1974年京都府生まれ。英国ケント大学英文科博士課程修了。和洋女子大学英文科専任講師、英米文学翻訳家。 訳書に『贖罪』(イアン・マキューアン 新潮社)、『ジーヴズの事件簿』(ウッドハウス 文藝春秋)、『エムズワース卿の受難録』(ウッドハウス 文藝春秋)、『愛の続き』(イアン・マキューアン 新潮社)、『どんどん変に』(カレン・ウィルキン 河出書房新社)、『スーパー・カンヌ』(J・G・バラード 新潮社)、『午後の人』(アントニー・ボウエル 水声社)等がある。
歯を抜かれた。当人としてはついに、という感じ。左下の親知らず(半分横倒しになって出ている)が度々うずいていたのをほったらかしていたところ、昨年末にはどうしようもなくなって、口腔外科に紹介された。 親知らずの一本前の臼歯の根もイカれてるので二本とも抜かねばならない。食事には影響しないとのことだが、親知らず以外を抜かれるのははじめてなので、なんだか手術前から一遍に老け込んで総入れ歯の爺さんになった気分だった。 聞いていたとおり、麻酔注射が痛い。膿んで腫れてるとこにぶっすり刺すんだから、そりゃ痛いわな。しかしこれでもまだ二合目三合目というとこで、カチャカチャ器具が歯に当たったあと、めりめりと脳天に痛…
2024/01/27 (土)19:00 - 21:00 宮崎かすみ×川本直 「ゼロからわかるオスカー・ワイルド」『オスカー・ワイルドの軌跡』(マール社)『吉田健一に就て』(国書刊行会)W刊行記念 『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(河出書房新社)文庫化記念 本屋B&B https://bb240127a.peatix.com オスカーワイルドの軌跡 作者:ジュリエット・ガーディナー マール社 Amazon 吉田健一に就て 作者:川本直,樫原辰郎,武田将明,伊達聖伸,佐藤亜紀,大野露井,高遠弘美,渡邊利道,堀田隆大,山﨑修平,小川公代,小山太一,渡辺祐真,浜崎洋介,山中剛史,中西恭子,大塚健太…
2023年も終わりが近づいてきたので、下半期に読んだ本のなかから良かったものを10冊選んでみました。ノンフィクション5冊、フィクション5冊です。*1 全体的に分厚いノンフィクションを読んでいる時間が長くて、小説はやや少なめでした。 ノンフィクション 伊藤憲二『励起 仁科芳雄と日本の現代物理学』(みすず書房) 仁科芳雄の本格評伝。ベストはこれ。感想はこちらに。 kinob5.hatenablog.com イレネ・バジェホ『パピルスのなかの永遠 書物の歴史の物語』(訳・見田悠子、作品社) スペインの古典文献学者による書物の歴史。体系的な歴史というよりは、ギリシアとローマを起点にして縦横無尽に語るよ…
そして吉田健一といえば、すごい本が出ましたね。 川本直・樫原辰郎・武田将明編『吉田健一に就て』(国書刊行会、2023/10/24)です。 外ならぬ吉田健一の著作に『英国に就て』がありますが、これを当人に差し向けたわけですね。目次は以下の通り。 川本直「序文」 I. 文明 伊達聖伸「宗教と世俗の歴史から見た人新世の吉田健一」佐藤亜紀「ヨオロッパの世紀末」 II. 言葉 大野露井「Quuely Nativeーー奇妙にぺらぺら」高遠弘美「静寂と響きーー吉田健一に教へられた詩の世界」 III. 近代 渡邊利道「吉田健一と近代」樫原辰郎「モダニズムの忘れもの」 IV. 酒肴酒 堀田隆大「吉田健一と「飲む…
11/11 (土)19:00 - 21:00 渡辺祐真/スケザネの「現代文学」から考える「世界」と「言葉」 ~作品の読み方から感想の書き方まで~ 第8回 隣町珈琲 http://ptix.at/liD7Gy 吉田健一に就て 作者:川本直,樫原辰郎,武田将明,伊達聖伸,佐藤亜紀,大野露井,高遠弘美,渡邊利道,堀田隆大,山﨑修平,小川公代,小山太一,渡辺祐真,浜崎洋介,山中剛史,中西恭子,大塚健太郎,礒崎純一,富士川義之 国書刊行会 Amazon 合本 考えるヒント(1)~(4)【文春e-Books】 作者:小林秀雄 文藝春秋 Amazon 物語のカギ: 「読む」が10倍楽しくなる38のヒント 作…
最近は弊ブログの更新頻度も徐々にスローペースになっており、あまり投稿していないうちに、気が付いたらこの新刊チェックの時期になっていることもしばしば。そのうち新刊チェックがこのブログのメインコンテンツになるかもしれませんが、まあそれはそれで良しとしましょう。というわけで10月に刊行された気になる本を集めました。 夢みる宝石 (ちくま文庫 す-31-1) 作者:シオドア・スタージョン 筑摩書房 Amazon 名作と名高いスタージョンの幻想SFがちくま文庫より新訳で登場。訳者は児童文学系の仕事が多いようです。近年の訳書に『子供たちの聖書』など。 キンドレッド グラフィック・ノベル版 作者:オクテイヴ…
吉田健一に就て作者:川本直,樫原辰郎,武田将明,伊達聖伸,佐藤亜紀,大野露井,高遠弘美,渡邊利道,堀田隆大,山﨑修平,小川公代,小山太一,渡辺祐真,浜崎洋介,山中剛史,中西恭子,大塚健太郎,礒崎純一,富士川義之国書刊行会Amazon ついに、『吉田健一に就て』(国書刊行会)が発売になります(10月22日刊行予定)。 この本、今朝、手元に届いたんですが、装丁の潔さ・美しさ、552頁のボリューム、4500円という値段(笑)、どこをどうとっても手抜きのない本だとため息をついております。こういう本を出してくれるのが、国書刊行会。さすがです! そして、今回、編集を主導した川本直さん(また、同じ編集委員の…
イーブリン・ウォー著『誉れの剣』を読んだ。 最近他でも続いている、日本語に訳されていなかった大型名作の待望の翻訳である。 (白水社版・小山太一訳) まず著者について。1903年生まれ1966年没。自らが所属したイギリス上流階級の描写を得意とし、また離婚後に入信したカトリックである。第二次大戦に従軍し、その体験をもとに『誉れの剣』を書いた。 そして本書『誉の剣』について。ガイ・クラウチバックというカトリックの没落貴族を主人公とする第二次大戦開戦から末期までの一貫した物語だが、発表時期によって3部作となっている。第一部『つわものども』では戦争初期、陸軍に志願した主人公が軍人らしさを身につけ、前線へ…
先週末に本を買った。石濱裕美子『物語 チベットの歴史 天空の仏教国の1400年』中公新書、2023物語 チベットの歴史-天空の仏教国の1400年 (中公新書 2748)作者:石濱 裕美子中央公論新社AmazonErnest Hemingway『老人と海』(高見浩訳)新潮文庫、2020老人と海 (新潮文庫)作者:ヘミングウェイ新潮社Amazon原田勝正『汽車から電車へ 社会史的考察』日本経済評論社、1995汽車から電車へ―社会史的観察作者:原田 勝正日本経済評論社Amazon芹沢俊介『家族という意志――よるべなき時代を生きる』岩波新書、2012家族という意志――よるべなき時代を生きる (岩波新書…