木走日記

場末の時事評論

「財務省の連中は小沢一郎に感謝しているんじゃないかな」(某官庁キャリアの話)


 先日、学生時代の友人であり現在某官庁キャリアである人物と会食しました。

 そのときの彼の話が興味深かったです。

 彼によれば「財務省の連中は小沢一郎に感謝しているんじゃないか」というのです。

(木走)「なんだかなあ、小沢グループが離党しそうだけど、消費税増税反対の僕としてはすっきりしないなあ」

(友人)「財務省の連中は小沢一郎に感謝しているんじゃないかな」

(木)「どういうこと」

(友)「穿った見方をすれば小沢さんがいなければ財務省は消費税増税はできなかったってことだよ」

(木)「消費税増税反対の小沢さんが消費税増税に貢献したと? じっくり説明してくれないか」

(友)「自民党政権時代から財務省は消費税増税を目論んでいた。しかし小泉政権増税に関心がなく逆に『自分の政権では増税はしない』と言い切ってしまう。それに続く、安倍、福田、麻生の3政権はそれぞれ1年しか持たなく増税など手が回らなかった」

(木)「そうだね、長期に渡る自民党政権は制度疲労を起こしていた、そして国民の支持を失い、3年前政権交代が起きて民主党政権が誕生したわけだ」

(友)「財務省民主党政権を歓迎したんだ」

(木)「どうしてさ、ネットでは君達官僚はアメリカ政府やCIAの手先で官僚支配打破を目指す小沢氏を目の敵にしているという説もあるんだが」

(友)「CIAの手先かい(苦笑)?そんな陰謀論には与しないがまあ検察の連中は小沢つぶしにムキになっていたのは認めるけど、財務省の連中はもっと計算高いはずさ」

(木)「というと」

(友)「末期の自民党政権にはもはや強力な野党の反対を跳ね除けて増税法案を通す統治能力はなかった。増税法案を通すならば自民党が野党になったときがチャンスだと考え直したんだ。もし民主党政権増税案を出せば、国民に不人気な増税案は民主党にやらせればいいから野党自民党は必ず協力すると考えた」

(木)「なるほど」

(友)「あとは民主党政権増税に洗脳すればいいわけだ。幸いなことに「政治」主導を唱えた鳩山政権は普天間でメッキがはがれ失脚する。その後の菅、野田政権はすっかり洗脳され増税推進政権となった。一方自民党の谷垣総裁もすでに財務省の息がかかっている。増税法案を国会で通す土俵はすっかり整ったと言うわけだ」

(木)「うむ、増税賛成の自民党が野党のときが増税法案を国会で通すチャンスだったわけだ」

(友)「そうだ。だから政権交代が起こらなければこんなに早く増税法案を国会に通すことは不可能だった。だから政権交代の立役者である小沢一郎財務省の連中は感謝しているはずなんだ」

(木)「なんだかなあ」

 増税反対の小沢氏が結果的に増税に貢献したと言う役人の話であります。

 本当のところはどうなんでしょう。

 かなり穿った憶測ですが、興味深い話だったのでご紹介いたしました。



(木走まさみず)