木走日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-02-27 今日は日曜で時間があるので朝鮮半島についてあれこれ考えてみました

「プルガサリ」

[][][]ゴジラが見た北朝鮮 10:10

 半月ほど前の朝日新聞の書評欄で次のような書評がありました。

俺は俳優だ―着グルミ役者と呼ばれて30年

薩摩剣八郎[著]

出版社:ワイズ出版

価格:1,995円(税込)

『俺は俳優だ』 薩摩剣八郎さん(57歳)

北朝鮮製ゴジラで大暴れ

 重さ100キロを超すこともある着ぐるみに身を包み、戦車や高層ビルの模型をけ散らし、踏みつぶす。あのゴジラ、観客の期待通りに動かすには、相当な体力が必要だ。身長170センチ、体重72キロ。薩摩剣八郎(さつまけんぱちろう)さんは10本近くの「ゴジラ映画」を経験している「着ぐるみ役者」でもある。

 鹿児島から上京後、製鉄所の勤務を経て映画の世界に踏み込んだ。撮影所大部屋の下積みも経験、40年近くに及ぶ役者生活の中で見てきた映画の撮影現場のあれこれをつづっている。

 アルバイトで食いつないだ極貧生活から、「ゴジラ」の枠をこえて活躍する最近の姿までが描かれている。なかでもユニークな経験は、北朝鮮製作のゴジラ映画とも言われた怪獣映画「プルガサリ」への出演だった。撮影翌年の86年に監督が亡命したために公開が遅れ、日本での初上映は98年にずれ込んだ、いわくつきの映画だ。

 撮影は思惑通りにいかなかった。北京のスタジオでは、着ぐるみの中で息も絶え絶えになりながら宮殿のセットを殴りまくったが、ちっとも壊れない。突き出たひさしを下からすくい上げてやっと壊した。

 平壌では、スタジオから宿泊所に帰るバスに、日本人の美術スタッフが乗り損なうという「事件」もあった。たまたまスタジオ近くを通りかかった北朝鮮スタッフが、地下鉄に乗せて宿舎に連れてきてくれたのだが、日本人スタッフが地下鉄に乗ることは禁止されていた。その北朝鮮人スタッフは翌日から姿を見せなくなったという。

 汗と涙で思い出深いゴジラだが、「着ぐるみは、もう無理。平成ゴジラは、私が経験した着ぐるみより重くなってしまった。何かのイベントで着るぐらいですよ」。

 今、映画の出演はほとんどない。それでも木刀の素振りや鉄アレイによる鍛錬を欠かさない。

2005年02月13日 朝日新聞

http://book.asahi.com/review/index.php?info=d&no=7614

1985年に制作された北朝鮮製怪獣映画「プルガサリ」でありますが、大の日本映画フアンであった金正日書記(当時)の肝いりで、日本の東宝特撮スタッフがわざわざ数ヶ月の間、金正日の別荘に滞在しながら制作に関わったのでした。

 その辺の事情が克明に書かれているのは、今は絶版になりましたが、

『ゴジラが見た北朝鮮』(薩摩剣八郎著:文芸春秋社1988年発刊)

 にくわしく書かれています。何故私が知っているかともうしますと、私の愛読書なのでした。(汗

 彼は北朝鮮スタッフともすっかりうちとけ、別れの日には「剣八郎同志(トンム)は男らしい、侍です。」と声を掛けられます。(231頁)

 感動的な別れのシーンを引用してみましょう。

『ゴジラが見た北朝鮮』より

(前略)

 所長が、真剣な表情で語るのを、光一さんが、訳していった。

「北京の撮影を完了してから、全員で祝杯をあげましょう。その時は、私も行きますから、北京電影で会いましょう。たのみます」

 所長はそういうと、頭を下げた。

 名もない、一介のヌイグルミ役者に、申フィルムの撮影所長が頭を下げている。それほどまでに、この人達は『プルガサリ』にかけているのか!

 おいどんも、つい、熱くなった。

「わかりました。無事に撮影を終えてから、パーっとやりましょう。私は、九州の南端、薩摩という国で生まれ育ちました。その国では、男がいったん事を約束した以上は、死んでもその約束は果たす。そういう習わしが今でも生きています。私も薩摩の国の人間です。引き受けた以上は、最後までやりとげます。どうかご安心ください」

 おいどんは所長をにらみつけるように身を乗り出した。

(後略)

 どうです。怪獣映画にかける当時の人々のパッショが熱く感じられますでしょう。(笑)まあ、20年前の北朝鮮の国情を、イデオロギー論抜きでかいま見れる佳作でもあります。

 かんじんの作品ですが、日本でも怪獣映画の品揃えのいいレンタルビデオ屋さんに置いてありますから、興味を持たれた方は、ビデオ鑑賞されたらどうでしょう。

 私も見ましたが、一見の価値がありますよ。いろんな意味でですが。

(参考)

薩摩剣八郎ホームページ(う〜む、ほとんど工事中です)

http://www.fjmovie.com/satsuma/menu.html

BLACK徒然草(映画「プルガサリ」の感想が抱腹絶倒モノです。オススメ)

http://my.reset.jp/~mars/btg/black.htm


 伝説の子ども時代劇ヒーロー『風雲ライオン丸』の中身も若き日の薩摩さんなのでした。

鮎川龍人鮎川龍人 2005/02/27 12:52 木走様、こんにちは!
先日は私のブログへの有益な助言、ありがとうございました。
半島の言語についてですが、以下の散歩道様のサイトに資料があります。どうやら、朝鮮語で映画を作れる状況ではあったようですね。
http://kuyou.exblog.jp/1685553/
木走様の記事、続編も楽しみです。
ではまた!

kibashirikibashiri 2005/02/27 14:10 鮎川龍人様。貴重な情報ありがとうございます。朝鮮語の映画も作られているぐらいですから、やはり、全面禁止ということではなかったのでしょうか?

鮎川龍人鮎川龍人 2005/02/27 14:50 そうなんですよ。
ソースは忘れましたが、ハングルも普及させたらしいですし。
あと昭和14年の奈良女子大学の修学旅行紀なんですが
http://www.nara-wu.ac.jp/nensi/95_96top.htm
これ読むと、本当に“区別”はしていたようですが、差別っぽい描写がないんですよね。満州人も、朝鮮人も、ロシア人(当時の言い方で、お許しを)も、同じように表現しています。
なんか、拍子抜けするほど、とても気軽な文章。
まぁ、政治的・行政的側面はともかく、心情的側面は、ちょっと現在の想像と離れている可能性が大きいですね。
lancer1様のサイト「アジアの真実」も有益な情報があります。
http://blog.livedoor.jp/lancer1/
注目ですよ。

kazukanakazukana 2005/02/27 22:38 はじめまして。リテラシーの話が面白かったです。ついでにJANJANも見てみましたが少しプロ市民がかってません? 木走さんは、話の面白さからプロ市民ではないですよね。記者登録されているというので気になりました。でも、なんか毎日話題がいい意味ズレズレで飽きないブルグで気に入りました。

kibashirikibashiri 2005/02/28 10:06 鮎川様。なるほどですね。「奈良女子大学の修学旅行紀」と「アジアの真実」もブックマークさせていただきました。貴重な情報ありがとうございます。

kibashirikibashiri 2005/02/28 10:14 kazukana様。ようこそ初めましてです。私は、プロ市民ではないです。(爆)
ていうか、プロ市民とかネットサヨ、あるいはネットウヨとかいうレッテル張りはあまり関心がないです。(汗
しいて自分をカテゴリー分類すれば、実証主義的プチリベラルだけどサヨもウヨも嫌いでついでにイデオロギー論も嫌いな酒好き理系オヤジってとこですか?(なんのこっちゃ)

pontakapontaka 2005/03/02 22:49 鮎川龍人さんにすすめられて、こちらのエントリ拝見させていただきました。とても納得のいくご意見です。これに関する私のエントリをトラックバックさせていただきます。もっとも私の場合、言葉不足のせいか、結構皆さんから異論反論を頂いておりますが、基本的スタンスとして木走さんと同意見です。

kibashirikibashiri 2005/03/03 10:39 pontaka様。ようこそ、初めましてです。私は歴史の専門家ではありませんが、他者の痛みを感受するアンテナだけは失わないように
したいです。後ほどそちらにも伺います。

2005-02-22 『大義の支持者』と『真理の探究者』

[][][]『大義の支持者』と『真理の探究者』 12:07

私はインターネット新聞JANJANの市民記者登録をしています。いくつか記事を書かせていただいてますが、私のスタンスをご紹介するテキストとして、以前別のサイトで書き込んだテキストを以下に転載します。

 『トンデモ科学の見破りかた』(ロバート・アーリック著:草思社)は興味深い本です。たとえば、「銃を普及させれば犯罪率は低下する」というトンデモない主張について、科学的検証を試みています。

 その本の中で物理学者でもある著者のロバート・アーリックはこうのべています。

あらゆるトンデモない考えは単にそれを支持する証拠を見つけるだけでは真実であることは証明されない。ひとつのトンデモない考えの正しさを証明する最善の方法は、それが誤りであることを示すあらゆることをやってみて、それに失敗することなのだ。

 日常生活において、対立する科学的な主張の真偽を両陣営にたつ専門家たちの主張を判断しながら、一般市民側が自分自身でどちらの主張を支持するか決めなければならないことがあります。

 たとえば、最近のJANJANの話題から挙げると、「携帯電話は危険か?」「地球温暖化はCO2に起因するのか?」「原子力発電所は直下型地震に耐えられるのか?」などなど。

 専門家ではない一般市民側にとって、真実かどうか判別するのは勿論容易なことではありませんが、最も重要なことは、『大義の支持者』に陥ることなく、『真理の探究者』の姿勢を保つことです。

 もし、あなたが「原子力発電所は直下型地震に耐えられるはずがない」と判断してしまっていてすでにその考えの『大義の支持者』に陥っているなら、おそらく、この論争の双方の陣営の論証を公平に評価したいとは思わないでしょう。

 実はこの考え方は二重に危険なのです。ひとつはもし、『大義の支持者』が科学的検証性を捨て、自分の信じていることが正しいと思いこんでいるのならば、「原子力発電所は直下型地震に耐えられるはずがない。なぜならば私がそう信じているから」と主張しているのと同じだからです。議論はそこで停止であります。

 そうではなく、科学的検証性を考慮した上で『大義の支持者』になった場合でも、反論に耳を傾けない姿勢はやはり危険なのです。なぜなら、科学はつねに進行中の過程であり、現在の真理はつねに暫定的な真理という性質を持っているからです。

 『大義の支持者』とは違って、『真理の探究者』はなによりもまず、自分たちが確実に知りうることについてつねに謙虚で、新しい証拠(自分たちの見解を支持するものも、それに反対するものも両方ともに)に心を開いていなければならないのです。

 「真実であってほしい」と願うことと、「科学的真実」とが一致するしないに関係なく、僕たちは科学的実証が必要な政治的選択の基盤を、可能な限り最良の科学に置くべきなのだと思います。

_●僕がJANJANに記事を投稿してみた理由

 僕は個人的にエネルギー問題と主に東アジアの環境問題に関心を持っています。理由のひとつには、イデオロギー論抜きで科学的議論が成立しうる議題だからです。きわめて個人的な話ですがイデオロギー論は苦手であり、興味が無いわけではないのですが、どちらかと言えば発言者ではなく聞き手になるほうが好きだからです。

 それはさておき、JANJANには多くの「ダム建設反対論」や「原発反対論」の記事が掲載されてきました。

 機会があるごとに、僕は別の考え方(この場合主として政府側・行政側になります)を提示して、両論併記の形で議論しませんかと提案してきたつもりです。

 それは、僕自身にたいする戒めでもあるのですが、『大義の支持者』ではなく『真理の探究者』としての姿勢を示したかったからです。

 しかし、この方法は、ごぞんじのとおりJANJANにおいては受け入れられませんでした。僕の意見はときに、『揚げ足取り』とみなされ、中には『保守主義者』のレッテルを貼る読者も出現しました。それはあたかも、自分たち自身の動機が正当であると信じ、敵陣営は卑劣な意図をもっていると確信しきっているように思えました。

 僕は彼らが信じるところの敵陣営でもなんでもなく、ただ科学的アプローチを提案しているのにすぎないのですが、僕の動機は信用されませんでした。

 そこで、今回六ヶ所再処理工場記事が掲載されたのを機会に、「意見」ではなく両論併記の「記事」を投稿してみたのです。これは僕にとってひとつの試みです。(そもそも僕の記事を掲載してくれるのかは現時点ではわかりませんが)

 僕的には、以前から意志表明してきましたが、ここにも書き込みながらJANJANにもしばらく書き込もうと思っています。

 そのへんは自由にスーダラと僕流でいこうと思っています。


(木走まさみず)

インターネット新聞JANJANはこちらです。

http://www.janjan.jp/

 その中の私の拙稿はこちらです。

『核燃料サイクルの現状〜今、メディアに求められること 2004/12/28』

http://www.janjan.jp/living/0412/0412241921/1.php

鮎川龍人鮎川龍人 2005/02/22 15:50 ブログオープン、おめでとうございます!
うれしいですね!
フリーな場での木走様の御意見が拝読できるなんて。
ゆっくり、まったり(?)お願い致します。

kibashirikibashiri 2005/02/22 16:57 書き込みありがとうございます。
今後ともよろしくお願いいたします。

福山達也福山達也 2005/02/22 22:27 木走様、ブログの門出、お祝い申し上げます。今後も定期的に見にきます。楽しみにしています。

kibashirikibashiri 2005/02/23 00:45 福山様 ありがとうございます。
立場は違っても熱い思いは共有していると思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。

masashimasashi 2005/02/23 11:51 ご無沙汰しています。
blogを始められたんですね。楽しみにしています。
私の方は、仕事が重なってしまい、くたくたの状態です^^;

kibashirikibashiri 2005/02/23 15:45 masashiさん ようこそです。いつでも遊びに来て下さいませ。
こちらもマイペースで情報発信していこうと思っています。