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2007-02-06 IT技術者派遣業〜現代日本の「奴隷商人」達

[]IT技術者派遣業〜現代日本の「奴隷商人」達 13:23

 2月と言えば日本では試験の季節でありますね。

 不肖・木走は、本業のIT関連の零細企業経営の傍ら、工学系学校の講師をしていますので、この季節はゆううつなのでございます。

 なんでゆううつなのかと言えば、担当科目の試験問題の作成とその採点があるからでございます。

 私の現在の受け持ち科目はWebに関わるテクノロジー関連(科目名は内緒ネ(苦笑))なのですが、自分の得意である専門科目でありますから問題などすぐできるだろうと思われるのですが、それがそんな甘いもんじゃないのですよ、これが。

 手を抜いて出題を「SGML、XML、HTML、XHTMLなどのマークアップ言語の詳細を述べよ」なんて記述問題にしちゃうと採点作業が地獄(苦笑)となっちゃうのでして、逆に採点を楽にしようとすれば問題を文章穴埋め問題とか手間暇掛けて作成しなければならないのであります。

 先に苦労するか後で苦労するか、私のような本業掛け持ちの兼任講師には試験は試練なのでありますネ(苦笑

(↑教育者としての情熱が微塵も感じられないじゃないか?)

 ・・・(汗

 ところでそんな私が教鞭をもつ工学系の学校ですが、ここんところの景気回復とやらでご多分に漏れず、求人数が激増しております。

 一時期の「就職氷河期」が嘘のような活況を呈しておりまして、特にIT技術者系はもう完全に「売り手市場」なんでありますね。

 でもね、業界内部を知り尽くしている不肖・木走としましては、一部の同業者のモラルも何もないひどい経営戦略には本当にはらわたが煮えくり返るほどの怒りを覚えておりますです。

 そんなわけで今日は現代日本の花形産業、IT業界の奴隷商人達の話です。

 ・・・

 今日(6日)の日経記事から。

IT人材派遣料、4割上昇・技術者不足で

 IT(情報技術)分野の人材派遣料金が前年同期比4割高となるなど、一段と上昇している。企業向けシステムや家電製品に組み込むソフト開発の需要が拡大し、技術者不足が深刻化しているためだ。人材派遣各社は需要増に対応し、新しい働き手を確保するため、未経験者に研修を受けさせるなどの人材育成策にも取り組んでいる。

 スタッフサービスによると、IT派遣の求人数は昨年春の2.5倍になったが「スタッフを供給できている割合は1割未満」だという。需給の逼迫(ひっぱく)が派遣料金を押し上げている。 (07:00

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070206AT1D0507K05022007.html

 「IT(情報技術)分野の人材派遣料金が前年同期比4割高となるなど、一段と上昇している」そうでありまして、「企業向けシステムや家電製品に組み込むソフト開発の需要が拡大し、技術者不足が深刻化しているため」と理由付けしております。

 「企業向けシステムや家電製品に組み込むソフト開発の需要が拡大」というのは、これは業界人として実感でありまして、私の零細会社でも実は昨年来さばききれなくてやむを得ずお仕事をお断りしている状態が続いております。

 まあ「IT人材派遣料、4割上昇」のほうはそれほど実感がないのは、私どもは自社内受託開発中心にやっているので、記事にある技術者派遣業はほとんど手を出していないからかも知れません。

 しかし派遣業がすこぶる景気がいいのはその通りでして、私の知り合いのIT技術者専門で派遣業を営んでいる社長も「この世の春」とばかりに儲けまくっていて、正直ちょびっとうらやましいのでありますが、この記事にある「IT人材派遣料、4割上昇」をもって技術者の手取りまでが「4割上昇」してるなど勘違いしてはいけません。

 利益の大半は派遣会社に吸収されてしまっているのであります。

 ・・・

 一言にIT関連業と言ってもその業態はそれこそいろいろありまして、中でもソフトハウスと呼ばれるソフトウエア開発業ですが、大ざっぱに形態を分けると、自社ブランドパッケージ商品を有していたり社内開発・受託中心の開発を主体とする受託型ソフトハウスと、人材をお客様に提供するいわゆる人材派遣型ソフトハウスに大別できます。

 まあ多くのソフトハウスが受託型と派遣型の混成で成り立っているのですが、明確に両者を区分けする簡単な分別方法はそのソフトハウスの社屋を訪問すればよいだけです。

 一般に受託型ソフトハウスでは、一般の会社と同様に技術者の数だけ机が並んでいますが、人材派遣型ソフトハウスでは、受付と応接の営業部隊のシマはありますが、技術者の机などないわけです。

 まあ中には研修センターとか一部の技術者が常駐していたりはありますが、大半の技術者の机など自社内にないのが人材派遣型ソフトハウスでは当たり前のことであります。

 で、良心的で誠実な人材派遣型ソフトハウスもたくさんある中で、ここ数年で社員数が急成長しているソフトハウスの中には極めて悪質な会社もあるのです。

 武士の情けで社名は伏せておきますが、私の知っている東京にある設立後わずか数年で技術者数数百人規模にまで急成長したあるソフトハウスなどは、はっきりいってソフトハウスとは名ばかりの人身売買業、悪く言えば現代版「奴隷商人」として、技術者を売りまくって暴利を得、それを原資に新たに求人して雪だるま式に技術者をかき集めているのです。

 「アウトソーシング事業部」とか名前だけはかっこいい耳障りの良い横文字ですが、その実態はあらゆる手段で人材をかき集めては社員教育もそこそこに顧客の現場に派遣しまくる、クレームがあって返された技術者は他の現場にすぐ送り出す、会社としての技術力を蓄えるのは二の次で、技術者を奴隷のようにこき使うだけこき使い、売上を伸ばすことだけを至上命題としている集団なのです。

 当然定着率はすこぶる悪いのですが、辞める人間以上にかき集めればいいだけですから、利益だけに執着している経営陣にとっては少々技術者が辞めてもまったく問題ないわけです。

 これでは、奴隷船に奴隷を詰めるだけ詰めて暴利を得ていた「奴隷商人」と何が違いますでしょう。

 ・・・

 奴隷商人に関しては、もう絶版のようですが、ダニエル・P・マニックスの『黒い積荷』が大変参考になります。

黒い積荷 大西洋奴隷貿の歴史

ダニエル・P・マニックス著 土田とも訳/平凡社/1976年初版発行/\2,000

http://w1.newgenji.co.jp/cgi-bin/search.pl?CID=1&ds=newsgenji09&sm=s&rc=50&of=1&gf=name&gk=黒い積荷&ff=1

 18世紀後半の奴隷船総数は192隻、輸送能力4万7146人であったそうです。

 1783年から93年までに、リバプールの奴隷船は30万3737人の奴隷を運び、純利益は1229万426ポンドで、利益率は30%であったといいいます。

 アフリカからアメリカに運ばれた黒人奴隷は、300年の間に、1500万人といわれ、また、輸送中の奴隷の死亡率は、平均的には4分の1から3分の1といわれるので、300−500万人が海に捨てられたことになるわけです。

 しかも、そうして運ばれた奴隷は18世紀末にはたった300万人しか生き残っていなかったといいます。

 奴隷船商売に2つの方式があったのは有名な話であります。

 初期の頃主流だったのはルーズパッカード方式と呼ばれ、200トンぐらいの当時の奴隷船に定員300名とゆったりとした環境で奴隷を運搬中の生存率を高めるやり方でありました。

 しかし、後期になるとタイトパッカード方式という、船倉を二段に仕切って奴隷を寝返りもうてないような劣悪な空間に700人も押し込めるだけ押し込めて、航海中に少々死亡しても絶対数を確保するやり方が主流になったのだそうです。

 たしかにタイトパッカード方式ならば700人のうち半分死んでも350人は輸出できるので生ちょっろいルーズパッカード方式よりも荒利をむさぼれるのであります。

 ・・・

 全ての派遣業、ソフトハウスが悪質であるわけではありません。

 しかし・・・

 「アウトソーシング事業部」とか名前だけはかっこいい耳障りの良い横文字ですが、その実態はあらゆる手段で人材をかき集めては社員教育もそこそこに顧客の現場に派遣しまくる、クレームがあって返された技術者は他の現場にすぐ送り出す、会社としての技術力を蓄えるのは二の次で、技術者を奴隷のようにこき使うだけこき使い、売上を伸ばすことだけを至上命題としている集団。

 ・・・

 IT技術者派遣業の中には現代日本の「奴隷商人達」がいるのも事実なのです。



(木走まさみず)

kaioukaiou 2007/02/06 14:28 不肖、私は初級シスアドと日商簿記3級に合格し、今年、契約社員とはいえ目出度くとある会社に
経理担当で再就職が決まりました。当方、難聴ですので派遣会社に入社、もしくは登録は
出来ないのですが、学校で講師として招かれたIT系派遣会社の女社長さんも昨今はいろいろ
大変というお話を伺っていたりします。

話を戻しまして、こういう場合、本来は国が予算を増やしてIT系教育をするのがベストのはず
なのですが、この件に関して国の足取りが異様に重かったのが2000年の特徴ですな。
変わりに専門学校がいろいろ沸いてた訳ですが、元来そういう専門教育を受けて実力を
つけた人は派遣に入らず学校のコネや本人の実力で入社したりしてた訳で。

逆に言えば、現在IT関連のちょっとした知識があるというだけで実力のない出涸らしが
派遣業界に巣食っているものらしい。
それゆえ、ちゃんとした大きな会社はあえて派遣業者に頼らずに社内教育を施す方向へとシフト
しているものだそうです。ただまぁ、モノになるまでには若干のタイムラグはあるものの、
現場として本当に必要な知識を培ってから現場に臨むので間違いが少ないのだそうだ。
そういう訳で学校の50歳過ぎた元SEのクラスメイトは講師として雇われたのですが、
今後、こういう形で淘汰が始まる時期にきているのかもしれません。

まぁ・・・知り合いのプログラマは毎日デスマーチしてるので、そちらの問題も解消せねば
ならないのかもですが・・・(^^;

masashimasashi 2007/02/06 14:51 私の友人もIT派遣業を営んでいるので、業界の状況についてはある程度うかがい知っています。
友人の会社は5年ほど前にスタートしましたが、順調に業績を伸ばしているようです(羨ましい:笑)。そこでは、派遣とインハウスの両方を扱っていて、派遣メンバーとインハウスメンバーの固定は行っていないように聞いています(少し前の話ですが)。
IT系の派遣費用ってかなり高いんですよね。でも、最初は役員報酬0の時期が数年続いていたみたいなので、暴利をむさぼるようなことはしていなかったと思います。

世の中では、お金儲けさえできればと言う、半分詐欺的な商法が幅をきかしていますが、ITという言葉がそこに触媒のように働いている感じがするのも事実です。

メディアだけでなく、あらゆるものへのリテラシーは重要でしょうね。ベンチャー保護が、結果として悪徳奴隷業者の反映につながらないことだけは願いたいものです。

rice_showerrice_shower 2007/02/06 17:54 IT技術者の奴隷性を指摘する本エントリーとは少しずれるとは思いますが......。
ISOに体現されている徹底したマニュアル化は、現場のオペレーターの技能差、恣意ゆえに、品質が一定しない(通常より良い品質の製品がoutputされることも含む)現象を低減することに、大いに寄与しているのでしょう。
しかし、一方、かつて(ISO化以前)の日本の製造業を支えた、生産現場からのドラスティックな改善提案、問題提議の気概が著しく失せているような気がしますが、どうでしょう? 
企業、事業への帰属意識の希薄な、しかし有能な派遣社員が、下手をすると正規社員よりも重要な製造プロセス(ホワイト、ブルーを問わず)に従事しているという現状は、対症、弥縫、延命には疑い無く有効であっても、全心身の総合力を確実に脆弱化させることを、少なからぬまともな経営者は認識しているはずです。 
*少し前に、伊藤忠の社長が「(帰属意識の無い)派遣社員にはトップの意思が伝わらない」との弊害をTVで語っていましたが、商社などは、最も有効に派遣社員を活用している業種の典型だよな。 現経団連会長の会社もね。
にも拘らず、止められないのがネオリベ的経済システムに起因するのなら(“限定的”ネオリベ支持者としては、安易な短絡は止めてもらいたいのだが)、今踏みとどまっておかないと、取り返しが付かなくなるのではと強く憂慮します。 100円ショップの商品が100%中国製品であっても、何ら頓着するに値しませんが、投資と蓄積に裏打ちされる、OSにも喩えられるべき基礎的頭脳労働の、コストダウンのみを動機としたアウトソーシングの行く末に、ハイテク産業の死屍累々、そしてこの国の総体的没落をイメージするのは、決して過度に悲観的な感覚ではない、と思うのですが.....。

とおりすがりとおりすがり 2007/02/06 20:25 ちと脱線しますが、こういう産業が絶えることがないのは、バブル崩壊のしわ寄せを受けた、いわゆる中高年ニートという層があることで奴隷供給が潤沢に行われている側面もあるかと思われます。経団連としてはニート救済/公平なチャンスの提要よりは、生かさず殺さず、絞れるだけ搾り取るのが得策なので、救済策の提案には反対するんでしょうね。
国がIT技術者の支援や教育に乗り出すのは、私は反対です。泥棒に追銭、これによって奴隷証人が美味い汁を吸うだけで、誰も幸せにはなりません。そもそも30歳そこそこで「廃棄処分」にすることが間違いであり、それを正さない限り使い捨てにされる技術者の後を継ごうなどという人が現れるはずがないのです。

artaneartane 2007/02/07 01:40 はじめまして。
技術屋(ハードウェアとソフトウェア両方です)やってもう十ン年な訳ですが、派遣屋介して某大手外資に入っていたときに、その会社が技術系の派遣に払える最高金額をお払いくださっていたらしい時期があるんですが、私が当時所属していた会社に入ったのは六割以下で、当然後進を育てるためにも、私一人で恩恵を独占する訳にもいかないので年360万円程度で甘んじておりました。

で、まぁ、色々とあってその派遣屋と直に仕事をする羽目になったのですが、営業側から提示された金額は、派遣屋と某外資の取り引き状況が同じ状況だったに拘らず6割以上さっぴかれていました(苦笑)

その後病気になったりして仕事降りたり現場変わってやっては降りたりになったのですが、派遣先の都合であると明確に現場で言われている場合ですら、「お前が全部悪い」と責めて契約報酬下げたり繰り返して来て、最後は流石にこちらも腹に据えかねるような状況になったので、契約打ち切り後、真っ先に労基署に告発しましたが(苦笑)

このように書いたのは派遣労働法が改悪される前の話でありますから、いまはもっと状況ひどいんだろうな。と推察する訳で、もう派遣屋使うのはこりごり、でも、職能活かして日銭稼ぐには派遣屋通さないと仕事がなさ過ぎる。と言うジレンマに嵌まっているのが現状な訳で(;´Д`)
(ここ最近は契約社員のハード屋だったり一人請負ソフト屋だったり他の業種で日銭かせぎしたりしていて、派遣屋とは縁遠いので最近の事情には疎いのですが)
本格的に稼ぎ直すにはどうすればいいのやら…(;´Д`)と困っているのが現状です。

GedolGedol 2007/02/07 13:35 ども。
労働環境が整備されると、奴隷商人は新たな奴隷の供給先を求めて海外に進出します。先般、中国で労働法の整備が行われたとき、欧米企業から大クレームが来たそうです。「低賃金労働者を求めて進出して来たのに労働者保護政策をするとは何事だ!!」だそうで。その後政府がどの様な決断をしたのかは知りません(笑)。

IT業界では現在、奴隷の供給元としてアフリカが有力視されている様ですね。MITのやってる「100ドルラップトップ構想」って将にその為のプロジェクトですもん。

andalusiaandalusia 2007/02/07 14:42 いわゆる「元請け」企業に所属しているSEですが、本当はこんな会社なるべく通したくなくて、フリーの技術者の方と契約したいんです。ところが、
「ISO900x, ISO-14001を取っている会社としか契約してはいけない」
「CMMレベル2以上を取っている会社としか契約してはいけない」
「プライバシーマークをとっている会社としか契約してはいけない」
「JIS-Q-なんちゃらに基づいたコンプライアンス体制が整備されている会社としか契約してはいけない」
「なんとかスコアがxx以下の会社とは契約してはいけない」
とか、いろいろな障壁があってできないんですよね・・・

トリルトリル 2007/02/08 04:38 単純肉体労働者である自分が言うのも何ですが、どうも世の中はやはり単価の安く使い捨てできる単純労働力こそ欲していて、あくまでもモノのついでにパソパソができるだの、行政書士の資格があるだのの方が、都合が良いようにできてるような気がします。
希少性や特殊能力はセールスポイントになるかも知れませんが、そもそも絶対的優位性を持つ技能というものはそんなにありませんし、それを必要としてる職場はもっと少ないでしょう。
相対的優位性は結局の所、市場の淘汰に晒されます。
技能によってはそれを用いる事に拘れば却って辛い目に遭うような状況も比べる世界を知ってしまえばあると知るでしょう。
仕事の無い図面書きよりも、明るい空瓶洗いの方が世の中は求めているのかも知れません。

さてソフトウェアエンジニアの求人が増え単価が騰がっているそうですが、それがエンジニア個人の待遇・所得の増加に繋がらないという事ですが、まぁ、要するにそういう構造ができあがっているという事でしょうね。
例えばソフトウェアエンジニア同業者組合というのを自分達で作って、そこから優良なエンジニアを紹介する・派遣するという風にすれば中抜きは随分透明性を上げられると思いますけどね。
良くは知りませんが同業者同士で困った時は助け合うような事はないんですか?この業界。
まぁちょっと想像しただけでも難しそうですが。

kibashirikibashiri 2007/02/08 16:13 kaiou様

>不肖、私は初級シスアドと日商簿記3級に合格し、今年、契約社員とはいえ目出度くとある会社に経理担当で再就職が決まりました。当方、難聴ですので派遣会社に入社、もしくは登録は出来ないのですが、学校で講師として招かれたIT系派遣会社の女社長さんも昨今はいろいろ大変というお話を伺っていたりします。

 おお再就職おめでとうございます。

>話を戻しまして、こういう場合、本来は国が予算を増やしてIT系教育をするのがベストのはずなのですが、この件に関して国の足取りが異様に重かったのが2000年の特徴ですな。
変わりに専門学校がいろいろ沸いてた訳ですが、元来そういう専門教育を受けて実力をつけた人は派遣に入らず学校のコネや本人の実力で入社したりしてた訳で。

 うーむ国家がもっとIT系教育に力を入れるべきと言うご意見ですね。

>逆に言えば、現在IT関連のちょっとした知識があるというだけで実力のない出涸らしが派遣業界に巣食っているものらしい。
それゆえ、ちゃんとした大きな会社はあえて派遣業者に頼らずに社内教育を施す方向へとシフトしているものだそうです。ただまぁ、モノになるまでには若干のタイムラグはあるものの、現場として本当に必要な知識を培ってから現場に臨むので間違いが少ないのだそうだ。
そういう訳で学校の50歳過ぎた元SEのクラスメイトは講師として雇われたのですが、今後、こういう形で淘汰が始まる時期にきているのかもしれません。

 ふむふむ、「派遣業者に頼らずに社内教育を施す方向へとシフトしている」そういう動きもあるのですか。

>まぁ・・・知り合いのプログラマは毎日デスマーチしてるので、そちらの問題も解消せねば
ならないのかもですが・・・(^^;

 はいはい、ほんとです(苦笑

masashi様

>私の友人もIT派遣業を営んでいるので、業界の状況についてはある程度うかがい知っています。
友人の会社は5年ほど前にスタートしましたが、順調に業績を伸ばしているようです(羨ましい:笑)。そこでは、派遣とインハウスの両方を扱っていて、派遣メンバーとインハウスメンバーの固定は行っていないように聞いています(少し前の話ですが)。
IT系の派遣費用ってかなり高いんですよね。でも、最初は役員報酬0の時期が数年続いていたみたいなので、暴利をむさぼるようなことはしていなかったと思います。

 うん、私も創業時にはとても苦労しましたよ、もっとも私の場合綱渡りの資金繰りは今も変わらないですが(苦笑


>世の中では、お金儲けさえできればと言う、半分詐欺的な商法が幅をきかしていますが、ITという言葉がそこに触媒のように働いている感じがするのも事実です。
メディアだけでなく、あらゆるものへのリテラシーは重要でしょうね。ベンチャー保護が、結果として悪徳奴隷業者の反映につながらないことだけは願いたいものです。

 うむ、「メディアだけでなく、あらゆるものへのリテラシーは重要」に深く同意です。
rice_shower様

>IT技術者の奴隷性を指摘する本エントリーとは少しずれるとは思いますが......。
ISOに体現されている徹底したマニュアル化は、現場のオペレーターの技能差、恣意ゆえに、品質が一定しない(通常より良い品質の製品がoutputされることも含む)現象を低減することに、大いに寄与しているのでしょう。
しかし、一方、かつて(ISO化以前)の日本の製造業を支えた、生産現場からのドラスティックな改善提案、問題提議の気概が著しく失せているような気がしますが、どうでしょう? 

 ああ、「生産現場からのドラスティックな改善提案、問題提議の気概が著しく失せている」とのご指摘、まったく同じ想いをしていたのでビックリしました。

 「徹底したマニュアル化」は想像力と創造力を奪ってしまうのですよね。

>企業、事業への帰属意識の希薄な、しかし有能な派遣社員が、下手をすると正規社員よりも重要な製造プロセス(ホワイト、ブルーを問わず)に従事しているという現状は、対症、弥縫、延命には疑い無く有効であっても、全心身の総合力を確実に脆弱化させることを、少なからぬまともな経営者は認識しているはずです。 

 ふむふむ。

>*少し前に、伊藤忠の社長が「(帰属意識の無い)派遣社員にはトップの意思が伝わらない」との弊害をTVで語っていましたが、商社などは、最も有効に派遣社員を活用している業種の典型だよな。 現経団連会長の会社もね。
にも拘らず、止められないのがネオリベ的経済システムに起因するのなら(“限定的”ネオリベ支持者としては、安易な短絡は止めてもらいたいのだが)、今踏みとどまっておかないと、取り返しが付かなくなるのではと強く憂慮します。 100円ショップの商品が100%中国製品であっても、何ら頓着するに値しませんが、投資と蓄積に裏打ちされる、OSにも喩えられるべき基礎的頭脳労働の、コストダウンのみを動機としたアウトソーシングの行く末に、ハイテク産業の死屍累々、そしてこの国の総体的没落をイメージするのは、決して過度に悲観的な感覚ではない、と思うのですが.....。

 うーん、深い分析です、たしかに「投資と蓄積に裏打ちされる、OSにも喩えられるべき基礎的頭脳労働の、コストダウンのみを動機としたアウトソーシングの行く末」はとても心配ですね、いや勉強になります。

とおりすがり様

>ちと脱線しますが、こういう産業が絶えることがないのは、バブル崩壊のしわ寄せを受けた、いわゆる中高年ニートという層があることで奴隷供給が潤沢に行われている側面もあるかと思われます。経団連としてはニート救済/公平なチャンスの提要よりは、生かさず殺さず、絞れるだけ搾り取るのが得策なので、救済策の提案には反対するんでしょうね。

 なるほど「いわゆる中高年ニートという層があることで奴隷供給が潤沢に行われている側面もある」わけですか。

>国がIT技術者の支援や教育に乗り出すのは、私は反対です。泥棒に追銭、これによって奴隷証人が美味い汁を吸うだけで、誰も幸せにはなりません。そもそも30歳そこそこで「廃棄処分」にすることが間違いであり、それを正さない限り使い捨てにされる技術者の後を継ごうなどという人が現れるはずがないのです。

 国によるIT教育支援は「奴隷証人が美味い汁を吸うだけ」という反対意見ですね。

artane様

>はじめまして。

 ようこそこちらこそ初めましてデス。

>技術屋(ハードウェアとソフトウェア両方です)やってもう十ン年な訳ですが、派遣屋介して某大手外資に入っていたときに、その会社が技術系の派遣に払える最高金額をお払いくださっていたらしい時期があるんですが、私が当時所属していた会社に入ったのは六割以下で、当然後進を育てるためにも、私一人で恩恵を独占する訳にもいかないので年360万円程度で甘んじておりました。

 ふむふむ、なるほどご苦労されてきましたねえ。

>で、まぁ、色々とあってその派遣屋と直に仕事をする羽目になったのですが、営業側から提示された金額は、派遣屋と某外資の取り引き状況が同じ状況だったに拘らず6割以上さっぴかれていました(苦笑)

 きびしいなあ・・・

>その後病気になったりして仕事降りたり現場変わってやっては降りたりになったのですが、派遣先の都合であると明確に現場で言われている場合ですら、「お前が全部悪い」と責めて契約報酬下げたり繰り返して来て、最後は流石にこちらも腹に据えかねるような状況になったので、契約打ち切り後、真っ先に労基署に告発しましたが(苦笑)

 うーむ。

>このように書いたのは派遣労働法が改悪される前の話でありますから、いまはもっと状況ひどいんだろうな。と推察する訳で、もう派遣屋使うのはこりごり、でも、職能活かして日銭稼ぐには派遣屋通さないと仕事がなさ過ぎる。と言うジレンマに嵌まっているのが現状な訳で(;´Д`)
(ここ最近は契約社員のハード屋だったり一人請負ソフト屋だったり他の業種で日銭かせぎしたりしていて、派遣屋とは縁遠いので最近の事情には疎いのですが)

 「日銭稼ぐには派遣屋通さないと仕事がなさ過ぎる」ここですよね、真の問題点は。

>本格的に稼ぎ直すにはどうすればいいのやら…(;´Д`)と困っているのが現状です。

 心中お察しいたします。どうかめげずにがんばってくださいましね。

Gedol様

 ども。

>労働環境が整備されると、奴隷商人は新たな奴隷の供給先を求めて海外に進出します。先般、中国で労働法の整備が行われたとき、欧米企業から大クレームが来たそうです。「低賃金労働者を求めて進出して来たのに労働者保護政策をするとは何事だ!!」だそうで。その後政府がどの様な決断をしたのかは知りません(笑)。

 うーむ、「労働者保護政策をするとは何事だ!!」ってすげえ論法ですねえ(苦笑

>IT業界では現在、奴隷の供給元としてアフリカが有力視されている様ですね。MITのやってる「100ドルラップトップ構想」って将にその為のプロジェクトですもん。

 そうか「IT業界では現在、奴隷の供給元としてアフリカが有力視」してるのか・・・

 なんだかなあ(タメイキ

andalusia様

>いわゆる「元請け」企業に所属しているSEですが、本当はこんな会社なるべく通したくなくて、フリーの技術者の方と契約したいんです。ところが、

 ほほう?

>「ISO900x, ISO-14001を取っている会社としか契約してはいけない」
「CMMレベル2以上を取っている会社としか契約してはいけない」
「プライバシーマークをとっている会社としか契約してはいけない」
「JIS-Q-なんちゃらに基づいたコンプライアンス体制が整備されている会社としか契約してはいけない」
「なんとかスコアがxx以下の会社とは契約してはいけない」
とか、いろいろな障壁があってできないんですよね・・・』

 うん、あるある、ですよね。
 最近はうるさくて大手はどこも個人契約はしなくなっちゃいましたよね。

トリル様

>単純肉体労働者である自分が言うのも何ですが、どうも世の中はやはり単価の安く使い捨てできる単純労働力こそ欲していて、あくまでもモノのついでにパソパソができるだの、行政書士の資格があるだのの方が、都合が良いようにできてるような気がします。
希少性や特殊能力はセールスポイントになるかも知れませんが、そもそも絶対的優位性を持つ技能というものはそんなにありませんし、それを必要としてる職場はもっと少ないでしょう。
相対的優位性は結局の所、市場の淘汰に晒されます。
技能によってはそれを用いる事に拘れば却って辛い目に遭うような状況も比べる世界を知ってしまえばあると知るでしょう。
仕事の無い図面書きよりも、明るい空瓶洗いの方が世の中は求めているのかも知れません。

 うーむ、「仕事の無い図面書きよりも、明るい空瓶洗いの方が世の中は求めているのかも」、これは深いなあ、考えさせられました。

>さてソフトウェアエンジニアの求人が増え単価が騰がっているそうですが、それがエンジニア個人の待遇・所得の増加に繋がらないという事ですが、まぁ、要するにそういう構造ができあがっているという事でしょうね。
例えばソフトウェアエンジニア同業者組合というのを自分達で作って、そこから優良なエンジニアを紹介する・派遣するという風にすれば中抜きは随分透明性を上げられると思いますけどね。
良くは知りませんが同業者同士で困った時は助け合うような事はないんですか?この業界。
まぁちょっと想像しただけでも難しそうですが。

 「ソフトウェアエンジニア同業者組合」ですか、ちょっと難しそうだなあ。

 それもそれですが、例えばマージン率を固定にして契約社員にオープンにするとかの良心的な派遣会社が現れないかなとか夢想してみたり・・・



 みなさま、ためになる貴重なご意見ありがとうございます。

トリルトリル 2007/02/09 16:21 >例えばマージン率を固定にして契約社員にオープンにするとかの良心的な派遣会社が現れないかな

「人材派遣会社「ユビキタス」が数千万円の給与未払い」とかあったでしょ。
実質的に人材派遣業界はカルテル状態だと思いますよ。自由競争なら誰かが押し出してもおかしくないのに、余りそういう話は聞かないでしょ?
で、不払い賃金補償基金とかを業界で作って天下りを受け入れるとか利権を提供すれば役人に覚えも良いと、そんな感じで棲み分けや管理が進んでいるように思ってますよ。

kibashirikibashiri 2007/02/09 17:13 トリル様

>「人材派遣会社「ユビキタス」が数千万円の給与未払い」とかあったでしょ。
実質的に人材派遣業界はカルテル状態だと思いますよ。自由競争なら誰かが押し出してもおかしくないのに、余りそういう話は聞かないでしょ?

 うむうむ。

>で、不払い賃金補償基金とかを業界で作って天下りを受け入れるとか利権を提供すれば役人に覚えも良いと、そんな感じで棲み分けや管理が進んでいるように思ってますよ。

 うーむ、やはり「役人に覚えも良」くないとだめなんでしょうかねえ。

トリルトリル 2007/02/09 17:19 >やはり「役人に覚えも良」くないとだめなんでしょうかねえ

そりゃモチベーションだとか周辺の説得力とか、一人の良心や同情を囲っても仕方ないですから、道義的に高い位置にあれば、なおさら効果は高いでしょうよ。
どうせ回り回って取られるなら、自分達のために使えるような提供の仕方ってあると思いますよ。

nak2knak2k 2007/02/11 13:16 >ソフトウェアエンジニア同業者組合
私は関わったことありませんが、派遣でなく個人事業の人なら「首都圏コンピュータ技術者共同組合」とかありますけどね。
@ITに載っていたPR記事(http://jibun.atmarkit.co.jp/ad/company01/25mcea/mcea01.html)より引用させていただくと
>>
派遣と組合との比較をしてみよう。一般に派遣では、仕事の金銭的な契約内容は登録者には開示されない。多くは契約金額の2〜3割は派遣会社の取り分となる。だが、組合員なら契約内容はすべて開示される。さらに組合では、契約金の93〜97%を報酬として受け取れるが、これは派遣と比較してかなり多い(割合は実績に応じて)。
<<
とのことです。
3〜7%なら口座手数料と考えれば納得いく割合だし、色々と付加サービスもあるようですからね。

トリルトリル 2007/02/11 14:08 >首都圏コンピュータ技術者共同組合

ほー、そいつに能力のある個人技術者が流れたら、本来派遣業者は待遇を改善するか残り物で商売するしかないわけだ。
で、ググってみた。
×首都圏コンピュータ技術者共同組合
○首都圏コンピュータ技術者協同組合

現実にはどうだろう、政治家・主務官庁・派遣先と握り合い(営業努力?)している人材派遣業者は強いだろうね。

nak2knak2k 2007/02/11 21:58 >トリル様
誤字失礼。話の流れを読まずに書き込んだので読み直してちとまずかったかなと思ったのですが、上の組合は別に派遣とぶつかるようなとこじゃないと思います。
詳しくは知らないですが加入に際してある程度の能力があることが要求されるようです。IT業界は、高い能力が必要とされる仕事ばかりじゃないので、そういう仕事に対する労働力の供給としては派遣業も一定の役割を果たしているかと。もともと派遣登録者の能力の高低に依存するビジネスモデルじゃないですしね、派遣業。
派遣については、まぁ、色々とありますが、少なくとも現時点では能力さえあればいくらでも上に登れるんで、その点においてはまだ救いがある業界かな、と思います。

nak2knak2k 2007/02/11 22:03 分かりにくいかなと思ったので追記。
救いがある、と思ってるのはIT業界です。(まぁ、まだ他の業種に比べたら歴史が浅いので、まだまだこれからなんですけどね)

トリルトリル 2007/02/12 01:59 いや別に共同が協同であっても別に困らんかったから私のは蛇足よ。
ホンでもって思ったんだけど、人材派遣業に求められる社会的役割は、産業構造変化のバッファーであったり契約主体としてリスク負担だと、まぁ思うの。
生協組合式でやるにしても人材派遣業の見習うべき点で色々やり方はあった方が良いと思う。
掠りが3−7%じゃできる事は限られるし、求められるのは志向・透明性だと思うから、もう少し組合の間口も預かり分も大きくしてキャリア・カウンセリングやメンヘル・法律勉強会なんかもした方が結局全体に利すると思うよ。
間口を大きくというのは、有資格者に限らず資格習得予定者や習得希望者も一定の条件下で参加できれば良いと思うし、職種も小さなタームや間接的にエンジニアとしてのキャリアに有益に思われるような・気分転換的なモノは注釈付きで取り入れても罰は当たらないと思う。
ホンでもって広告代理店とも適当に付き合った方が良いと思う。
ばらまく事で相互依存・共存共栄・イメージって大事だから。
代理店って敵に回さなくても、視野の外にいるというだけで、政治力が段違いになるからね。

まぁ蛇足も蛇足、大蛇足だけどね。