1975年、石川県生まれ。 金沢大学教育学部附属高等学校卒業。 (OBには作家の中野重治や建築史家の五十嵐太郎がいる。) 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了。 隈研吾建築都市設計事務所、吉村靖孝建築設計事務所を経て独立。 文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリにて研修。 パリ第12大学パリ・ユルバニスム研究所にてDEA取得。
公園は誰のものか 想像してみて下さい。あなたの地区には公園がありません。自分たちの子どもが遊ぶ場所がないのは不憫だと自治会で話し合って、公民館の隣に遊具、花壇、生垣などを設置して小さな公園をつくりました。設立時に一軒あたり2万円を拠出し、さらに公園を維持するために修繕費積立金として自治会費に年間3000円の上乗せ、さらに輪番制の公園掃除や自治会全員での大掃除などの負担がありましたが、自分たちの子どもが喜ぶためと思って負担してきました。 しかし、年月が経過して、あなたの子どもは成長して都市部に引っ越しました。周りを見渡せば老夫婦の世帯ばかりで、公園を維持していくのはしんどいという声が多くなり、と…
大学の講義で「建築思想」について学んだことがあるだろうか? 「西洋建築史」の講義で多少は触れられたか? 「建築論」の講義はあったが、何を学んだのだろう。もっとも私の時代はまだポスト・モダニズム以前であり、CIAM等の1920年代以降の流れや、黒川紀章らの「メタボリズム」や菊竹清訓の「か・かた・かたち」は覚えているが、これらはひょっとして「新建築」や「建築文化」などの雑誌を読んで学んだのかもしれない。 本書は、ウィトルウィウスの「建築十書」における「建築のオーダー」から、「バロックの都市計画」「空想的社会主義」「アーツ・アンド・クラフト運動」などを経て、ルイス・サリヴァンの「形態は機能に従う」「…
建築思想図鑑作者:松田 達,横手 義洋,林 要次,川勝 真一学芸出版社Amazon読んだ。 63個のトピックを切り口に、古今東西の建築思想を紹介する本。そのものずばり建築の話に限らず、都市論のような話題が出てきたりもする。写真の代わりにある程度抽象化されたイラストが使われているので、図の中のどこに着目すれば良いのかが分かりやすくてありがたい。国内外のトピックで章分けされたりはしていないので、突然ぽんと日本国内の話が置かれていたりもする (とはいえあくまで西洋文化の受容や超克についての話だったり、そもそも現代のトピックだったりするので、建築思想史自体が単一の技術ツリーであるかのような印象は受けて…