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2014-07-22 マクドナルドよ、何処へ行く?

[]マクドナルドよ、何処へ行く?〜中国食材加工工場の衛生問題で「チキンマックナゲット」販売一時中止もHPで品質管理を自慢し続けるもののあわれ 17:18




 興味深い記事がNYTに掲載されています。

 アメリカのローカルTV番組で放映されたある中国食材加工工場の内部告発による映像がちょっとした騒動になっているようです。

 21日付けニューヨークタイムス記事から。

Chinese Meat Supplier of McDonald’s and KFC Gets the Ax

By NEIL GOUGH JULY 21, 2014 1:15 AM

The Chinese outlets of McDonald’s and KFC have stopped using meat from a Shanghai company after a local television news program accused the supplier of using chicken and beef past their expiration dates, setting off an investigation by food-safety officials.

The program, broadcast Sunday evening on Dragon TV, showed hidden-camera footage of workers at a meat-processing plant operated by Shanghai Husi Food using out-of-date chicken and beef to make burger patties and chicken products for McDonald’s and KFC. In some cases, workers were shown scooping up meat that had fallen onto the assembly line floor and throwing it back into a processing machine.

In response, the Chinese units of McDonald’s and KFC said in news releases posted from their official Sina Weibo social-media accounts that they had halted use of all products from Shanghai Husi, which is owned by the OSI Group, based in Aurora, Ill. Starbucks also said it had pulled sandwiches with chicken from Shanghai Husi from the shelves of its stores in China. Starbucks said a supplier for the sandwiches had used the meat.

The Shanghai Food and Drug Administration said in a Sina Weibo post late Sunday that it had suspended production at Shanghai Husi and had begun a joint investigation with the local police into accusations that the processing plant was using out-of-date meat in its products.

Dragon TV reporters showed workers at Shanghai Husi using chicken meat that was two weeks past its expiration date, and beef that was six months beyond its expiration date. In one instance, the report said that workers at the meat-processing plant hid supplies of expired meat while inspectors from McDonald’s carried out an audit, only to resume using them after the inspectors left.

Yang Liqun, a general manager at OSI China, told the state news agency Xinhua that the company had a strict quality-control system and would cooperate in the investigation.

http://sinosphere.blogs.nytimes.com/2014/07/21/chinese-meat-supplier-of-mcdonalds-and-kfc-gets-the-ax/

 うむ、記事によれば、問題となっているのは米食品卸売会社OSIグループの中国工場、上海福喜食品(Shanghai Husi Food)で、テレビの報道番組(Dragon TV)で従業員が床から食肉を拾っている姿や、期限切れの食肉を新鮮な食肉に混ぜている姿が放映されたのだそうです。

 で、米マクドナルドとケンタッキーフライドチキン(KFC)を運営する米ヤム・ブランズは現地での生産をストップ、消費者に対する謝罪に追い込まれています。

 で、この騒動スタバにも飛び火した模様です、22日付けロイター速報記事から。

米スタバ、安全問題浮上する上海福喜の鶏肉入り商品を中国で販売

2014年 07月 22日 12:15

[上海 22日 ロイター] - コーヒーチェーン大手の米スターバックス(SBUX.O: 株価, 企業情報, レポート)は22日、中国の一部店舗で販売した商品に、食品安全問題が浮上している上海福喜食品から仕入れた鶏肉が含まれていたと発表した。

(後略)

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0FR04420140722

 うむ、上海福喜食品から食肉を仕入れていた米マクドナルド・米KFC・米スターバックスとも現地での販売は中止されたようですが、不幸中の幸いと申しましょうか、アメリカ本国への輸入はされていなかった模様です。

 で、時事通信の22日付け地味な速報記事から。

日本マクドナルド、ナゲットの約2割を期限切れ肉使用の工場から購入

 日本マクドナルドは22日、中国の食品会社が消費期限切れの鶏肉を使用していた問題で、国内で使用する「チキンマックナゲット」の約2割を同社から輸入していたと発表した。マクドナルドは報道で問題を把握した21日に該当商品の販売を中止し、タイや中国の別工場で生産した商品への切り替えを進めている。(2014/07/22-13:30)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014072200447

 うーむ、日本マクドナルドが「チキンマックナゲット」の販売を一旦中止に追い込まれたそうであります。

 マクドナルドのホームページより。

「上海福喜食品有限公司」に関する報道につきまして

2014.07.22

お客様へ

いつもマクドナルドをご利用頂き、ありがとうございます。

7月20日夜、中国の一部メディアにおいて、マクドナルドのサプライヤーの一つである「上海福喜食品有限公司」が使用期限切れの鶏肉を混入させた「チキンマックナゲット」を製造していたとの報道がございました。

日本マクドナルドは、「上海福喜食品有限公司」から、国内で使用する「チキンマックナゲット」の約2割を輸入しておりましたが、報道を把握した21日をもちまして該当の 「チキンマックナゲット」の販売を中止いたしました。現在は、「チキンマックナゲット」は他のサプライヤーの製品に切り替えて販売しております。お客様には、ご不便、ご心配をおかけし、大変申し訳ございません。

報道された内容が事実であれば、マクドナルドとしては一切受け入れられるものではありません。マクドナルドでは中国メディアの報道を確認後、「上海福喜食品有限公司」への発注を中止するとともに、直ちに「上海福喜食品有限公司」に事実確認の調査を行っております。

マクドナルドは、お客様に高い「食の安全性」と「品質基準」を満たした商品をご提供することをお約束しております。商品の調達過程の管理におきましては、全ての過程において安全性を確保するとともに、全ての取引先に弊社商品が安全であるために、弊社の厳格な基準を満たすよう要請しております。マクドナルドは、原材料について生産地、加工、物流、店舗内での調理を経てお客様に商品をご提供するまで大変厳しい管理基準を設けています。

当社は、今後も安全で美味しい商品をお客様に安心して召し上がっていただくべく 最善を尽くしてまいります。今後ともマクドナルドをよろしくお願い申し上げます。

平成26年7月22日

日本マクドナルド株式会社

http://www.mcdonalds.co.jp/news/140722.html

 食材の安全性が確保できないで販売中止に追い込まれた「お詫び」のお知らせなのに「マクドナルドは、原材料について生産地、加工、物流、店舗内での調理を経てお客様に商品をご提供するまで大変厳しい管理基準を設けています」と胸を張って言い切っているところに、現在の日本マクドナルドの悲しき庶民感覚とのズレのようなものが醸し出されており、もののあわれといいますか、しみじみとした情趣、無常観的な哀愁が感じられていとおかし、興味深いのであります。

 だって日本マクドナルドの近年の売上凋落ぶりは目を覆うばかりなのであります。

 日本マクドナルドホールディングスの本年上期の対前年度売上推移が速報されていますので表とグラフを見てみましょう。

2014年1月2月3月4月5月6月
全店売上高3.3-8.8-3.0-4.0-3.0-8.6
既存店売上高3.4-8.7-2.6-3.4-2.4-8.0
客数-5.3-13.1-8.3-6.4-5.5-10.7
客単価9.25.06.33.23.33.0

f:id:kibashiri:20140722150801p:image

http://www.mcd-holdings.co.jp/financial/monthly/

 なんといいますか、売上高で、全店も既存店も5ヶ月連続で前年割れ、客数にいたっては半期通して全月前年割れという、目をおおわんばかりの惨状なのであります。

 今回の「チキンマックナゲット」販売一時中止は売上高凋落に悩む日本マクドナルドホールディングスにとって厳しくリスクヘッジしなければいけないはずなのに、「現在は、「チキンマックナゲット」は他のサプライヤーの製品に切り替えて販売しております。お客様には、ご不便、ご心配をおかけし、大変申し訳ございません」との爽やかな報告はいかがなものでしょうか。

 ホームページを参照したついでに”ホーム > メニュー > おいしさと安全のために > 品質管理 > 主要原材料の原産地”と足跡をたどれば、鶏肉の輸入国ボタンを押すと、中国とタイが世界地図上反転、そしてご覧の通り表示されるのであります。

品質管理

主要原材料の原産地

f:id:kibashiri:20140722144419p:image:w640

http://www.mcdonalds.co.jp/safety/quality/point.html

 ちょっと解像度が悪くて恐縮ですが、かわいいひよこの写真とともに堂々と次のように詠われておるのであります。

 厳しい衛生管理と監視のもとに飼育された鶏を使用しています。衛生環境に細かく配慮し、健康状態に注意を払っています。

 すばらしいユーザビリティなのですが、なんかシステム運用的には違和感が否めないのでありますね。

 利用者視点がごっそり欠落しているのであります。

 ちなみに日本KFCのホームページでも同様の情報を確認できます。

ケンタッキーフライドチキン

商品主要原産地情報

http://www.kfc.co.jp/menu/OR_native.html

 マクドナルドに比べたら圧倒的に地味なユーザービリティとなっていますですね。

 このページからPDFファイルをダウンロードすれば、日本KFCでは主要原料の鶏肉は「国産」にこだわっていることが見て取れます。

ケンタッキーフライドチキン商品 原産地情報

http://www.kfc.co.jp/menu/pdf/OR_native_140624.pdf

 ・・・

 ふう。

 当ブログは経済専門家ではありませんので、マクドナルドの売上げ凋落の原因分析は大西宏先生におまかせいたします。

FIFAワールドカップでブレて失速したマクドナルド

http://ohnishi.livedoor.biz/archives/51428014.html 

 しかしながら、お金のかけ方はカッコ悪いなあ、ずれているよなあと思わずにはいられないわけです。

 原材料をケチって中国から輸入していながら立派なユーザビリティのサイトを構築して品質管理を自慢げに表示、でその輸入食材に衛生上の深刻な問題が発生して販売一時中止のお詫びを表示するはめになっても、文章が妙に人ごとのようにズレていて、違和感を感じさせつつ、食品管理のページでは「衛生環境に細かく配慮し、健康状態に注意を払っています」との自慢を放置しっぱなしなのであります。

 素人の当ブログはもちろんこれからのマクドナルドの戦略を知る由もないわけですが、今回の騒動でひとつだけ言えることは、現在の日本マクドナルドの悲しき庶民感覚とのズレのようなものが醸し出されており、もののあわれといいますか、しみじみとした情趣、無常観的な哀愁が感じられていとおかし、興味深いのであります。

 おそらくご自身がそれに気が付いていないところが事態の深刻さを示しているように、当ブログは思えてなりません。

 売上凋落に歯止めがかからない日本マクドナルドは、味で勝負するのか、価格で勝負するのか、安全性で勝負するのか、どのような戦略で現状を打開するつもりなのでしょうか?

 マクドナルドは何処に行こうとしているのでしょうか?



(木走まさみず)