行き来が絶えて、もう三十年近くにはなるだろうか。逝去のこともYahoo!ニュースで知ったくらいだから。ともあれ由縁ある者のひとりとして、思い出せることを書き付けておく。 若い頃に出来た娘が当方の母親で、その後に別の男性と結婚したから、要するに私生児ということになる。母の父、つまり当方にとっての母方の祖父は晩年でも身内ながら色気ある人だった。まあ、若気の過ちというところか。歌江の口からはこの祖父の話がたまさか出て来た。「おにいちゃん」と呼び、懐かしそうな口調だった。 母は十数年、千里古江台の歌江の家に家政婦として通っていた。そのつながりがあって、当方も小学生の頃には「おばあちゃん」が少なくともそ…