木走日記

場末の時事評論

国民の七割が解散反対もおそらく安倍自民安泰の不思議を解く〜当ブログとして予言いたしましょう、安倍自民は100%安泰です。

 さて、第47回衆議院選挙が2日、公示され、安倍政権の経済政策、アベノミクスの評価を最大の争点に12日間の選挙戦に入りました。

 当ブログとして、恒例の選挙分析をしているところなのですが、何か過去の総選挙とは今回は有権者の動向に変化が起こっている感じがしたので、今回はその辺りを少し掘り下げてみたいと思います。

 2005年の小泉郵政選挙の自民大勝、2009年の政権交代選挙の民主圧勝、そして2012年の安倍政権奪回選挙の自民圧勝、過去三回の選挙と今回の一番の違いは、多くの国民が今回の解散総選挙に納得していないことが挙げられそうです。

 11月に行われた朝日新聞世論調査では、解散理由「納得しない」が65%を占めています。

解散理由「納得しない」65% 朝日新聞世論調査
2014年11月20日22時58分

 安倍晋三首相が21日に衆議院を解散すると表明したことを受けて、朝日新聞社は19、20日に全国緊急世論調査(電話)を実施した。この時期に解散・総選挙をすることに「反対」は62%で、「賛成」の18%を大きく上回った。消費増税の延期について「国民に信を問う」という解散理由に「納得する」は25%で、「納得しない」の65%が上回った。

(後略)

http://www.asahi.com/articles/ASGCN5GZBGCNUZPS002.html

 同時期のフジ・産経の世論調査も72.2%が衆院解散は「適切でない」と回答しています。

衆院解散は「適切でない」7割超 比例投票先は自民1強鮮明

2014.11.24 19:25

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が22、23両日に実施した合同世論調査によると、安倍晋三首相が衆院解散を決断したことについて「適切だと思わない」との回答が72.2%に達し、「適切だ」(22.8%)を大幅に上回った。

(後略)

http://www.sankei.com/politics/news/141124/plt1411240021-n1.html

 JNN(TBS系列)が行った直近の世論調査でも、7割以上の人が「納得しない」と答えています。

JNN世論調査比例代表の投票先 自民29% 民主12%

(前略)

 衆議院を解散した理由を、“消費税を引き上げる時期を延期したことについて、国民に信を問うため”とした安倍総理の説明については、7割以上の人が「納得しない」と答えています。

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2361761.html

 この他のメディアの世論調査でもほぼ同様の傾向が示されているのですが、有権者の7割前後がこの時期の解散に反対していることが、先ほど述べましたが、「何か過去の総選挙とは今回は有権者の動向に変化が起こっている感じ」の主因だと思われます。

 朝日新聞など一部マスメディアや野党の「大義なき解散」キャンペーンが功を奏したと言えるのでしょうか。

2014-11-13■内閣総理大臣の解散権を「大義がない」などという抽象的な概念で批判する朝日社説
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20141113

 うむ、いずれにせよ、ここまで解散反対の意見が強いということは、安倍自民党にとってアゲインスト(逆風)なのは否めないのです。

 しかしでは野党に追い風になっているかと言えば、やはり各メディアの世論調査を見ても、大きく支持率を伸ばしている野党は見当たりません。

 つまり今回はどの政党にも「風」が吹いていない、2005年の小泉郵政選挙の自民大勝、2009年の政権交代選挙の民主圧勝、のときのような「風」はふいていないのです。

 そして2012年の安倍政権奪回選挙の自民圧勝選挙、これ実は投票率が59.32%と過去最低の総選挙となったわけで、決して自民党に「風」がふいていたわけではないのですが、完全に民主党の自滅だったわけですが、今回はこの時と状況が一番似ていると感じます。

 各種世論調査においてもこれだけ「解散反対」の声が上がっていて、おそらく有権者の関心も低く前回の史上最低投票率59.32%を下回るのは、必至と予測されています。

 どの党にも風が吹いていない、この状況で低投票率の総選挙を行うとすればどのような結果になるか。

 前回同様、強固な組織票を持つ与党の自民・公明が圧勝することになる可能性が大きいと、当ブログは現時点で推測しています。

 解散総選挙反対の有権者の票の多くは、野党に回るのではなく選挙棄権に回り投票率を下げることを招くことは、自民の支持率が高止まりしていることや野党の支持率が伸び悩んでいることから推測でき、結果、低投票率の前回同様与党側にかなり有利な選挙となることでしょう。

 野党ではやはり固い組織を有する共産党あたりは善戦することになりましょうが、ちまたで予測されるような民主党の100議席前後の躍進は、その支持率から言って現段階では難しいのではないかと当ブログとしては判断しています。

 国民の7割が反対する時期に解散を強行し低投票率を招くも、結果オーライ、自公政権側の議席が安泰、安倍内閣が長期政権の足場作りに成功、もしこのシナリオ通りにことが進むとすれば、安倍晋三は稀代の策士なのかも知れません、おそらく「今のうちに」が本音でそこまで計算していないとは思いますが。

 これが当ブログの公示日(現時点)における今回総選挙予測<総論編>であります。

 当ブログとして予言いたしましょう、安倍自民は100%安泰です。



(木走まさみず)