大阪市の中心ともいうべき中之島公園に木村重成公のどでかい顕彰碑がある。 豊臣氏の滅亡のいくさであった大阪の陣。いくたりか輩出した豊臣方の忠臣の一人だ。明治時代となって江戸幕府の失墜となり、敵の敵は味方なりとわざわざ再評価されたわけではない。 もともと凛々しき若武者の可憐さと壮烈な最期に大阪人たちは江戸時代を通して、共感の念を絶やしていなかったというのが正しいだろう。 なにせ、ドカンとした巨大な記念碑だ。高さは4mはあろう。そのシンパシーのきさが推し量れる! トリビアをつけくわえる。 新戸部稲造の『武士道』には木村重成の妻、青柳の夫への手紙というべき遺文が引用されている。 「一樹の蔭、一河の流、…