木走日記

場末の時事評論

魑魅魍魎たちが毎日のように湧き出す「森友学園」問題の深淵に立ちすくむ〜いましばらくなまあたたかく、事態の推移を読者とともに見守りたい

 さて今回は小ネタでございます。

 うーむ、国権の最高機関である国会において、不埒(ふらち)な国会議員による内閣総理大臣夫人を揶揄する暴言が飛び出しました。

 自由党山本太郎共同代表は2日午前の参院予算委員会で、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地払い下げ問題について、安倍晋三首相の妻の昭恵さんの名にちなんで「アッキード事件」と発言したのであります。

(参考記事)

産経新聞
山本太郎氏「森友学園問題は“アッキード事件”」参院予算委で発言 安倍晋三首相「限度を超えている!」
http://www.sankei.com/affairs/news/170302/afr1703020013-n1.html

 安倍首相はこの暴言に対して、「限度を超えている。極めて不愉快だ」とブチ切れました、お怒りです。

 ええい、山本太郎議員、またしてもあなたですか!

 何が“アッキード事件”だ!、くだらないネットスラングを国会で不用意に使うのは国会議員としていかがなものか。

 いまだ(元)名誉校長昭恵さんの本件との関わりの全貌は明らかにはなっていません、なっていませんが“アッキード事件”とはあたかも昭恵さんが当疑惑の核心人物であるがごとくの悪意あるレッテル貼りでしょ、個人的誹謗中傷とも言えましょう、だいいち、礼を失しています!!

 この無礼者めが!!

 ふう。

 「無礼者」と言えば、鴻池祥肇先生が久しぶりにメディアに出て吠えまくりましたですね。

(参考記事)

産経新聞
鴻池祥肇参院議員ぶら下がり全文・上「オバハンが紙に入ったもの出して来た。『無礼者!』ゆうて突き返した」
http://www.sankei.com/politics/news/170301/plt1703010031-n1.html
鴻池祥肇参院議員ぶら下がり全文・下「あんなん教育者にしたらいかん。幼稚園はもう閉じたほうがいい」
http://www.sankei.com/politics/news/170301/plt1703010034-n1.html

 TVのワイドショーでも大きく取り上げられましたので、読者の皆様もご覧になったことでしょう、特に先生がジェスチャー入りで「無礼者!」「帰れ!!」と再現していたくだりは、何度も放映されていましたです、はい。

 多くの視聴者が、「おいおい。鴻池さんよ。どちらかといえばアナタのほうがよっぽど不遜な態度に見えますが、普通にガラ悪いですよねアナタ」との常識的な印象をお持ちになったのは、不詳・木走はよおく理解しております、はい。

 上記産経記事より、当該箇所を抜粋ご紹介、なお文中太字は私が勝手に付けております。

 「ところが、どうしても会いたいと。これも政治家の宿命や。どうしても会いたいということで、3年前の4月、私が委員会に出ているときに、委員会をちょっと失礼して5分だけ、質問もしていない一委員でしたから、(議員)会館事務所に戻って会いました」

 「夫婦で来ていたと思います。籠池さんと奥さんと。そのときに財務省か大蔵省かな、よう分からんけど、お願いの儀があるような風なことをちらっと聞いた。同時に、紙に入ったものを『これでお願いします』ゆうて。オバハンの方が。一瞬でカネだと分かりましたよ。だからそれを取って『無礼者!』と言ったんだ。男のツラ銭ではたく、政治家のツラを銭ではたくような。そんなん教育者ちゃう、帰れ、と。私は委員会室に戻りました」

 「ただ、それがカネであったか、コンニャクであったか。カマボコかういろうか知らん。確かめてへんから。だからあれはコンニャクでしたというなら、そうかなと思わざるを得ないな。しかし、現実として私が手で持って投げ返した。その後、出入り禁止やん、当然。ところが何か、報告か何かに1、2回行ってくれたよね、神戸の事務所に。それはそれでええやん、報告だと。水まくわけにはいかへんから」

 「僕は思いましたよ。くそーと思って。すぐに投げ返したけど、歩きながら、俺の今までの人生でこんな汚物を投げられたようなことは初めてだけれども、反省しようと。それは俺に貫禄と、それと徳がなかったのだと。『こいつなら金で動くかもしれない』と思われたことが腹が立ったけど、これは俺が徳がないんやと

 うーむ、さすが鴻池祥肇先生でございます。

 このような無礼な振る舞いに合われたにも関わらず、「俺の今までの人生でこんな汚物を投げられたようなことは初めてだけれども、反省しようと。それは俺に貫禄と、それと徳がなかったのだと」ご自身の反省に結び付けているのでございます。

 さてここまで堂々と鴻池祥肇先生自らがすすんでマスコミの前で会見し「いっさい金はうけとっとらへん!えっへん!!」と発言したのでございます。

 はい、先生は受け取っていません、この言葉信じてよろしいでしょう。

 なぜ鴻池祥肇先生のお言葉を信じてよろしいのか、その理由は? ですって?

 それは先生の行動原理が公明正大、いな恐ろしいほど単純だからです。

 それはもし先生が不正な金を受け取っていたならば、先生は絶対記者会見など進んで開いたりはしないのです、かつて8年前にそうしたように、たとえ党を除籍になろうとも徹底的にマスコミから逃げ回りばっくれるはずだからです。

 8年前、2009年1月15日発売の「週刊新潮」に、【鴻池(先生当時麻生政権の官房副長官在任中)の「議員宿舎」に泊まる超一流企業の「美人妻」】と題した写真付きの記事が報じられたのでございます。

 まあ写真付きで言い訳のしようもないのでありますが、先生、なんと新潮の記者からのインタビューの依頼から発売までの2週間、徹底的に逃げ回ったのであります。

 そこでこの記事は鴻池祥肇先生取材無しでの強硬掲載となるのですが、先生は発売後も沈黙を守ります、で発売後、内閣官房長官河村建夫氏から首相官邸に呼び出され、「政府の中枢にある人が誤解されるのは不適切だ」と厳重注意を受けたのでございます。

 さらに4か月後、2009年5月13日発売の同じく「週刊新潮」に、4月28日に不倫女性と静岡県の熱海温泉へ旅行、30日まで同じ部屋で宿泊し、その際、国会議員に与えられるJR無料パスを使ったことを報じた記事が掲載されます。

 万事休す、先生は「体調不良」を理由に官房副長官を辞任、最後まで記者会見を開かず逃げ回ったのでございます。

 ね、わかりやすいでしょ。

 この話、オチがあるのです。

 新潮の当時の記事によれば、先生は不倫事件の2年前エッセイを出しています。

 当時の新潮記事より抜粋ご紹介。

 2年前、『お天道さんは見てござる』という立派なタイトルのエッセイ集を出版し、その冒頭、〈口やかましくいろいろ両親から躾けられた覚えはありませんが、これだけは小さい時分から教え込まれました。いたずらすれば、仏壇の前に座らされたりしてね。ご先祖さん、お天道さんに顔向けできないような、恥ずかしいことはしてはいけないと〉
 と、今となっては空々しく聞こえる奇麗事を真顔で述べている。
 さらにこの著書には、40年連れ添った夫人について記した「女房への想い」という一項がある。
 〈あの阪神淡路大震災。あの時、幸せなことに女房の横に寝てました。友人の中には、違うところで寝ていたやつがいて、いまだに恨まれてるようだが。
 ともかく、その瞬間「テポドンが打ち込まれた!」と思ったな。ゴー、ドーンー!と来た時に、本能的に蒲団をバツと女房にかけてかばった〉

 エッセイのタイトルが『お天道さんは見てござる』であります、すばらしい。

 ・・・

 ・・・

 森友学園問題はいよいよカオス化してまいりました。

 ただでさえ登場人物多すぎなのに、新たな魑魅魍魎たちが毎日のように湧き出してまいります。

 さて当ブログとしては、本件に関していましばらく事態の推移を読者とともに見守りたいと思います。

 現段階でこのカオスを評論するのは絶対無理であります。

 国会では無礼者国会議員が“アッキード事件”などとほざき、正直者で有名な男気ある自民党重鎮の先生が久しぶりにマスメディアの前にご光臨、「無礼者め!」と一括あそばされました。

 私たち小心な国民は、魑魅魍魎たちが毎日のように湧き出す「森友学園」問題の深淵を覗き込みながら、ただ立ちすくむのみであります。

 深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのであります。

 おお、こわっ(^_^;)

 当ブログとしては、いましばらくなまあたたかく、事態の推移を読者とともに見守りたいと思います。

 ふう。




(木走まさみず)