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2015-08-24 SEALDs学生のみなさんへ。〜一部大人たちの甘言に惑わされるな

[]SEALDs学生のみなさんへ。〜一部大人たちの甘言に惑わされるな 10:58



 SEALDs(シールズ:Students Emergency Action for Liberal Democracy - s)の活動が活発です。

 初めに当ブログの立ち位置を明確にしておく必要があると思います。

 私は学生の諸君がこの国の政治に関して関心を持ち、合法的な行動を起こすことに、一点の曇りもなく賛成いたします。

 デモ活動も含めて合法的な活動である限りそれを認めますし、彼らの主張するところが、ときの政権に対する批判の色を帯びているとしても、むしろそれは成熟した民主主義社会にとり健全なシグナルであろうと肯定いたします。

 時の政権の政策が100%正しいことなどはあるはずもなく、その政策に対し理性的かつ論理的に反証をし建設的な対案を示すとすれば、国民にとっても選択肢が提供されるという意味でプラスに作用することでしょう。

 世界には中国や北朝鮮など権力批判がまったく許されない非民主的な国家も少なくない中で、この日本では法を犯さない限り、広く言論の自由が認められているわけです。

 さてそのうえでですが、SEALDsの諸君には是非感情に流されず理性的に自己主張をしていただきたいとお願いするものであります。

 ここにSEALDsのホームページがあります。

SEALDs

私たちは、自由と民主主義に基づく政治を求めます。 

http://www.sealds.com/

 このホームページに彼らが掲げる外交・安全保障政策が"NATIONAL SECURITY"と題して掲載されています。

 大切な主張なので失礼して全文引用。

NATIONAL SECURITY

私たちは、対話と協調に基づく平和的な外交・安全保障政策を求めます。

 私たちは、対話と協調に基づく平和的な外交・安全保障政策を求めます。現在、日本と近隣諸国との領土問題・歴史認識問題が深刻化しています。平和憲法を持ち、唯一の被爆国でもある日本は、その平和の理念を現実的なヴィジョンとともに発信し、北東アジアの協調的安全保障体制の構築へ向けてイニシアティブを発揮するべきです。私たちは、こうした国際社会への貢献こそが、最も日本の安全に寄与すると考えています。

  現政権は2年以内の憲法改正を掲げるとともに、集団的自衛権の行使容認、武器輸出政策の緩和、日米新ガイドライン改定など、これまでの安全保障政策の大幅な転換を進めています。しかし、たとえば中国は政治体制こそ日本と大きく異なるものの、重要な経済的パートナーであり、いたずらに緊張関係を煽るべきではありません。さらに靖国参拝については、東アジアからの懸念はもちろん、アメリカ国務省も「失望した」とコメントするなど、外交関係を悪化させています。こうした外交・安全保障政策は、国際連合を中心とした戦争違法化の流れに逆行するものであり、日本に対する国際社会からの信頼を失うきっかけになりかねません。

長期的かつ現実的な日本の安全保障の確保のためには、緊張緩和や信頼醸成措置の制度化への粘り強い努力が不可欠です。たとえば、「唯一の被爆国」として核軍縮/廃絶へ向けた世界的な動きのイニシアチブをとることや、環境問題や開発援助、災害支援といった非軍事的な国際協力の推進が考えられます。歴史認識については、当事国と相互の認識を共有することが必要です。

  先の大戦による多大な犠牲と侵略の反省を経て平和主義/自由民主主義を確立した日本には、世界、特に東アジアの軍縮・民主化の流れをリードしていく、強い責任とポテンシャルがあります。私たちは、対話と協調に基づく平和的かつ現実的な外交・安全保障政策を求めます。

 非常に理性的な文章です。

 私とは考え方が一部異なりますが、主張する内容はよく理解できます。

 平和憲法を持ち、唯一の被爆国でもある日本は、その平和の理念を現実的なヴィジョンとともに発信し、北東アジアの協調的安全保障体制の構築へ向けてイニシアティブを発揮するべきです。私たちは、こうした国際社会への貢献こそが、最も日本の安全に寄与すると考えています。

 日本が「北東アジアの協調的安全保障体制の構築へ向けてイニシアティブを発揮するべき」、素晴らしい主張です。

 例えば「「唯一の被爆国」として核軍縮/廃絶へ向けた世界的な動きのイニシアチブをとること」や、「環境問題や開発援助、災害支援といった非軍事的な国際協力の推進」、「歴史認識については、当事国と相互の認識を共有すること」などがあげられています。

 「日本には、世界、特に東アジアの軍縮・民主化の流れをリードしていく、強い責任とポテンシャルがあり」「対話と協調に基づく平和的かつ現実的な外交・安全保障政策を求め」るとしています。

 具体的実現策は弱いですがそこは学生の主張ですから当然でしょう、今後、具体的な行程計画など肉付けを期待しますが個別の政策で理性的に議論することは可能でしょう。

 私の主張と隔たりがあるところは一点だけ、現政権への評価と対中国政策であります。

  現政権は2年以内の憲法改正を掲げるとともに、集団的自衛権の行使容認、武器輸出政策の緩和、日米新ガイドライン改定など、これまでの安全保障政策の大幅な転換を進めています。しかし、たとえば中国は政治体制こそ日本と大きく異なるものの、重要な経済的パートナーであり、いたずらに緊張関係を煽るべきではありません。さらに靖国参拝については、東アジアからの懸念はもちろん、アメリカ国務省も「失望した」とコメントするなど、外交関係を悪化させています。こうした外交・安全保障政策は、国際連合を中心とした戦争違法化の流れに逆行するものであり、日本に対する国際社会からの信頼を失うきっかけになりかねません。

 安倍政権の諸政策に関し、中国に対し「いたずらに緊張関係を煽るべきではありません」と批判されていますが、ここ私の考えと因果が逆なのです。

 今東アジアで軍事的緊張が高まっている原因は主として中国による一方的な軍事拡張にあります、安倍政権は対抗上日本の安全保障を守るために安保法制などの改正に着手しているだけです、結果です。

 ここ20年で日本を取り巻く東アジアの安全保障環境は大きく変貌しました。

 中国の著しい軍事的台頭です。

 具体的数値で押さえておきます。

f:id:kibashiri:20150608115856p:image:w640

 平成元(1989)年(グラフの一番左)には 中国18336百万ドル、日本46592百万ドルであった両国の軍事費は平成15(2003)年(グラフ中央あたり)で逆転し、平成26(2014)年(グラフの一番右)では、中国190974百万ドル、日本59033百万ドルと3倍以上の差がついています。

 1989、2003、2014各年の日本の軍事費を1としての中国の軍事費の割合を視覚化してみましょう。

f:id:kibashiri:20150608115952p:image:w640

 過去26年で日中の軍事費は日本:中国で1:0.39と日本のそれが中国の軍事費の2.5倍であった26年前から完全に逆転し、最近では日本:中国で1:3.24と中国の軍事費は日本の3倍以上に膨れ上がっています。

 SEALDsのみなさん。

 この25年で10.46倍と驚異的なペースで軍事費を拡大している中国ですが、上記グラフで確認できますが、同時期日本の軍事費がほぼ横一線であることと対比すれば、今東アジアの軍事力のパワーバランスが大きく中国寄りに変動していることは明白です。

 このグラフは、日本が今までのように個別的自衛権のみで平和を守ることは不可能、つまり中国の急速な軍事的膨張を日本一国で対抗する手段は現実としては策がないことを如実に示しています。

 このグラフは、日本がアメリカやその同盟国との集団的自衛権について、建設的かつ積極的に議論すべき時代が到来したことを、冷徹な国際状況のすべてを物語っているわけです。

 関心がある諸君は、ぜひ拙エントリーをお読みください。

2015-08-06 なぜ今この国に安全保障関連法案が必要なのか

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20150806

 いずれにせよ、認識の違いはありましょうが、理性的論理的に議論を深めることは可能です。

 繰り返しになりますが、SEALDsの諸君には是非感情に流されず理性的に自己主張をしていただきたいとお願いするものであります。

 ・・・

 さて、産経新聞がたいへん残念なニュースを報じています。

首相に「バカか、お前は」 連合主催集会でシールズメンバー 安保法案反対の具体論語らず 「首相はクーデター」「病院に行って辞めた方がいい」

http://www.sankei.com/politics/news/150823/plt1508230007-n1.html

「権力者が憲法違反のことをしたらどうなるか。政治家をお辞めになるしかない。それかクーデターだ。そのようなことが起こっている」

「安倍首相がクーデターを起こしている」

「一言でいうと、バカなんじゃないかなと思いながら見ている」

「国会の傍聴には行かない。首相が『どうでもいい』なんてやじを飛ばしたが、ああいうことを見ると、靴でも投げそうになるのでインターネットを通して見るようにする」

「どうでもいいなら首相をやめろ。バカか、お前は」

「『バカか』とかひどいことを言っても、あんまり伝わらない。もうちょっと優しく言えば、僕は首相の体調が非常に心配なので、早く病院に行かれてお辞めになられた方がいい」

 このような罵詈雑言を自分たちの批判者に一方的に浴びせかけることは、逆にあなた方の主張を弱めることになりかねないと強く忠告しておきます。

 公の場で政治的主張をする場合、あくまでも真摯に理性的にその主張を訴えるべきであり、扇情的感情的に相手を罵るような振る舞いは、自らに大きなマイナスとして必ず返ってきます、言論の自由とは一方的に相手に罵詈雑言を浴びせることではないはずです。

 あなた方を支持する大人たちの中には、「ふつうの言葉」などという極めてファジー(あいまい)な表現で諸君のラップなどを用いたデモ活動を称えている人たちがいます。

内田樹

2015年08月24日 07:56

8月23日SEALDsKANSAI京都でのスピーチ

http://blogos.com/article/129745/

 内田氏は諸君の活動を、「ふつうの言葉」で平和主義と立憲デモクラシーが語られていると絶賛しています。

僕が一番うれしく思うのは、そのことです。みなさんが語る言葉は政治の言葉ではなく、日常のことば、ふつうの生活実感に裏づけられた、リアルな言葉です。

その「ふつうの言葉」で平和主義と立憲デモクラシーが語られている。これまで、ひとまえで「政治的に正しい言葉」を語る人たちにはつねに、ある種の堅苦しさがありました。なにか、外来の、あるいは上位の「正しい理論」や「正しい政治的立場」を呼び出してきて、それを後ろ盾にして語るということがありました。

でも、SEALDsのみなさんの語る言葉には、そういうところがない。自分たちとは違う、もっと「偉い人の言葉」や「もっと権威のある立場」に頼るところがない。自分たちがふだん学生生活や家庭生活のなかでふつうに口にしている言葉、ふつうに使っているロジック、それにもとづいてものごとの正否を判断している常識、そういう「手元にある道具」を使って、自分たちの政治的意見を述べている。こういう言葉づかいで政治について語る若者が出現したのは、戦後日本においてははじめてのことだと思います。

 たしかに、「偉い人の言葉」や「もっと権威のある立場」に頼るところがないことは素晴らしいことです。

 自分たちの言葉で自己主張する、それ自体はよいことでしょう。

 しかし安全保障政策を日常の言葉だけで議論することは現実的には困難です、ましてや扇情的感情的な他者批判からは、建設的な議論は決して生まれないでしょう。

 SEALDsのみなさん。

 あなた方を利用しようとしている一部大人たちの甘言に惑わされてはいけません。

「ふつうの言葉」だけでこの冷徹な21世紀のこの国の安全保障を議論することなど不可能なのです。

 SEALDsの諸君には是非感情に流されず理性的に自己主張をしていただきたいとお願いするものであります。



(木走まさみず)

れんのママれんのママ 2015/08/24 23:48 木走さん、初めまして。
わたしは安保法制には反対です。日本になんの利益ももたらさない、と考えています。
安保法制必要の根拠として、中国の軍事費増大をあげていらっしゃいますね。でも、こちらの数字はいかがでしょう。
2014年の米中貿易額、約50兆円。
2014年の日米貿易額、約21兆円。
中国の外貨準備金ドル保有額、世界1位。
中国の米国債保有高、世界1位。
今やアメリカにとって最大のビジネスパートナーは、中国なのです。
安保法制は、忌憚なく言えば、アメリカにもっとご奉仕できるようにするための法律ですよね。
もっとご奉仕すれば、アメリカ様は日本が困った時に助けてくれる「んじゃないかな〜」という、「希望的観測」にすぎない。違うでしょうか?
前述の貿易額、米中が日米の倍以上。
中国と日本が対立したとして、安保法制があれば米軍が何かしてくれると、本気でお考えなのでしょうか。とてもそうは思えないのですが、いかがでしょう。

れんのママれんのママ 2015/08/25 20:59 こんばんは。連投すみません。安保法制に賛成する方にお尋ねしてみたいことが、いくつかあるのです。
その一つが、
「日米安全保障条約では抑止力にならないが、安保法制は抑止力になる」
と言われて納得できるのでしょうか?というものです。
日本人は長らく「日米安保条約があればアメリカが日本を守ってくれる」と信じてきました。そう思えばこそ、国内の米軍基地を甘受し、思いやり予算まで払ってきました。条文には日本において日米のいずれかが攻撃された場合、共通の危険に対処するとあります。
けれど安倍総理は、近年の世界情勢を鑑みると、日米安保条約だけではアメリカは日本を守ってくれないと言います。
「でも安保法制で米軍の後方支援をできるようにすれば、アメリカは日本を守ってくれます」
と総理は言わけです。
「なんでやねん」
日米安保条約は両国間で交わされた条約ですが、安保法制は日本国内の法律。アメリカから正式な要請を受けたわけでもない。後方支援してくれたら日本が攻撃された時守ってあげるよ、なんてアメリカが約束したこともない。
なのに。なぜ安保法制が抑止力になりうるのか。全く納得いきません。
日本が自衛隊派遣という負担を負うだけで、得るものは何もない。不要な法案としか思えないのです。
安保法制に賛成する方は、そこをどう考えているのでしょう。
教えていただければ幸いです。

まるまる 2015/08/25 22:38 金額だけ見ずに、物価の上昇も考えたらいかがでしょうか?
中国が経済成長をしたせいで人件費が上がったことも大きな要因だと思います。

日本も中国と同様に、高度経済成長期には防衛費が増えています

『このグラフは、冷徹な国際状況のすべてを物語っているわけです。』とか言い切られても...
ぷぅ。

あくまで冷静にあくまで冷静に 2015/08/31 18:09 >れんのママさん
安保法制に賛成の立場の一人です。
日米安全保障条約は日本とアメリカの間でのみ有効な条約であることはご承知のことと思います。
つまり日本有事の際、一緒に防衛してくれるのはアメリカのみということになります。
これまでの国際情勢では日米安保のみで防衛力というのは事足りてきました。
さて、安保法制ですが、後方支援することで日本が攻撃された時アメリカに守ってもらえるようにする、そのための法案ではありません。
日米同盟がありますのでそこは問題ではないんです。安保法制は自衛隊の活動の幅を特定の範囲に限って認め、国際社会の一員として国家的、軍事的に貢献することで国際社会の平和と安定に寄与することを目的とした法案です。
なぜこれが抑止力に繋がるのかと申しますと、この法案には、例えばA国から要請があった場合、新三要件に合致すれば必要最小限度の武力を用いてその国の防衛を支援できるという(国際法上集団的自衛権に分類される)活動を可能にできる文言がありまして、これが容認できれば日本と仲良くして経済的な繋がりができたら自国に何かあった際、日本が一緒に戦ってくれるという期待が相手国側には生まれますよね。自国が有事の時、一緒に戦ってくれるわけですから日本に何かあった時は自分たちも同じように戦ってあげようとなるわけです。
このロジックが複数の国々の間で醸成されればどうなるでしょうか。個々の軍事力はまばらであっても全体で見ると大国に匹敵するかそれ以上の戦力が出来上がります。いくら腕に自信があるといっても多勢に無勢の状況下で喧嘩を仕掛けようという人はまずいないでしょう。
これが抑止力となりうる理由です。

れんのママれんのママ 2015/09/01 23:07 あくまで冷静にさん、ご意見ありがとうございます。
しかし、過去に集団的自衛権の行使とされた実例をご存知でしょうか。

「集団的自衛権の行使」と主張された主な事例
1956年 旧ソ連によるハンガリー軍事介入
1958年 アメリカによるレバノン軍事介入
1958年 イギリスによるヨルダン軍事介入
1964年  アメリカなどによるベトナム戦争
〜75年
1968年 旧ソ連・ワルシャワ条約機構によるチェコ侵攻
1979年 旧ソ連によるアフガニスタン戦争
1981年 米国によるニカラグア侵攻
1983年 フランスによるチャド軍事介入
1983年 アメリカによるグレナダ侵攻
1990年 イラクのクウェート侵攻にたいする湾岸戦争
〜91年
2001年 アメリカとNATOによるアフガニスタン戦争

11例のうち8例が米ソ。大国が他国に軍事介入して、国連安保理事会には「これは集団的自衛権だ」と主張する事例がほとんどなのです。
元ネタは国会図書館が5年前にまとめた論文、集団的自衛権行使の過去の実例集「集団的自衛権の法的性質とその発達―国際法上の議論―」です。文中には「これまでの集団的自衛権の行使事例を概観すると、しばしばその濫用が疑われてきたことが窺える」など、濫用という言葉が頻出します。

おっしゃるような使い方が、集団的自衛権のあるべき形なのでしょう。しかし悲しいかな、「冷徹な国際関係」は、それが可能なほど優しくも理性的でもない。と、考えるべきであるようです。

れんのママれんのママ 2015/09/01 23:28 さらに言うなら、安倍政権が安保法制を押し通そうとする理由はひたすら、アメリカの一部勢力がそれを要請しているからだと、先日国会で山本太郎議員が暴露しました。確かに、集団的自衛権の他、原発再稼働・秘密保護法なども、求められるがままにごり押ししてきています。下に貼りますので確認してみてください。

第3次アーミテージ・ナイレポート 日本への提言(9項目)

(1)原子力発電の慎重な再開が日本にとって正しくかつ責任ある第一歩である。原発の再稼動は、温室効果ガスを2020年までに25%削減するという日本の国際公約5を実現する唯一の策であり、円高傾向の最中での燃料費高騰によって、エネルギーに依存している企業の国外流出を防ぐ懸命な方策でもある。福島の教訓をもとに、東京は安全な原子炉の設計や健全な規制を促進する上でリーダー的役割を果たすべきである。

(2)日本は、海賊対処、ペルシャ湾の船舶交通の保護、シーレーンの保護、さらにイランの核開発プログラムのような地域の平和への脅威に対する多国間での努力に、積極的かつ継続的に関与すべきである。

(3)環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加に加え、経済・エネルギー・安全保障包括的協定(CEESA)など、より野心的かつ包括的な(枠組み)交渉への参加も考慮すべきである。

(4)日本は、韓国との関係を複雑にしている「歴史問題」を直視すべきである。日本は長期的戦略見通しに基づき、韓国との繋がりについて考察し、不当な政治声明を出さないようにするべきである。また、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)や物品役務相互提供協定(ACSA)の締結に向けた協議を継続し、日米韓3か国の軍事的関与を継続すべきである。

(5)日本は、インド、オーストラリア、フィリピンや台湾等の民主主義のパートナーとともに、地域フォーラムへの関与を継続すべきである。

(6)新しい役割と任務に鑑み、日本は自国の防衛と、米国と共同で行う地域の防衛を含め、自身に課せられた責任に対する範囲を拡大すべきである。同盟には、より強固で、均等に配分された、相互運用性のある情報・監視・偵察(ISR)能力と活動が、日本の領域を超えて必要となる。平時(peacetime)、緊張(tension)、危機(crisis)、戦時(war)といった安全保障上の段階を通じて、米軍と自衛隊の全面的な協力を認めることは、日本の責任ある権限の一部である。

(7)イランがホルムズ海峡を封鎖する意図もしくは兆候を最初に言葉で示した際には、日本は単独で掃海艇を同海峡に派遣すべきである。また、日本は「航行の自由」を確立するため、米国との共同による南シナ海における監視活動にあたるべきである。

(8)日本は、日米2国間の、あるいは日本が保有する国家機密の保全にかかる、防衛省の法律に基づく能力の向上を図るべきである。

(9)国連平和維持活動(PKO)へのさらなる参加のため、日本は自国PKO要員が、文民の他、他国のPKO要員、さらに要すれば部隊を防護することができるよう、法的権限の範囲を拡大すべきである。

鴉鳥鴉鳥 2015/09/04 02:55 まあ、なんだ。
長々と「どっかで聞いたような」コメントしてるけど「じゃあ、集団的自衛権抜きに、どうやって日本の安全保障を考えるのか」と言う点はまるっとスルーしてますな。
ちなみに日米同盟も、その片務性が指摘されたりもしますが集団的自衛権の一形態ですので、集団的自衛権を否定するなら日米安保も否定しなければなりません。

さて、個別的自衛権だけでやろうとする場合、要は「自分の事は自分で全てやる。誰の助けも要らないし誰も助けない。唯一にして絶対の優先事項はうちの国の主権だ。他の国の主権? そんなの知ったこっちゃねえよ。邪魔するってんならお前も敵だ。潰されるのが嫌なら譲れ」と言う事ですので、最低限、アメリカと全面戦争して刺し違えられるくらいの軍拡は必要になりますね。……まあ、一般的な常識のある人間なら「馬鹿言ってんじゃねえ。寝言は寝てから言え」と一刀両断にされるくらい荒唐無稽な絵空事ですがね。

さて、もう一度聞きましょうか。
「集団的自衛権を否定して、どうやって日本の安全保障を成り立たせるつもりですか?」
なお、国の舵取りを誤って「個別的自衛権"しか"使えなくなってしまった」結果がかつての大東亜戦争なのをお忘れなく。

鴉鳥鴉鳥 2015/09/04 02:55 まあ、なんだ。
長々と「どっかで聞いたような」コメントしてるけど「じゃあ、集団的自衛権抜きに、どうやって日本の安全保障を考えるのか」と言う点はまるっとスルーしてますな。
ちなみに日米同盟も、その片務性が指摘されたりもしますが集団的自衛権の一形態ですので、集団的自衛権を否定するなら日米安保も否定しなければなりません。

さて、個別的自衛権だけでやろうとする場合、要は「自分の事は自分で全てやる。誰の助けも要らないし誰も助けない。唯一にして絶対の優先事項はうちの国の主権だ。他の国の主権? そんなの知ったこっちゃねえよ。邪魔するってんならお前も敵だ。潰されるのが嫌なら譲れ」と言う事ですので、最低限、アメリカと全面戦争して刺し違えられるくらいの軍拡は必要になりますね。……まあ、一般的な常識のある人間なら「馬鹿言ってんじゃねえ。寝言は寝てから言え」と一刀両断にされるくらい荒唐無稽な絵空事ですがね。

さて、もう一度聞きましょうか。
「集団的自衛権を否定して、どうやって日本の安全保障を成り立たせるつもりですか?」
なお、国の舵取りを誤って「個別的自衛権"しか"使えなくなってしまった」結果がかつての大東亜戦争なのをお忘れなく。

れんのママれんのママ 2015/09/05 17:05 鴉鳥さん、初めまして。
〉「集団的自衛権を否定して、どうやって日本の安全保障を成り立たせるつもりですか?」
その問いに答えるのは、とても簡単です。

2014年の日中貿易総額、約34兆円。
安倍総理が国会で仮想敵国として名指しした中国の貿易相手国として、アメリカに次ぐ第2位が日本です。
日中間には複雑に絡み合ったサプライチェーンがあり、日本からの部品が止まれば中国の工場でapple製品の組み立てが止まる。
また、安保法制の審議中である現在も、中国からの観光客が日本中にあふれ彼らの爆買いが日本の内需を支えている状況を、どう考えますか?自民党の二階総務会長が企業団を率いて中国を訪れると、大歓迎されたそうです。
中国は、日本からの投資や観光客を呼び戻したいのだと、私は思います。それが、仮想敵国として名指しされてもさして抗議もせず、日本への観光を制限もしない理由だと。数年前の反日デモを制御しきれず暴発させてしまい、それで逃げ出した日本の投資や工場を、中国は呼び戻したいはずなのです。

さらに中国だけでなく、チャイナプラスワン施策によりアジアの多くの国に日本企業の工場があり、雇用を生み出しています。そうした経済活動は、へたな軍事力より、よほど大きな抑止力です。前述の中国のように、投資や工場を失うまいと、日本への敵対行動を控える動機になるからです。
現状で日本はちゃんと抑止力を持っている。

しかし、何処かの国が日本への侵略をし、日本人非戦闘民の生命財産が奪われる事態になれば、条約とか集団的自衛権がどうあろうと、米軍は自衛隊と共に応戦せざるを得ないと踏んでいます。日本はアメリカの子分、日本はアメリカの陣地ですから。アメリカの陣地を他国が奪うのが許せない、ゆえにアメリカは戦う。戦わなければ、恐れをなしたと判断され、最強国のメンツは丸潰れです。
でも、そもそも攻め込んでくる前にアメリカは察して調停するでしょう。同盟国である日本やドイツすら盗聴している彼らです。そんな兆候を把握できないはずがないのでは。

ゆえに、安保法制は不要と考えるのです。

れんのママれんのママ 2015/09/05 17:09 なお、日米安保条約の片務性はドナルド・トランプ氏(飼い猫の抜け毛を集めて猫の頭に乗せた写真をSNSにアップするのが流行っているらしいですね。いえ、なんの関係もありませんけどね)などが指摘しているようですが、日米安保条約はちゃんと日本に義務を課しています。

第六条
 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
 前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合衆国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定(改正を含む。)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。

日本は安保条約に定められた通りに米軍基地を甘受し、おまけで思いやり予算(累計3兆円)まで払っています。
片務だと言うなら、思いやり予算を返して基地の土地賃借料を支払うか、ワシントン近くに自衛隊基地を置くことを許すか、どちらかを実施してから言うべきではないでしょうか。

鴉鳥鴉鳥 2015/09/06 10:15 30年前のアメリカならその理屈も通用したかもしれませんね。15年前でも何とかなったかもしれない。でも今は状況が変わってきているのですよ、残念ながら。
アメリカ自身が成長に限界が見え始めている事から「"自称"世界の警察」を止めたがっている事実。近年の支那の驚異的な軍拡、及び周辺への侵略行為。侵略の終わったチベットやウイグルのみならず、現在侵略中のパラセルやスプラトリーを見れば一目瞭然ですし、日本も尖閣諸島に現在進行形で侵略中なのを無視するのはいかがなものかと。

また、アメリカは良くも悪くも民主主義の国で、大統領府と言えども「国民」を無視は出来ません。また条約と言うものは改定或いは廃止が出来るものです。時には一方的な事も有ります。日ソ中立条約を一方的に破棄して南下され千島や北方四島が占領されたのは紛れも無い事実でしょう。
アメリカだけに頼ると言うのは、今まではアメリカが唯一の超大国であったからそれでも何とかなっていたと言うだけであって、これから先も同様にそれが続くと考えるのは聊か能天気に過ぎるでしょう。

また、その尖閣諸島において、支那は事有る毎にアメリカに対し「尖閣諸島は日米安保の対象ではない」という言質を取ろうと必死でした。結果としては真逆になりましたが。
これは支那としては「後ろに居るアメリカさえ出て来ないようにできれば、日本だけならどうにでもなる」と考えていた事を意味します。
また、日本は戦前から今日に至るまで、資源を持たない国であり、それらは絶え間ない輸入によって賄っているのが現実です。
そしてそれを支えているのがシーレーンであり、それらの安定は日本にとって「当事者としてやらなければいけない事」です。
しかし日本だけでそれを行うにはあまりに人も物も金も足りず、仮にそれらが足りたとして他国の主権を無視して良いということは無い。それをやったら今度は日本が本当の侵略者になってしまいます。
多国間で連携して地域の安定を行う為に、相互に集団的自衛権を認め合う為の安全保障条約が必要なのはここにある事を理解してください。

れんのママれんのママ 2015/09/07 20:26 鴉鳥さん、こんばんは。
30年前にはサプライチェーンという概念はありませんが。わたしのコメントをほとんど読んでいらっしゃらないようです。

〉尖閣諸島に現在進行形で侵略中なのを無視するのはいかがなものかと。
馬鹿げた認識ですね。

あくまで冷静にあくまで冷静に 2015/09/10 23:00 >れんのママさん

 どうも、自衛権の件で見解をのべさせていただいた者です。
 過去集団的自衛権の濫用に関する実例やアーミテージ氏らによる提言等から問題があるとのご認識をされているのだなあと思いました。
そこで、まず集団的自衛権行使に賛同する理由として述べた見識につきまして、米ソ等によるそれら実例を知らずに至ったわけではないことを
明記しておきたいと思います。
 これら軍事介入が行われる背景にはその国の国益を求めるがゆえであることに尽きます。特に、国際社会を主導する米は海外における
軍事活動そのものにも意義があるため必要(自国の都合)に応じて介入という手段をとります。その際、集団的自衛権を主張することが、
国際社会の理解を得やすいため用いられてきたのだろうと推察できます。その是非につきましては価値観や思想の問題もありますので一概に
問えるものではないのだろうと思いますが、その行為の目的が何であるかにせよ、見ていて良い気のしないものであるという認識は
もっております。

 そうしましたらば、なぜ前述の見解に至ったかについてをお話致します。
 それは、一言で申しますと、集団的自衛権という権利そのものがもっている利点です。前述のとおり正しく使えば抑止力となりえる極めて
合理的な権利あることはご理解されていると思います。自国の戦力不足を米軍に頼るのみの現状では国際情勢の変化に対応しきれない問題も
ございます。れんのママさんが仰るとおり、中国の対応には経済的な面で補うといった手段があります。ただこれには限界がありまして、
例えば限られた資源を巡る問題で国益が絡んでくると多少こじらせてでも手に入れようというのが一般的です。
 自衛権の抑止にせよ経済政策による抑止にせよ、多国間とのやりとりでは高度な分析能力、予測能力、交渉術といった極めてハイレベルな
外交能力が必須になってきます。

 現在日中の関係は芳しくありません。中国は国力もさることがながら外交能力が大変強かで、アジアの中でも抜きん出ています。領有権で
主張が違うなか一方的に南沙諸島の埋め立てを進め、尖閣諸島も自国の領土であると声高に叫ぶ中国に対して日本は自国の領土防衛を考え
ながら落とし所を探りつつ、米との仲を維持するために顔を立てる必要性から、ある意味私達は米中との板挟みになっているのだろうと
感じている次第です。

 これらの根底にあるのはアジアにおける米と中国による資源獲得と主権争いでございまして、表面上は日中韓・朝のいざこざに見えますが
実態はどちらがアジアを主導しその資源を手にするかについて水面下で熾烈な外交戦が行われているわけであります。アメリカはアジアに直接
やってきて他国に命令するわけにはいきません。それではアジア地域に対する完全な内政干渉となってしまいます。しかし、アメリカが影響力
を発揮するためにはその地域に自分たちの意向が反映されていなければなりません。直接指示できないのにどうやって反映させるのか、
もう察していいただけると思いますが、そこでアーミテージ・ナイレポートなんです。アメリカは日本へ提案という形で口添えすることで
干渉はしていないという体裁を保ちながら意向に沿った行動をとってもらうことでアジアの国々の情勢を調節しているわけです。
ですからレポートにはこうした方がいい、ああした方がいい、こうすべきだよという文言はあっても、「やれ」とは一言もありません。
 これは日本のみならず、アメリカと緊密な関係にある様々な国々が程度の差はあれ、おそらく似たような手段で行動していると思われます。
その通りに行動してくれれば国際情勢は予測しやすく様々な分野で介入のタイミングも図れるという大きなメリットがあります。これには当然
意向に従う国々にも恩恵がありますので手口は狡猾で嫌らしいですが、各々が好き放題やって予測できない社会になるよりはマシという思惑も
あってかアメリカが敷設するレールに沿って国際社会が動いているというふうに考えたほうが良いのかもしれません。
 その中身を肯定的に受け取るか、否定的に受け取るかで内容に関する印象は大きく異なってきますが、アーミテージレポートが公に公開され
ている以上、政府が沿って行動していることを安に批判できるものではないのだろうと私は考えております。

 最後になりますが、安保法制における集団的自衛権の行使容認賛成のもうひとつの理由としてスイスの例を上げたいと思います。
永世中立国として有名ですが、スイスでは集団的自衛権を放棄して国民皆兵を唱い、徴兵制を採用しております。PKO活動にも熱心でスイス軍は
武力行使こそ行いませんが世界中に派兵されて活動していることも知られています。先の大戦ではその中立性を実行するため領空を通過する
航空機は枢軸国も連合国も関係なく撃墜しており、一時期は全ての家庭に核シェルターの常設が義務付けられていたこともありました。現在
でも多くの国民が自主的にシェルターを造設しているようです。
 このような例から個別的自衛権のみで対応するにはスイスのように国民一人一人が自己防衛の意識を共有することが大切なのだろうと思う
わけですが、はたして立ち位置の全く異なる日本で同じことができるだろうかと考えた時、かなり難しい問題であろうと思います。
 
 であれば、私は集団的自衛権を容認することで多国間との連携を可能にし、一国のみで足りない兵力を賄うこともまた、経済的な繋がり
のみを抑止力とするよりは強固な防壁足りえ、まずないと思いますが万が一日米の関係がこじれてしまうような状況に陥った時でも、不用意な
衝突を避けることにも繋がっていくと考えているのであります。
 当然この論理には反対されている方が仰るような可能性を否定できるものではありませんし、そのつもりもございません。

 れんのママさんは大変よくお調べになられているようですので素晴らしいことだと思います。確固たる理由があって反対されているの
ですから。意見は違えども抱いている不安には共通したものがあります。この問題が極めて複雑な要素が絡みあってできた難題であるという
ことを私達国民は念頭においたうえで、日本の未来を思案していかなければならないのでしょう。

 他にもいろいろと問題があるのですが、とてもじゃないですが書ききれるものではありませんのでこの辺りで終わらせたいと思います。
誤解をされまいと長文となってしまいましたが少しでも私の意図が伝われば幸いです。