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2013-01-01 尖閣問題スクープ新事実をもみ消す中国大使館の理屈

[]尖閣問題スクープ新事実をもみ消す中国大使館の理屈〜外交資料館に誤った立場を補強しようとする資料を収蔵していただと!? 17:54




 読者のみなさん、謹賀新年です。本年もよろしくお願い致します。

 元旦そうそうですが尖閣諸島について取り上げたいと思います。

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 外務省公式サイトによれば、そもそも「尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであり,現に我が国はこれを有効に支配している。尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない」のであります。

日中関係

(尖閣諸島をめぐる情勢)

尖閣諸島について

尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らかであり,現に我が国はこれを有効に支配している。尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない。

1968年に周辺海域に石油資源が埋蔵されている可能性が指摘された後,1971年から中国政府及び台湾当局が同諸島の領有権を公に主張。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/index.html

 中国は「1968年に周辺海域に石油資源が埋蔵されている可能性が指摘された後,1971年から中国政府及び台湾当局が同諸島の領有権を公に主張」し始めたわけで、それまでは一度も中国も台湾も主張していなかった経緯があります。

 例えば上記外務省サイトが画像も公開していますが、1953年1月8日付中国共産党機関紙人民日報の記事では尖閣諸島が日本領土であることが明記されています。

■1953年1月8日付人民日報記事

f:id:kibashiri:20130101171320j:image

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/index.html

 さらに同サイトでは1960年4月出版の中国の世界地図」において尖閣諸島が日本領土として描かれていることも公開されています。

■世界地図集(中国:地図出版社,1960年4月出版)

f:id:kibashiri:20130101171321j:image

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/index.html

 また、外務省文化局「尖閣諸島について」-尖閣諸島の領有権問題のサイトでは、1970年の台湾の中学地理教科書にやはり尖閣諸島が日本領土として描かれています。

■中華民国59年1月初版国民中学地理教科書(1970年)

f:id:kibashiri:20130101171716j:image

http://senkakujapan.nobody.jp/page065.html

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 これらの明確な事実があるにも関わらず中国は、「尖閣諸島は古来より台湾の付属島しょ」との主張を繰り返しています。

 地図も台湾の教科書も公式文章ではないと事実上無視しているのです、中国共産党機関紙である人民日報の記事ですら「公式文書」ではないと主張しているわけです。

 ・・・

 昨年の暮れに時事通信が尖閣に関わるスクープ記事を飛ばします。

 12月27日付け時事通信記事から。

中国外交文書に「尖閣諸島」=日本名明記、「琉球の一部」と認識−初めて発見

 【北京時事】沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐり中国政府が1950年、「尖閣諸島」という日本名を明記した上で、琉球(沖縄)に含まれるとの認識を示す外交文書を作成していたことが27日分かった。時事通信が文書原文のコピーを入手した。中国共産党・政府が当時、尖閣諸島を中国の領土と主張せず、「琉球の一部」と認識していたことを示す中国政府の文書が発見されたのは初めて。

 尖閣諸島を「台湾の一部」と一貫して主張してきたとする中国政府の立場と矛盾することになる。日本政府の尖閣国有化で緊張が高まる日中間の対立に一石を投じるのは確実だ。

 この外交文書は「対日和約(対日講和条約)における領土部分の問題と主張に関する要綱草案」(領土草案、計10ページ)。中華人民共和国成立の翌年に当たる50年5月15日に作成され、北京の中国外務省档案館(外交史料館)に収蔵されている。

 領土草案の「琉球の返還問題」の項目には、戦前から日本側の文書で尖閣諸島とほぼ同義に使われてきた「尖頭諸嶼」という日本名が登場。「琉球は北中南の三つに分かれ、中部は沖縄諸島、南部は宮古諸島と八重山諸島(尖頭諸嶼)」と説明し、尖閣諸島を琉球の一部として論じている。中国が尖閣諸島を呼ぶ際に古くから用いてきたとする「釣魚島」の名称は一切使われていなかった。

 続いて「琉球の境界画定問題」の項目で「尖閣諸島」という言葉を明記し、「尖閣諸島を台湾に組み込むべきかどうか検討の必要がある」と記している。これは中国政府が、尖閣は「台湾の一部」という主張をまだ展開せず、少なくとも50年の段階で琉球の一部と考えていた証拠と言える。

 東京大学大学院の松田康博教授(東アジア国際政治)は「当時の中華人民共和国政府が『尖閣諸島は琉球の一部である』と当然のように認識していたことを証明している。『釣魚島』が台湾の一部であるという中華人民共和国の長年の主張の論理は完全に崩れた」と解説している。

 中国政府は当時、第2次世界大戦後の対日講和条約に関する国際会議参加を検討しており、中国外務省は50年5月、対日問題での立場・主張を議論する内部討論会を開催した。領土草案はそのたたき台として提示されたとみられる。

 中国政府が初めて尖閣諸島の領有権を公式に主張したのは71年12月。それ以降、中国政府は尖閣諸島が「古来より台湾の付属島しょ」であり、日本の敗戦を受けて中国に返還すべき領土に含まれるとの主張を繰り返している。

 領土草案の文書は現在非公開扱い。中国側の主張と矛盾しているためとの見方が強い。 (2012/12/27-14:37)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201212/2012122700471&g=pol

 これはスクープですね、「沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐり中国政府が1950年、「尖閣諸島」という日本名を明記した上で、琉球(沖縄)に含まれるとの認識を示す外交文書を作成していた」、つまり62年前のことではありますが、尖閣諸島を日本領土と認めている中国政府の作成した文書が存在している事実が判明したわけです。

 記事によれば「中華人民共和国成立の翌年に当たる50年5月15日に作成され、北京の中国外務省档案館(外交史料館)に収蔵されている」と明記されていますし、写真も掲載されていますのでこれは事実とすれば、現在の中国政府の「尖閣諸島は古来より台湾の付属島しょ」との主張と大きく矛盾します。

 このスクープでポイントなのはこの文書が北京の中国外務省档案館(外交史料館)に収蔵されている事実です。

 中国政府自身が外交史料館に保存していたことは政府が作成した文書であることを否定できないわけです。


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 なんと、しかしです。

 31日付け朝日新聞記事から。

在日中国大使館「署名ない」と反論 尖閣外交文書

 【北京=林望】中国政府が1950年当時、尖閣諸島を琉球(沖縄)の一部だと認識していたことを示す外交文書が見つかったと報じられたことについて、在日中国大使館は「署名のない参考資料を使って、誤った立場を補強しようとする企てだ」と反論した。文書の存在そのものは認めた格好だ。

 反論は、大使館のホームページに29日掲載した。「(文書は)署名のない参考資料だ」とし、これを根拠に中国の主張を覆そうとするのは「(日本の)自信の欠如の表れだ」とした。

 その上で、「日本が釣魚島(尖閣諸島の中国名)を合法的に領有したことがないのは、カイロ宣言をはじめとする国際法資料や日本の外交文書で明らか」と指摘。尖閣諸島を「古来、中国の固有の領土」とする従来の主張を繰り返した。

 問題となった文書は、50年5月に中国政府が作成した「対日和約(対日講和条約)における領土部分の問題と主張に関する要綱草案」。文書のコピーとともに時事通信が12月27日に報じた。尖閣諸島について、中国名の釣魚島という言葉を使わず、琉球の一部だとして記述している。

 中国では、一部ニュースサイトをのぞき、主要メディアはこの問題を報じていない。中国外務省も華春瑩副報道局長が27日の記者会見で「よく承知していない」と述べるにとどめている。

http://digital.asahi.com/articles/TKY201212310339.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201212310339

 うーん、この文書は中国政府公式のものではなく「署名のない参考資料を使って、誤った立場を補強しようとする企てだ」というのです。

 これは伊達政宗を彷彿とさせる中国外交無敵のテクなのか?

 その昔、大崎一揆煽動の疑惑で豊臣秀吉に呼び出され、白の死装束に金箔を塗った磔柱(十字架)を背負った姿で秀吉の前に出頭した政宗は、証拠の文書を突きつけられた際は、証拠文書の鶺鴒の花押に針の穴がない事を理由に言い逃れを行ない、それまで送られた他の文書との比較で証拠文書のみに穴がなかったため、やり過ごす事が出来たそうですが。

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 外交資料館に誤った立場を補強しようとする資料を収蔵していたと主張する中国大使館なのです。

 この尖閣問題スクープ新事実をもみ消す中国大使館の理屈は国際的に見てどうなんでしょうか。

 なんだかなあ、これはやはり国際裁判で決着を付けたほうがよいのかもです。

 ふう。




(木走まさみず)