木走日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009-07-28 5つの約束の3つの矛盾

[]民主党の5つの約束の3つの矛盾 12:54



 民主党のマニフェストが発表されました。

 堂々と、かつ、一生懸命にその工程と財源を明示しようと努力したことは肯定的に評価したいです。

 麻生首相はさっそく「財源が無責任、極めてあいまいだ。ばらまきの話は、極めて危ない」などと批判しておりますが、まずは自分とこのマニフェスト出してからよその政党を批判しましょうね、同じ土俵にのってから相撲は取らないとイケません。

 ネットでも公開されている民主党のマニフェストでありますが、その最終ページには「変わるのは、あなたの生活です。」というキャッチのもとに「民主党の5つの約束」が掲げられています。

変わるのは、あなたの生活です。

民主党の5つの約束

1【ムダつかい】

国の総予算207兆円を全面組み替え。

税金のムダづかいと天下りを根絶します。

議員の世襲と企業団体献金は廃止し、衆議院定数を80削減します。

2【子育て・教育】

中学卒業まで、一人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給します。

高校は実質無償化し、大学は奨学金を大幅に拡充します。

3【年金・医療】

「年金通帳」で消えない年金。

年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します。

後期高齢者医療制度は廃止し、医師の数を1.5倍にします。

4【地域主権】

「地域主権」を確立し、第一歩として、地方の自主財源を大幅に増やします。

農業の個別所得保障制度の創設。

高速道路の無料化、郵政事業の抜本見直しで地域を元気にします。

5【雇用・経済】

中小企業の法人税率を11%に引き下げます。

月額10万円の手当つき職業訓練制度により、求職者を支援します。

地球温暖化対策を強力に推進し、新産業を育てます。

民主党マニフェストより

http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/index.html

 強引にワンセンテンスでまとめれば、税金のムダづかいと天下りを根絶し、一人当たり年31万2000円の「子ども手当」を支給し、「年金通帳」で消えない年金を実現し、医師の数を1.5倍にし、地方の自主財源を大幅に増やし、農業の個別所得保障制度の創設し、高速道路の無料化をし、郵政事業の抜本見直しをし、地域を元気にし、中小企業の法人税率を11%に引き下げ、月額10万円の手当つき職業訓練制度により求職者を支援し、なおかつ、地球温暖化対策を強力に推進し、新産業を育てます、というわけです。

 

 税金のムダづかいと天下りの根絶、また「子ども手当」支給、「年金通帳」で消えない年金を実現等、たいへんすばらしい政策が並んでいます、個人的には財源根拠をより明確に示していただければより安心して支持できると思います。

 ・・・

 さて、不肖・木走は、今回は自民は下野すべき、そして健全な保守政党再生のため猛省すべき、との立場をとっております、ですので民主党のマニフェストには愛を持って(?苦笑)受け止めており、麻生首相のように揚げ足取りをするつもりはありません。

 野党なんだもん、与党に比べりゃ現状で財源の根拠なんてあいまいでもしかたないでしょ、という愛であります。

 しかし、その上でですが、この民主党のマニフェストの内容をよく読んだ上でですが、海外メディアの外国人記者が有するであろう当然の3つの単純な疑問がどうしても払拭できないのであります、おそらく外国人は疑問というよりも、Contradiction=矛盾を感じることでしょう、根拠があいまいというレベルではなくです。

 共産党は民主党中心連合政権に対して建設的野党を目指すといいますが、不肖・木走は、民主党関係者に海外メディアに対する理論武装を促すために、民主党マニフェストにあえて3つの建設的批判を試みたいと思います。

 ・・・

【Contradiction 1】「地球温暖化対策を強力に推進」に逆行する「ガソリン税の廃止」と「高速道路無料化」

 民主党マニフェストを精読すると、環境問題で、温室効果ガスの削減量を政府目標の倍になる「1990年比で25%削減」という中期目標を掲げています。

 これはかなり厳しい数字で経済界などからは「国内工場の新増設が不可能になる」などと批判が出ていますが、それはよしとして、あわせて民主党は「高速道路の無料化」とともに、次の減税策を明示しています。

「ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率を廃止し、2.5兆円の減税を実現します」

 「1990年比で25%削減」という政策が民主が政権をとり「国際公約」となればまちがいなく海外からは次のつっこみが入ります。

 ならば、なぜガソリン税を廃止し高速道路を無料化するという、温室効果ガス排出促進策を掲げているのかと。

 これは単純なしかし深刻な矛盾です。

【Contradiction 2】「地方の自主財源を大幅に」減らす「ガソリン税の廃止」

 「「地域主権」を確立し、第一歩として、地方の自主財源を大幅に増やします」とする民主党ですが、現在2.7兆円ほどの「ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率」ですが、これは一般財源として国1・5兆円、地方1.2兆円ほどに振り分けられていますが、これを廃止するとなると、地方にとって1.2兆円という大幅な自主財源減少を招きます。

 民主党の言い分がその他の財政措置でそれを上回る「地方の自主財源を大幅に増やす」のだとするのだとしても、私が読み解く限り恒久的な措置としては、数字のつじつまが合いそうにありません。

 これも必ずつっこまれると思います。

【Contradiction 3】「米国との自由貿易協定(FTA)締結」に反する「農業の個別所得保障制度の創設」

 最後に「農業の個別所得保障制度の創設」ですが、これをマニフェストで掲げるのは国際的には勇気あることであります。

 健全な自由な相互貿易の観点からいえば、この政策は保護貿易的補助金であることは明白であり、WTO的には完全にアウト、つまり違反であります。

 アメリカあたりからは思いっきり突っ込まれそうです。

 しかし特定産業保護策は何も日本だけじゃないわけでそれはそれでよしとしましょう。

 しかしです。

 民主党マニフェストを精読すると、「51.緊密で対等な日米関係を築く」の第二項でこうあります。

○米国との間で自由貿易協定(FTA)を締結し、貿易・投資の自由化を進める。

 これはアメリカ人にとっては特に理解に苦しむことでしょう。

 農家保護策と米国との自由貿易協定(FTA)締結を、どう整合性を持たせて説明するのか・・・

 ・・・

 もし民主党が本当に政権をとる気なら、海外メディアにも堂々と政策の説明が求められます。

 私が指摘した三つの疑問(Contradiction(=矛盾))にも、理屈はこうであるから矛盾しないと、しっかり説明できるように理論武装しないといけません。

 民主党執行部の健闘を祈ります。



(木走まさみず)

yoshinoyoshino 2009/07/28 15:14 外交政策では票は取れないと言いますが、選挙公約というやつはどこの国でも内向きな議論になりやすいですよね。民主は木走さんの指摘する問題点はあえて気づいていないのか、あるいは気づいていても目をつむっているのだと推測いたします。海外からの視点までフォローする余裕はないのジャマイカ。

kzkz 2009/07/28 18:57 温暖化対策の推進と租特の問題は同列で論じるべきではないと思います。暫定税率をいつまでも暫定しておくべきと考える人は少ないでしょう。地球温暖化対策税の導入をするらしいですから、いったん祖特の廃止をしたうえで地球温暖化対策税で温暖化対策につなげるのでしょうか。農業の個別所得保障については、すでにアメリカでは導入されています。http://www.maff.go.jp/www/counsil/counsil_cont/kanbou/kikakubukai/4/3.pdf
しかしながら民主党は、特に岡田さんあたりは説得力のある説明が苦手のようなので、理論武装はしっかりとしていただきたいものです。
自民党の財源云々は見苦しいですね(笑)。まるで社民党や共産党のようで今から野党になった場合のシミュレーションをしているようです。

ト 2009/07/28 19:19 c1は「自家用車所持を禁止もしくは高税化で交通総量を減らす。レンタカーやシュア化を制度的に支援する」って事じゃね?
でもそうだったらそうと素直に言った方が分かり易いよね、自動車メーカーの怒りを買っても。

merlinmerlin 2009/07/28 20:10 うーん・・・高福祉、低負担!
すばらしい!
高福祉ならば高負担が世界の常識。実現すれば、世界の政治史に確固たる地位を占めるでしょう。

日本の政治は、最高難度のお笑い劇場なので、こういうマニフェストも罷り通る。

高信頼社会を逆手に取ってます。ボケ老人とテレビ人間は、増税論議が取り沙汰されるまで、その矛盾に気付く事はありますまい。

選挙に行こう選挙に行こう 2009/07/28 22:12 麻生世襲政権には、(誕生時から)ほんとうにあいそ尽かしていましたが、
民主のマニフェストも・・・。


民主のこのマニフェスト、ばらまきの甘い汁は書いていますが
きつい部分は、ないがしろです。

Kzさん、ガソリンの暫定税。暫定だから、廃止なんて子供っぽい論理です。
税のかけ方で、社会を誘導するというのが、基本です。
どう考えても、木月さんのおっしゃるように矛盾です。
環境税をいれるなら、しっかりとマニフェストに記述すべきで
それを書いていないってことは欺くことと同等だと思います。

選挙に行こう選挙に行こう 2009/07/28 22:15 「木月さん」でなくて、
「木走さんの意見」です。
すみません。修正します。

通りすがり通りすがり 2009/07/29 13:42 暫定税率ねえ。
どうせ他のところの予算から回してくることになるでしょう。
あれは環境云々以前に税金の二重取りなんだから廃止には賛成。
はっきり言えばよかったんだよ「税金の多重取りはこの際、一切合切解消します」ってな。

通りすがり通りすがり 2009/07/29 13:42 暫定税率ねえ。
どうせ他のところの予算から回してくることになるでしょう。
あれは環境云々以前に税金の二重取りなんだから廃止には賛成。
はっきり言えばよかったんだよ「税金の多重取りはこの際、一切合切解消します」ってな。

iireiiirei 2009/07/29 14:58 鳩山代表がついこの前、「日本列島は日本人ものだけのものではない」とぶって、一般国民の顰蹙を買いましたが、今度のマニフェストにも「移民、移民の参政権」を認めることが謳ってあるそうで、これは、周辺のアジア国家には美味しい話であるだけで、日本には何のメリットもありません。失業者はいまより増えるだろうし、日本が中国の属国になることもありましょう。
 今度の総選挙、白票を投じるつもりです。

karakarakarakara 2009/07/29 21:37 【Contradiction 3】の意見には疑問があります。農家への個別補償は、来るコメ輸入自由化に備えるものです。アメリカはコメの輸出をしたいわけだから、むしろ歓迎でしょう。現在の輸入禁止・価格維持政策に限界がある以上、コメの価格が下がっても農家がつぶれないようにする為にはこれ以外手は無いですよね。個別補償政策によって、減反がなくなり専業農家の積極的展開を期待していますよ。

ん 2009/07/29 23:17 民主音頭で踊る人には、この程度で充分でしょ?ということ。
それに尽きる。

からから 2009/07/29 23:49 いつかは、消えるかもしれないガソリン税(電気自動車などにより)を想定した財政の見直しの為には、それもありなのではと。
一寸先”だけ”を見た財政の組み方をしてしまえば、
カリフォルニア州のように電気自動車が潰されてしまうでしょう。
技術の進歩がどれ程の物か予想が出来ても、それを超える物が出来てしまった場合、
万人に喜ばれるはずの技術が、万人に喜ばれないなんて事態も考えられます。
システムはより良い世界の為に。システム維持の為に、より良い世界を捨てるなら、
エコなんてしないで、皆で快楽を求めて世界を破壊したほうがマシと私は思っています。

からから 2009/07/30 00:01 MHKの討論番組で共産党が言っていた、忘れられた税金の事を
どこの党も無視するのはいかがなものか。
政治に詳しくないのでよく分からないですが、
宮本太郎の社会保障とデモクラシーと言う本に書いていました。
自民党の与謝野 馨氏がマスコミとかを集めた会合の時、「読んでおくように」と言っていましたが、今になってその意味が私には理解できました。
その税が忘れられているおかげで、誰が得をしているのかと。

pppp 2009/07/30 15:56 >まずは自分とこのマニフェスト出してからよその政党を批判しましょうね、同じ土俵にのってから相撲は取らないとイケません。
このへんの理屈がよく分かりません。
それに
>麻生首相のように揚げ足取りをするつもりはありません。
散々今までしておいて自分にはするなって言うのもおかしいでしょ?
突っ込みどころがあるから突っ込まれてるのを理解しましょうね。

aa 2009/08/14 23:59 569 名前:日出づる処の名無し[sage] 投稿日:2009/08/13(木) 17:30:22 ID:pNvSo+5Q
FTAって「締結の促進」じゃなく「米国とのFTAを締結します」って書いたから騒がれてるんだっけ?

以下、参院選のマニフェストより
農産物の国内生産の維持・拡大と、世界貿易機関(WTO)における貿易自由化協定(FTA)締結の
促進を両立させます。そのため、国民生活に必要な食料を生産し、なおかつ農村環境を維持しながら
農業経営が成り立つよう、「戸別所得補償制度」を創設します。

政権交代しそうだから今は注目されてるけど我が党って本気で相手にされてなかったんだなぁ___
今まで言ってきた事を何で今更批判されたりするのかと思ってたりして_

583 名前:日出づる処の名無し[sage] 投稿日:2009/08/13(木) 17:59:23 ID:yffYLCao
>>569
NO。
「FTAを締結した方が農家は得なんですよ」と言い出したから叩かれてる。

まずFTAを締結したら農産物の品目別市場価格は一気に安くなるでしょ。
ここで登場するのが抱き合わせの戸別補償制度。
この制度のキモは、外国産を含んだ品目別市場価格と生産コストの差額がバラまかれる点でね。
市場価格だからもちろん関税が含まれる。
「FTAを締結して市場価格から関税がなくなれば戸別補償の金額も増えるんです!」
「戸別補償の金額は外国産を含んだ品目別市場価格から算定されますから、国産と外国産に
 価格格差が大きければ大きいほど無制限に補償金が増えます!」
「農家の皆さん方が作ったモノは当然国産ですから、国産の価格で売って儲けて下さい!」
とはっきり言っちゃったw

少し考えりゃ小学生でも分かるんだけど、このシステムってアレなのよ。
戸別補償制度単体では赤字補填だけだから利益ゼロ。
じゃあそれでどうやって農業が成り立っていくのかっていうと、

従来の農家の利益=農産物の売却価格−生産コスト
新しいの農家の利益=(農産物の売却価格−生産コスト)+戸別補償(品目別市場価格平均−生産コスト)
    =国産価格と外国産価格の格差=農家の利益

となる。
FTAを結んで格差が拡大すればするほど儲かります!と来たわけだ。
これがマニフェスト説明会で起きた事件(笑)

まあなんだ。普通の想像力があるならキレるわこれ。

586 名前:日出づる処の名無し[sage] 投稿日:2009/08/13(木) 18:04:43 ID:vRAtiI6U
>>583
ごめん、今まで馬鹿馬鹿しくてまともにFTA関連の政策を読んでなかったんだけど、

生産コストは持ってやる。
利益はクソ高い国産が売れた分だ。

売れればの話だけどな!(まさに外道AA)


って事?

590 名前:日出づる処の名無し[sage] 投稿日:2009/08/13(木) 18:23:45 ID:yffYLCao
>>586
いや我が党はもう一歩先に進んでるw

生産コスト>>>(超えられない壁)>>FTAで関税すら撤廃した安い外国産市場価格
の外国産と価格競争すると作れば作るほど赤字なのが前提。
生産コストを持つんじゃなくて、生産コストより市場価格の方が安くなるなら差額だけを
持ってやるって話だから全然違う。

外国産のシェアが高ければ高いほど品目別市場価格が下がるから儲かります。
外国産から関税取っ払って外国産が安くなれば安くなるほど市場価格が下がるから儲かります。

生産コストを下げる努力をしたら下がった分だけ戸別補償を下げます。無駄を省く努力は無駄ですww
クソ高い国産を売りつけた売値と外国産を含んだ市場価格平均の差額だけが利益ですww

格差を促進すれば補償金が増えるよ!
格差が解消したら補償金を減らすから農家の懐には入らないよ!
だからFTA締結で補償金を増やすために格差を増やそうよ!
相対的にクソ高くなる国産を売った分だけが貴様の利益だお!

602 名前:日出づる処の名無し[sage] 投稿日:2009/08/13(木) 18:46:17 ID:REyCIVii
>>590
ええと
国産100円、コスト70円、中国産60円として

我が党前
100円で出荷→手取100円、売却益30円から

我が党後
60円で出荷→10円を補償で手取70円、売却益0円

ここで頑張ってコストを50円に
60円で出荷→補償無しで60円、売却益10円

豪華設備を導入してコスト100円に
60円で出荷→40円を補償で手取100円、売却益0円

うん、これは無いwww