海外からの技術支援や資金援助に頼って近代化を目指す開発ではなく、途上国の地域住民自らがコミュニティー組織を通じた主体的な合意形成過程を経て、自らの手で地域形成を行いその地域の問題(多くは産業育成と貧困からの離脱)をはかり、地域発展を目指すような発展。 先進的NGOによる援助においては、あくまで内発的発展をサポートする役に徹する姿勢が見られる。 グラミン銀行の連帯責任型小規模金融プログラムなど、金融面からのサポートの試みもある。
市の図書館で石牟礼道子の本を見かけた。本のタイトルは、「無常の使い」。彼女の想いの香り立つ文章をまた読みたいと思って借りて帰った。 「五十年くらい前まで、私の村では、人が死ぬと『無常の使い』というものに立ってもらった。必ず二人組で衣服を改め、死者の縁者の家へ歩いて行ったものである。 『水俣から無常のお使いにあがりました。お宅のご親戚の誰それさんが、お果てにな りました』 死者を出した村では、男も女も仕事を休み、男は墓穴を掘り、棺桶を作った。 村の共同体すべてが、故人の思い出を持っていた時代がそこにあった。死者たちは生者たちに、おのが生命の終わりを、はなむけに残して、逝くのである。 その無常の使…
毎週日曜日は、この一週間(3/18~3/24)に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。 今週の書評本 *表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上を表示) ◆サンデー毎日「遠回りの読書」: 3/31 号 2 冊路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅 宮田珠己 亜紀書房 2,200 ②雑草学のセンセイは「みちくさ研究家」 稲垣栄洋 中央公論新社 1,650 ② ◆女性自身「今週の本」: 4/2 号 4 冊そして誰かがいなくなる 下村敦史 中央…
今回は気分転換の息抜きに、イオンモールで瓶踊りの「まさひろドーイ」の載った面白い泡盛を見つけたので紹介し、焼畑農耕と琉球弁・本土弁、天皇家のルーツについて付言します。 私の名前は「昌弘」なので、沖縄に行った時には比嘉酒造(現まさひろ酒造:3代目の名前から)の写真の大きな壺入りの古酒「まさひろ」(2000年仕込み)を買い、子どもたちも土産には「まさひろ」を買ってきてくれていましたが、他にも名前に引かれて「海人(うみんちゅ)」や「島唄(しまうた)」もよく買っています。 まさか埼玉で「まさひろ」に出会えるとは思わなかったのですが、沖縄紹介の旅番組などで気になっていた瓶踊りのイラストが気に入り直ちに購…
妻問夫招婚の縄文母系制社会論について、私は記紀や風土記に書かれた大和朝廷に先立つスサノオ・大国主一族の建国から出発しました。 まず、その経過を振り返りながら、縄文母系制社会の妻問夫招婚がスサノオ・大国主の百余国の「委奴国」から大和朝廷さらには鎌倉時代まで続いていることを明らかにしたいと思います。 1.『スサノオ・大国主の日国(ひなのくに)―霊(ひ)の国の古代史―』より 『スサノオ・大国主の日国(ひなのくに)―霊(ひ)の国の古代史―』(梓書院)や「『古事記』が指し示すスサノオ・大国主建国王朝」(『季刊 日本主義』18号2012年6月)などにおいて、スサノオ・大国主7代の建国について、特に大国主が…
2020年8月に八ヶ岳合宿を行って以来、コロナ感染もあってメールでのやりとりになって会は長らく休止状態でしたが、事務局担当の山岸修さんが昨年末に亡くなられたため、今後の取り組みをどうするか主なメンバーで相談を行いました。 縄文社会の文化・文明が現代社会に続いているという上田篤会長の問題提起に始まり、熱帯雨林での女・子ども進化論、ヒョウタンを持ったアフリカからの縄文人移動論(海上ルート説と草原ルート説)、海人(あま)・山人(やまと)縄文人論、縄文語(倭語)ルーツ論、イモ・マメ・穀類縄文農耕論、糖質・魚介縄文食論、縄文・弥生連続論(縄文社会の内発的発展論)、霊(ひ)信仰論(神山天神信仰論=神名火山…