送水口と見せかけて


今回は送水口に似ているけど送水口ではないものを、取り上げてみたいと思います。
送水口のニセモノ…というのは送水口贔屓な観察側の言いがかりですが、写真を撮る時に騙された気分になったり、悩んだりするものがあることは事実です。





  • 採水口1

送水口のすぐ近くに立っていたりするのが、この採水口。
前々回の写真にも、ちらっと登場していました。*1
見た目としては、蓋の持ち手が送水口に比べて少し長いケースが多いです。
まだ調べていないのですが、間違い防止のための規格が決まっているのかもしれません。
だって、双子みたいにそっくりだもんね。




  • 採水口2

こちらも採水口。
やはり壁埋設型の送水口にそっくりです。
採水口はその名の通り、火災が起こった際に消防隊が防火水槽などから水を利用するための接続口です。
見た目が似ていても、役割は送水口と正反対ですね。




  • 消火栓

すんごいかっこいいです。
消火栓も水を取り出すための装置ですが、採水口との違いが私にはよく分かっていません。
これを送水口と間違える人はあまりいないと思いますが、道ばたで唐突に立っている腰くらいの高さの水に関係する管、ってあたりに共通点が見いだせます。




  • 水圧シャッター送水口

おっと、これはホンモノの「送水口」です。
しかしこちらは消火が目的ではなく、水圧をなんやかんやと利用してシャッターを開放するために使うということですよ。
駅の入り口付近の、地味で目立たなくて暗いところによく設置されている印象があります。




  • なんかのパイプ

高架下で発見したパイプです。
見るからに送水口ではないのですが、一瞬そう見えてしまったのだから、仕方がないのです。




  • ???

単口の送水口にも見える、でもいつもの真っ赤なプレートがない、ひょっとしたら採水口かもしれない、でも蓋の持ち手は短いからやはり送水口かも…
謎を投げかけたまま、一点をただ見つめるだけの一つ目小僧なのでした。







実は先日、とあるイベントで大山顕さんとお話をする機会がありまして。
そのときおっしゃっていたのが「同じものをずっと集めていると、そのうち“境界事例”に出会うから。絶対」という言葉。
でも送水口(連結送水管)って消防法でもきちんと役割が決まっているし、規格もあるから、“境界事例”なんてのはレアケースなんだろうなぁと思っていたのです。

しかし改めて写真のストックを整理してみると、最後の「???」のようによく分からない奴がいました。
設置した業者のド忘れなのか、管理者がうっかりしているのか、名札がないために我々には正体を明かしてくれない一つ目小僧くん。
また、送水口じゃないパイプまで送水口に見えてしまう心理も、自分でやらかしておいて面白いなと思います。


“境界事例”は、最近とても気にしている「ニセモノ考」*2とも通じるところがあって、とてもワクワクしますし、これからも意識していこうと思いました。



  • おまけ

これも送水口かと思って足を止めました。
梱包された照明じゃないですか、これ。