木走日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-04-08 中国や韓国と比較されてもねえ・・・

[]「戦争起こったら戦う」日本は11%で最下位(朝鮮日報)記事をプチリテラシーする〜中国や韓国と比較されてもねえ・・・ 16:02



 今回は小ネタです。

 8日付け朝鮮日報記事が興味深いです。

「戦争起こったら戦う」 韓国42%・中国71%、日本は…

ワン・ギャラップ・インターナショナル、64カ国対象に調査

米国44%、日本は11%で最下位

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/04/08/2016040800587.html

 記事より抜粋。

 ワン・ギャラップ・インターナショナルは2014年9月から12月にかけ、世界64カ国の18歳以上の男女6万2398人を対象に「あなたの国が戦争を回避できなくなった場合、祖国のために戦う意思があるか」という調査を行った。

(中略)

 国別では、モロッコとフィジー(ともに94%)が最も高い結果となった。以下、パキスタン(89%)、ベトナム(89%)、バングラデシュ(86%)、アゼルバイジャン(85%)、パプアニューギニア(84%)、アフガニスタン(76%)の順となった。米国は44%、中国は71%だった一方、日本は11%で最も低かった。

 うむ、ギャラップが世界64カ国の18歳以上の男女6万2398人を対象に「あなたの国が戦争を回避できなくなった場合、祖国のために戦う意思があるか」という調査を行ったところ、日本は11%で最も低かったことを報じている朝鮮日報記事なのであります。

 さて、ウィン・ギャラップ・インターナショナルのサイトはこちら。

WIN/Gallup International

http://www.wingia.com/

 で、少しサイト内を調べてみればこの2年前のレポートはPDFファイルで公開されています。

f:id:kibashiri:20160408150259p:image

http://www.wingia.com/web/files/richeditor/filemanager/EOY_release_2014_-_FINAL.pdf

 さてこの朝鮮日報の記事ですが、意図的かどうかよくわかりませんが、事実関係がわかりにくいところがありますので少しリテラシーしておきます。

 まず、これですね、このギャラップのレポート自体二年前にすでに公表されているもので、朝鮮日報記事はあたかも最近発表されたような書き方でありますが、上記ご紹介したように2014年12月には公開されていたものです。

 なんで今になって報道されるのか、なにかこのタイミングで報道価値があったのかしらん。

 で、もう一点、「国のために戦う意思」がある国民が最も少ない国は、日本(11%)」であったのは確かなわけですが、どうも記事に取り上げられている国のチョイスが意図的というか恣意的なんですよね。

 実は日本以外にも、オランダ(15%)、ドイツ(18%)、ベルギー(19%)、イタリア(20%)など先進諸国は逆にアメリカ以外おしなべて低い値なわけです。

 また記事は触れていませんが、性別では、男性(67%)が女性(52%)よりも国のために戦う覚悟が高いことがわかります。

 ・・・

 「あなたの国が戦争を回避できなくなった場合、祖国のために戦う意思があるか」


 このギャラップの投じた問い掛けに対して、日本は11%で最も低かったと報じている朝鮮日報記事なのであります。

 記事はあたかも日本だけが例外的に「祖国のために戦う意思がほとんどない国」との印象操作をしているわけです。

 しかし記事が報じていない先進諸国の数値を確認すれば、日本を筆頭に、オランダ(15%)、ドイツ(18%)、ベルギー(19%)、イタリア(20%)など先進諸国はおしなべて低い値なわけです、逆に先進諸国の中では米国の44%が例外的に高いことが見て取れます。

 だがしかし、朝鮮日報記事はなぜか日米以外の先進諸国の数値は取り上げていません。

 これでは日本だけが突出して低い数値であるとの誤解を与えかねません。

 数値の高い国と低い国のそれぞれの社会情勢、中でも経済・治安・政治体制など、あるいは文化的側面など個々に分析すれば、もしかしたら意外な指標が「祖国のために戦う意思」の割合と相関があるかもしれません。

 いずれにしても、韓国42%・中国71%・米国44%に比較すれば、日本11%は確かに低いのですが、他の先進諸国の値も含めて、この数値の差はもう少し多角的な分析が必要でしょう。

 ・・・

 今回は日本だけが例外的だと印象操作している朝鮮日報の少々姑息な報道テクをプチっと検証いたしました。

 国際世論調査結果も、報道の仕方によっては全く違う印象を読者に与える好事例と言えましょう。

 ふう。



(木走まさみず)