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2008-11-26 まさに「100年に1度」の世紀の愚策

[]まさに「100年に1度」の世紀の愚策 14:18



●首相、2次補正は今国会見送り 会期「越年」の可能性

 朝日新聞記事から。

首相、2次補正は今国会見送り 会期「越年」の可能性

2008年11月25日22時15分

 麻生首相は25日、首相官邸で記者団に対し、追加の景気対策を盛り込む第2次補正予算案を今国会ではなく、来年1月早々に召集する通常国会冒頭に提出することを正式に表明した。ただし、民主党が会期内採決に応じない補給支援特措法と金融機能強化法の各改正案を成立させるため、来年1月上旬までを軸に会期を大幅に延長する方針だ。

 これを受け、与党内では、衆院解散・総選挙は来年度予算成立後の来春以降との見方が広がっている。一方、自民、民主両党は25日、首相と民主党の小沢代表による初めての党首討論を28日に開催することで大筋合意した。

 首相は25日、与党の幹部と協議した後、記者団に対し、「12月は税制改正、09年度予算編成に全力を挙げたい」として、2次補正提出の先送りを明らかにした。民主党は2次補正の審議に協力する姿勢を示していたが、「民主党が抵抗路線に転じた場合、会期を延長しても、予算関連法案まで成立させられるメドが立たない」(首相周辺)ためだ。

 会期の延長幅について、首相は民主党の出方を見極めたうえで、28日までに決める考えを示した。ただ、政府・与党内では、金融機能強化法改正案を参院が否決したとみなして衆院で再可決できる1月5日以降までの「越年延長」との見方が強まっている。

 首相はまた、「通常国会は早い時期に開会し、2次補正を早期に審議してもらおうと考えている」と語った。臨時国会閉会後間をおかず、1月上旬に通常国会を召集する方向だ。

 民主党は会期が延長されれば、同党独自の経済金融対策法案を提出し、政府・与党との違いを強調する戦略だ。

http://www.asahi.com/politics/update/1125/TKY200811250372.html

 うーん、「民主党が抵抗路線に転じた場合、会期を延長しても、予算関連法案まで成立させられるメドが立たない」(首相周辺)ために、2次補正は今国会は見送り、来年1月上旬までを軸に会期を大幅に延長する方針を固めたそうであります。

 ・・・

 麻生さんの嘘つき。

 これじゃ「政局より政策」じゃなくて「政策より政局」じゃないですか。

 「多くの中小企業は年を超えれないから対策を急ぐ」としてきた、今まで発言してきたことと、これではまったく筋がとおりません。

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●「政局より政策」と言って衆院解散を先送りしたのに、景気対策を国会で先送りするのは筋が通らない(日経社説)

 この麻生さんの2次補正越年先送りの方針を、26日の主要紙社説は一斉に取り上げています。

【朝日社説】補正先送り―「逃げない政治」はどこに

http://www.asahi.com/paper/editorial.html

【読売社説】国会延長問題 首相は態勢を立て直す時だ

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20081125-OYT1T00770.htm

【毎日社説】補正先送り まるで筋の通らぬ対応だ

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20081126k0000m070126000c.html

【産経社説】補正予算 政策実現へ決意どうした

http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081126/fnc0811260318004-n1.htm

【日経社説】筋が通らぬ2次補正先送り(11/26)

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20081125AS1K2500125112008.html

 社説タイトルでわかりますが、読売を除いては朝日から産経まで一斉にこの愚策を批判しています。

 各社説のポイントだけ列挙。

 これでは、中小企業の年末の資金繰りに欠かせないと首相が強調した対策のあれこれは、早くても来春まで先送りになる。首相が逃げるほどに、肝心の経済対策の実現が難しくなる。皮肉な構図に陥ってしまった。 (朝日社説)

 つまり、首相が、10月末の記者会見で示した追加景気対策の裏付けとなる補正予算案の国会提出は、先送りされた。

 これには、首をかしげる人が少なくあるまい。首相は、現在の経済状況を「百年に一度の暴風雨」と形容して強い危機感を示し、追加対策は「迅速」な実行が肝心としていたからだ。(読売社説)

 麻生太郎首相と自民、公明両党執行部が25日、今年度第2次補正予算案の今国会提出見送りを決めた。「景気対策が緊急課題」と繰り返し強調していたのは首相だったはずだ。それを年明けの通常国会に先送りするというのでは、まるで筋が通らない。(毎日社説)

 このところ、首相が小沢一郎民主党代表について「信用できない」と批判し、これに小沢氏が「チンピラの言いがかり」と反論した。二大政党の党首が感情的に「非難合戦」を繰り返すことで、問題は解決するのか。

 米国では大統領選後も党派を超えて合意作りの動きが進んでいる。日本においても麻生、小沢両氏がたたかわせるべき論点は、国益を守り、危機に対処するための具体策であるはずだ。(産経社説)

 政府与党は景気対策を具体化する第2次補正予算の今国会提出見送りを決め、この方針を民主党など野党側に伝達した。麻生太郎首相が「政局より政策」「景気対策最優先」と言って衆院解散を先送りしたにもかかわらず、この国会に補正予算を提出せず、景気対策を先送りするのは筋が通らない話である。麻生内閣の政権運営は一貫性に欠けると言わざるをえない。(日経社説)

 なぜか麻生さんに甘い読売ですら「首をかしげる人が少なくあるまい」と指摘していますが、まったく「「政局より政策」「景気対策最優先」と言って衆院解散を先送りしたにもかかわらず、この国会に補正予算を提出せず、景気対策を先送りするのは筋が通らない話」(日経社説)なのであり、まさに「まるで筋が通らない」(毎日社説)のであります。

 余談ですが、産経は「麻生、小沢両氏がたたかわせるべき論点は、国益を守り、危機に対処するための具体策である」と相変わらずあらゆる論説で日本の「国益」を出してきますな、どうでもいいですが(苦笑)。

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●中小企業 年の瀬に寒風 2次補正先送り 追加対策遅れに批判の声〜産経記事

 この2次補正先送りで中小企業の年の瀬に寒風が吹いているとする産経新聞記事から。

中小企業 年の瀬に寒風 2次補正先送り 追加対策遅れに批判の声

2008.11.25 22:52

 麻生太郎首相が25日、第2次補正予算案の提出を来年1月の通常国会に先送りすることを正式に表明したことで、約27兆円規模にのぼる政府の追加経済対策の実施は大幅に遅れることになった。対策には中小企業の資金繰り支援なども盛り込まれ、早期の実施が期待されていた。景気後退局面のなかで、一刻も早い景気浮揚策の実施が求められていただけに、批判の声が強まりそうだ。

 「金融機能強化法が成立した場合の予算化や税収大幅減への対応もある。12月は税制改正と平成21年度予算編成に全力を挙げたい」。麻生首相はこの日、2次補正予算提出を先送りする理由をこう説明した。

 追加対策には、子供2人の4人家族で、6万4000円を支給する定額給付金のほか、中小企業の資金繰り支援、高速道路料金の大幅引き下げなどが盛り込まれている。急場しのぎと批判されながらも、対策発表時にはスピードを強調していただけに、今回の法案提出先送りに、経済官庁幹部も「政局優先ととられてもやむを得ない」と首をかしげる。

 法案成立の時期にもよるが、定額給付金支給が3月から始まれば、対策決定から4カ月以上もかかることになる。仮に法案成立が遅れれば、公約してきた年度内支給が困難になる可能性さえある。

 中小企業の資金繰り支援については、1次補正予算による9兆円の信用保証枠を、30兆円まで拡大することが追加対策に含まれている。「中小企業の資金繰りをより万全にする」と胸を張っていた麻生首相だが、追加分は年末の資金繰りには間に合わない。25日には「1次補正でかなりの分がまかなえている。2次補正は年度末(に必要となる)」と景気への悪影響を否定した。

 追加対策実施の遅れについてニッセイ基礎研究所の櫨(はじ)浩一経済調査部長は「景気に大きな影響を与えるとは思えないが、ちょっと明るい材料を提供するという心理的効果は薄れる」と指摘する。追加対策を実施する前に、経済対策は早くも“その次”が求められている。

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081125/biz0811252253016-n1.htm

 ふう。

 追加分は中小企業の年末の資金繰りには間に合わなくなってしまったわけです。

 なにが「12月は税制改正と平成21年度予算編成に全力を挙げたい」(麻生首相)ですか。

 「中小企業の資金繰りをより万全にする」と胸を張っていたのはつい一ヶ月前のことでしょ。

 ・・・

 ・・・

 「100年に1度」の世界同時不況の中、政局のために2次補正越年先送りを選択した麻生首相なのであります。

 これは正に、100年に1度あるかないかの世紀の愚策であります、

 麻生さんはどこを向いて政治をしているのでしょうか。



(木走まさみず)

ト 2008/11/27 03:49 思うに麻生首相の与党内リーダーシップの欠如を主因としてるものの、アメリカの不況が長引くかもと考える官僚の入れ知恵で、拙速に手段を講じて打ち手が早々に喪失してしまう事を裂けるべきとか何とか、結局政局的にも民主党が財務的に干上がりそうだとかいう事もあって、う〜ん日本は内需先行型体質にはなりません・なれませんよ宣言じゃね?

HAHA 2008/11/27 22:31 政策より政局なのは民主のほうじゃね?
要するに「民主が抵抗するから成立できない」と言ってるように聞こえる。
だから取捨選択で後回しにしたのでは・・・
小沢および民主が一時的にでも予算案成立のために自民と手を携えればいい話であって、そこで「これはダメ、こっちのほうがいい」なんて話をするのはそれこそ愚の骨頂。今はまず政府主導で予算案出すべきだろ、手直しはあとですればいいし、何事も「やらないよりマシ」だ。

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