『大佛次郎随筆全集第3巻』(朝日新聞社、昭和49年2月)中「未刊随筆」として、「美人の町」が収録されている。ここに、真山美保が出てくる。 (略)真山美保は、真山青果の遺児で、日本全国のいなかを回って理想のある芝居を見せて歩いている特志の女性である。その仕事に生涯をかけているのだ。父の死後、妹さんと私の家に訪ねて来たこともあって、若い日から知っている。(略) この美保が妹と大佛を訪ねたことは、昨年8月に刊行された大佛次郎記念館編『南方ノート・戦後日記』(未知谷)で確認できた。 (昭和二十二年) 四月四日 (略)真山青果の娘たち二人来訪。姉は民衆座とかで芝居をしてゐるさうである。現在は東京に小屋な…