「勝浦郡生比奈村星谷には岩窟の中に仏像の彫ってある星の窟といふがあり、昔、星が隕(お)ちたのを此の岩で掩ふたのである」――。 前回に引き続き、加藤咄堂『日本風俗志』よりの抜粋である。 語感から何から、脳を震わせてくれること、抜群な話ではないか。 (Wikipediaより、星の岩屋) また別の縁起を参照すると、「ひとびとに害を与えていた悪星を、弘法大師が神通力にて引き摺り下ろし、二度と天へと昇れないよう蓋をした」ともされている。 いずれにせよ、コズミックホラーの素地として理想的なポテンシャルであったろう。 まかり間違ってビルゲンワースの耳に入れば、もうたちどころに冒涜的殺戮者の集団が仕込み杖片手…