221kgの海と空

221kgは世界中の海と空で生息中です。でっかい世界のちっさな地図収集家。

 入園式

初めての下駄箱

一葉、幼稚園入園おめでとう。心からおめでとう。
毎日元気に遊びまわるきみの姿に、お母さんはきみのお母さんになることができて本当によかったと思ってるし、お父さんはきみのお父さんになることができて本当によかったと思っています。
こどもはとても元気です。なぜって人は、元気なこどもしか目にしないからです。
写真やビデオ、SNSなど、いろいろなところで会えるこどもたちはみんな元気です。親御さんがこどもの元気なところを選び、切り取り、とびきりの笑顔をいつでも見せてくれるからです。
それは肉親であっても同じです。同じ屋根の下の世代を違えた家族でなければ、元気なお孫さんの姿しか知らない祖父母がいたっておかしくないと思います。
いいかい一葉。きみのお母さんとお父さんはきみのすべてを見ています。いままでのきみのすべてを知っています。
仲のいいお友達が誰で、何をして遊ぶのが好きで、焼き鳥は串からかじると決めているのも、春になって土の中から出てきたアリさんを怖がっているのも知っています。
もちろん、風邪をひいてぐったりしたきみのことも知っています。上から下から大騒ぎのきみだって知っています。できることなら代わってあげたいと切に願う、そんなきみの姿を知っています。
でも、これからきみが過ごす時間に、お母さんとお父さんが登場することが減っていきます。そばにいないことがだんだんと増えていきます。
どうやって仲良くなったかその過程を知らないお友達と遊ぶようになり、ブランコや追いかけっこ、すべり台よりも、公園の片隅でクスクス笑い合うのを好み、焼き鳥はもも派からつくね派に転向するかもしれません。
これからは自分一人で考え、決め、行動することが増えていくでしょう。それに関しては特に心配していません。お母さんとお父さんは心配していません。「うちべんけい」とキーを叩いたら、きみの名前が変換されて出てくるんじゃないかと思うほどの家内最強女子のきみですが、特に心配をしていません。
入園式の日にはアリさんを前に泣き叫び、園庭を歩けずにいたきみが、翌日早くも半ばへっちゃらになっていたのを知っているから、お母さんとお父さんは大丈夫だと思っています。
きみと過ごす時間が減ったとしても、きみか僕かこの星がなくなるまでは永遠に家族です。いつでもそばにいるし、いつでも見ている。困ったことがあったらいつでも頼りなさい。それが家族というものです。

一葉、幼稚園入園おめでとう。心からおめでとう。
毎日元気に遊びまわるきみの姿に、お母さんはきみのお母さんになることができて本当によかったと思ってるし、お父さんはきみのお父さんになることができて本当によかったと思っていますよ。