2012-01-05 和辻哲郎の人間

とりあえず、2012年もよろしくってことで。
でも基本的にここは開店休業中。広告が表示されたり、色々サービスに変化があったりして、Hatenaは今でも発展中というわけなのですね。
筆者が属している独立行政法人などは、設立の趣旨から考えれば、こういうサイトでどんどん情報発信していくほうが良いように思うし、広告が入っているのもたいした問題ではないような気がするのだけれども、それは個人的な見解であって、正職員の立場からすればダメ(と上の機関から言われそう)なのは一目瞭然である。
だからもうここはリンクDEダイエットの更新履歴やその他のことを綴る場所ではなくなって久しい。それにしても、そろそろ、あの軽薄なリンクDEダイエットもなんとかしないといけないだろう、とは思う。実はこれくらい低俗ならだれも持って行かないだろうという趣旨で決めたサイト名なのだ。
考え過ぎだろうという危惧はもちろんあった。でももっと信頼できると思ったグループでその後、「サラダの日々」という健康応援サイトを作ったら、あっという間に浚って行かれた。だから確かに趣旨には叶ったわけだ。誰一人紹介してくれないくらい、まあ軽薄なサイト名なのである。内容はまったくそうではないのだが、ホントうれしくなるくらい、みんなサイトを名前でしか判断しないのだ。
そのために10年もやっているにしては普及しない。同じニュースを載せていた「むく鳥通信」は外部の先生に褒められた(と上司に言われた)ことはあるが、「リンクDEダイエット」に限っては皆無である。
内容はまったく同じなのに。
おそらく今でもメールマガジンの登録があまり増えないのはそのせいなのだろう、と勝手に考えている。
て、まてよ、どこが和辻哲郎なのか。
2011-09-21 引っ越しました

2011-09-02 設定変わったようだ

いつのまにか、広告が表示されていた。
これは不可。
近日中にリンクを切ることになるでしょう。
ポケット食事摂取基準―現場ですぐに役立つ「日本人の食事摂取基準(2010年版)」
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2011-08-30 夏の終わり

夏休みも残すところあと一日となりました。
皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
ある人間が、女性が出産、授乳を経た後の骨密度について、特に場所時間対象者が特定されていない(ただし対象者は医療従事者らしい)場面での報告として、質問した結果を記述しているとしましょう。
仮にその人間が、栄養学研究にはつねにエビデンスが必要であると主張して、常に発表者に対して、「エビデンスはありますか」と聞くのが習い性になるほどエビデンス重視の人間だったとしましょう。
質問の解答を集計すると、全員がその女性の骨密度は低下していると答えたとします。
このことが、仮に事実であったとして、かつ事実起こった通りに報告されているのだとして、この事実からなにが導き出されるでしょうか。
その人間が演者であった講演会に集まった医療関係者と思しき人々は、妊娠出産を経た女性の骨密度は低下していると答えた、という事実です。
けれどもエビデンスをなによりも重視する立場からすると、これは演者の体験談を語っているに過ぎず、まったくなにも言っていないに等しいということになるのではないでしょうか。というか、実際、演者、その人間、の体験談を語ったに過ぎません。この体験談がエビデンスによって否定されるのは当然の帰結です。
ではその当然の帰結、つまり演者、その人間、はそのこともエビデンスを引用しながら記述したとしましょう。
ここまででなにが論証されたでしょうか。
「体験談は意味がなくエビデンスこそ意味がある」という前提をあらかじめ無自覚に前提しながら、それを実践したというひとつの証拠が論証されました。
ところで、ここでいう体験談には意味がなかったのでしょうか?
実際のところ、出産、授乳直後の女性の骨密度は低下していることが複数の報告から明らかになっています。解答者がどのような理由でそう答えのかは問わないとして、授乳直後という時期を厳密に設定していれば、全員が正解だったということになります。
けれども、演者、その人間は、そのような厳密な設定は(おそらく)設けなかったのでしょう。体験談なのだからといってしまえばそれまでです。
確かに、出産、授乳を経た女性の骨密度はそれ以前と同じか高くなるらしいことも、いくつもの研究で知られています。でもこれは急速に低下した骨密度が、再び急速に高まり妊娠以前よりも高くなるということです。
この出産、授乳中に骨密度は低下するという事実は重要です。一度は以前よりも下がるが、その後上がるということがわかるわけですから。それを、妊娠前後では女性の骨密度は妊娠後の方が高いという疫学調査の結果だけで括ってしまうと、あたかも基礎実験による妊娠授乳による骨密度の低下は、ヒトでは起こらないかのように勘違いしかねません。
もっと正確に記述する必要があるでしょう。というのは、妊娠授乳が骨密度に与える影響は二相性のものだからです。それを一相性のものであるように説明するのはおかしいし、それで二相性の最初の反応(妊娠授乳による影響とすれば最初の反応がまずでてくるのは当然でしょう)を答えたら間違いと断定されるのではたまりません。
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2011-06-10 科学的根拠はどうしてダメなのでしょう

「科学的根拠に基づく栄養学」という言い方(名称)が、良くないのではないかと言っているだけなのに、勝手に、基礎実験系の研究者は自分を全否定されたと思ってムカッとしたりするのかもしれませんが、それは違います。
ここには、二つの誤解があります。
第一に私自身、基礎実験系の研究者なのですから、それが良くないと(少なくとも表立って)言うわけはありませんし、実際にもそんなことは考えていません。ここでいう「科学的根拠に基づく栄養学」は、基礎実験系の研究成果には「基・づ・か・な・い」栄養学という意味です。
第二に、あくまでも名称に対するものであるということです。この「科学的根拠に基づく栄養学」という名称を使うある意見の実際に意味するところは、「ヒトを対象にした疫学的研究による結果だけを重視しよう、それ以外は(特に動物実験は)無視しよう。根本的に科学とは異なるものであっても、ヒトを対象にした疫学研究であれば重視しよう(という理屈で遠隔地からの祈りの効果に関する系統的レビューを見たことがあります。RCTの前に最低限の因果的な説明をつけてほしい。おなじ遠隔的な作用でも重力に因果的な説明が要らないのは、だれでも日常的にそのようなものが存在することが確認できるからです)というものであり、それを「科学的根拠に基づく栄養学」というのは言い過ぎなのではないか、それはただの希望、ただの意見なのではないか、というのがここでの主張だからです。
「科学的根拠に基づく栄養学」といったときに、そうやって専門研究者はもとより一般人に対しても無意識に喚起されるイメージをうまく利用しようという「戦略」がそこに存在するわけです。
これとペアで使われるのが、「人間栄養学」です。人間という単語は一般的に自然科学分野では使わないので(人間工学くらいでしょうか)、非常に違和感があり、通常なら「人類栄養学」と訳しているものでしょう。ところが、この名称は極めて意識的であることが、提唱者が学会誌に専門的な論文を書くときに、「ヒト」と言い換えていたので明らかになりました。わかっていてわざとやっているのだということ(つまり「戦略」だということ)が、です。
このような理由から、「科学的根拠」と「人間栄養学」という表現を見つけたらそのサイトは一旦注意してかからねばならないという結論に達したわけです。
つまり、そのような言葉を使用する場合、全く無頓着に使う場合と、極めて意図的に使う場合があることに気付いたからです。ということはその間に無限のバリエーションも存在するわけで。
ちなみに、私自身もこれらの言葉はときどき使っています。どういう文脈で使っているのかは忘れましたが、それゆえ、注意しなくてはならないというのは多分間違いなく、そもそもこのページの情報を丸ごと鵜呑みにするのはやめてほしいと、過去に書いたような記憶がありますが、あらためて、やめてほしい。自分である程度は判断できることが前提です。

