの幽霊(カン・ファギル) 強いて分類するなら、メタフィクションの手法で書かれたゴシックスリラ…
昨日久しぶりでケーキ屋へ行った。本来ケーキにはあまり関心がない。生クリームが甘くて好きではない。でもたまには「きゃああ、ケーキ、うーれしいっ」とぶりっ子したりする。 クレープケーキというのが美味しそうだったので買った。750円。 ななな、ななひゃくごじゅうえん?! 750円と言ったら、丸亀製◯では焼きたて肉ぶっかけうどんが食べれて、か◯やではネギ味噌チキンカツ定食が食べれる値段じゃないかいっ! まあ、カツ丼やうどんは必要な食事で、ケーキは贅沢品だからしょうがないか。 もうひとつ買ったストロベリーショートは620円だったし シュークリーム1個は220円だった。 レシートを見るとどれも ※ がつい…
2月5日(月) 雪が降った。 夜、グループホームに入居しているおばあちゃんとビデオ通話をした。90歳をとうに過ぎたおばあちゃんは年相応に認知症が進んでいて、最近はもうあんなに激ラブだった私のことさえわからない。上品なおばあちゃんがあまり仲良くない人と接するときにする、ニコニコはするけど決して本心は話してくれない感じで私との会話を進めようとするので、さみしくてかなしくてしかたなかった。 電話のあと、しばしぼ〜っとする。胸の中心がカサカサに乾燥している気がして息がしづらい。元気を出したくて、風呂にゆっくり浸かり、ダイエットをしているからと最近封印していたお菓子をたくさん食べた。脂質や糖分を取ったら…
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名寄市を離れ、この日の宿泊地である旭川市に向かいます。 旭川では既に1度御書印集めで訪れていましたが、2店舗ほど参加店が増えましたので、再訪となっています。 旭川鷹栖インターで降り、向かった先は、未来屋書店旭川西店となります。 到着時点で夜になってしまいました。 www.miraiyashoten.co.jp こちらの店舗も、イオンの中に入っています。 もう陽も落ちてしまいましたが、しっかりと御書印をいただいてきました。 よーく見るとラーメンのスタンプが。 土地柄をよく表すものとなっています。 次に購入した本ですが 田舎のポルシェ 篠田節子:著 文春文庫 すでに感想文では上げていますが、読みた…
今季イチオシのドラマ「仮想儀礼」がついに最終回を迎えました。 【公式サイトより】 (10)「そして、宗教が生まれる」初回放送日: 2024年2月11日 陰謀論に陥った秋瞑(美波)、雅子(松井玲奈)、麻子(河井青葉)らの暴走を止めるため、正彦(青柳翔)と誠(大東駿介)は教団の解散を宣言。そもそも金のために始めたインチキな教団だったことを告白し、全てを終わらせようとする。だが、もはや秋瞑たちには届かず、無理やり車で逃避行に連れ出される。人気のない山の中で正彦は隙を見て逃げ出そうとするが、誠は信者を見捨てるべきではないと主張する。そして……。 とにかく、作り手と演者の熱量がすごかったですね…!最終回…
これまたちょうど文庫化された作品になります。 田舎のポルシェ 篠田節子:著 文春文庫 個人蔵 3作の中編と短編を収めた作品で、いずれも車が登場します。 表題作に「ポルシェ」とありますが、作中には出てきません。 そのため、ポルシェは比喩になります。 1編目は軽トラック。 2編目は外国車。 3編目はロケバス。 まったく違う種類の車を主人公といいますか、主人公の傍らに寄り添う存在として立場を確立させ、ストーリーを展開していきますが、この車でなければこその展開が待っており、「自分にはこの車が必要だった」と感情深く思わせてくれます。この本を読めば、ご自身が所有する車も「ポルシェ」に思えてくるのではと思い…
scene at 2400-0700 ドキュメント72時間 を消化。 舞台は阿佐ヶ谷の酒屋にある角打ち(かくうち)。酒屋さんがやっている立ち呑み屋ですね。客層は、当然のようにディープな常連ばかり。そこに初めて突入するお客さんから撮影開始だった。 この阿佐ヶ谷の酒屋さんは、わたしも確実に店の前を通っているはずだ。埼玉の田舎店と違って、珍しいクラフトビールや日本酒が数多く揃っている。+50円でグラスを貸してくれて、角打ちで飲めるシステムだ。 こういったお店がある都内は、やはりいいね。地元では絶対に不可能なライフスタイルであり楽しみだ。しかし、前述の通りにディープな常連客の間に入るのには、かなりのコ…
田舎のポルシェ 篠田節子 文藝春秋 図書館本 田舎には住んでいるが軽トラをもっていないので、「田舎のポルシェ」の事は知らなかった。『ハヤブサ消防団』でスバル製の軽トラの型式をそう呼ぶのだと聞いた直後に、移動図書館の本棚で本書を見つけた。何かの御縁でしょう。 ホラーやミステリにもSF的不思議さが加味されている小説が篠田さんに多いけれど、本書は軽快なロードノベルが三編。「田舎のポルシェ」で、360キロの米を八王子から岐阜まで運ぶことになった男女。「ボルボ」で北海道旅行に出かけた初老の男二人。「ロケバスアリア」では、コロナで格安の代金となったホールで趣味のオペラを歌おうと、孫の運転でロケバスで出かけ…
正月休みに書き忘れた、のが後ろにずれこんでいるがそのうちに辻褄を合わせようと思う。今年の年末はコミケにも行かず、実家には二度ほど帰ったが特に何もなく、ダラダラとインプットに努めてしまった(アウトプットしていないだけともいう)。 ■買った本 ・ルーシー・ワースリー『イギリス風殺人事件の愉しみ方』・佐藤春夫『たそがれの人間』・レオ・ブルース『骨と髪』・Carol Carnac, The Double Turn・篠田節子『田舎のポルシェ』・藤本和子『イリノイ遠景近景』---・デイヴィッド・グーディス『溝の中の月』・笹沢左保『暗い傾斜』・シュテファン・ツワイク『マリー・アントワネット 上下』・川添愛『…
ブログを始めて一週間、実質これが最初の記事です。何から書いこうか迷う中、年始から読んでいる「仮想儀礼」という篠田節子さんの小説の中に出てくる諺について書こう思います。NHKBSでもやってますので、ここでは内容は割愛します。是非ご覧になって下さい。 この小説の中で、「文は人なり」という諺が出てきます。この諺はフランスの博物学者の言葉です。簡単にいうと、文章は書いた人の「人となり」が出るという意味です。「人となり」を知るには文章の背後を知る必要があると思います。そのためには文章を読み取る力が必要であり、それには読書するのが一番だと思います。何か良いことを書こう書こうとして非常に硬い文章になってしま…
今日も地下鉄ガラガラだった。こんだけ働かせているんだから、2日間ぐらい年末年始の休みを増やしてもらってもいいと思う。まだ足りない。 金曜の夜には、なぜか速度が回復していて、レンタルのサイトが普通に見れた。この日もいつもよりつながりがよくて、年末ぎりぎりまで忘年会なのかなと思いながら、コートとスカートを確保。コートはピーコートで襟が大きめのデザインで、似合わないかもと思ってやめる。スカートは数日前に街で見かけてほしいと思っていた、ベージュのサテンぽい生地のスカートで、確保できた時は喜んだんだけど、長さ確認したら長いので、迷ってやめた。結局何も借りず。 30日は近所のリサイクルショップへ。コートと…
2023年の読書メーター読んだ本の数:54読んだページ数:14409アンと愛情の感想シリーズ3作目。 変わらず和菓子が食べたくなる。 杏子ちゃんの表現が食欲を刺激するから。 和菓子についての知識も教えてもらえるのも嬉しい。読了日:01月08日 著者:坂木司言葉の園のお菓子番 森に行く夢 (だいわ文庫)読了日:01月10日 著者:ほしお さなえショートケーキ。の感想ショートケーキが出てくる短編連作集。 それぞれの短編の人物が繋がっているのが楽しい。 同じ場面を違う人物の視点から見るのも。 『ショートケーキ』『追いイチゴ』が好きかな。 追いイチゴはしてみたい。読了日:01月11日 著者:坂木 司タ…