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2005-09-04 選挙はプロパガンダによる洗脳工作だそうな

[][]選挙はプロパガンダによる洗脳工作だそうな 17:59




●とても貴重な情報満載の本『洗脳選挙:選んだつもりが選ばされていた』

 『洗脳選挙:選んだつもりが選ばされていた』(三浦博史著 光文社ペーパーバックス)という本を読み終わりました。

 もともと、最終章(IT選挙の時代:選挙の近未来を読む)の内容に興味を持って買った本なのですが、いやあ、実におもしろい本でありました。

 著者の三浦さんは日本初の選挙プランナーを名乗り、数々の国政・知事・市区長・地方選挙において、選挙キャンペーンマネージャーとして活躍されてきた人なのであります。

 イメージ選挙を演出して何度も勝った実績を誇る選挙プランナーによる選挙必勝のマニュアル本です。選挙の裏側って、こんなことにもお金が動くのかと思うと嫌になりますが、事実から目をそむけるわけにもいきません。

 選んだつもりが、選ばされていた。サブ・タイトルにあるとおり、徹底して候補者について虚像のイメージを有権者に売りこみ、投票に駆りたてます。

 その手の内を知れば知るほど、有権者はもっと賢くならなければいけないんだな・・・と、つくづく思います。

 人の印象は目からの情報によってほとんど決まってしまう。人の印象を決めるのは、服装や身体の動きといった目からの情報が55%、声の調子や話し方が38%、話の中身が7%である。要するに、演説内容よりも外見が大切なのだ。だから、候補者には歩き方まで直してもらう必要がある。候補者は自分の十八番の演説をすればいい。街頭演説は、とにかく十八番を絶対に歌い続けること。演説の中身は関係ない。

 三浦さんは言います。

 「私は選挙のプロ。あらゆる手段を駆使して候補者を当選させるのが使命である。即ち、プロパガンダのプロでもなければならない。」

 この「あらゆる手段」というのがすざまじいのです。候補者のイメージづくりではその歩き方まで練習させています。またポスターづくりからホームページ作成まで、あるいは対立候補者へのネガティブキャンペーンまで、実に徹底しています。

 本書の前書きで一つの本が紹介されています。そこには、コロンビア大学のミラー教授が設立した「宣伝分析研究所」が発表した内容をもとに川上和久明治学院大学教授がプロパガンダ「7つの方策」が書かれているそうです。

 プロパガンダ「7つの方策」

(1)ネーム・コーリング(悪いイメージのレッテル張り)

(2)華麗な言葉による普遍化(「自由」「博愛」「愛」「平和」といった不変的な価値との結びつけ)

(3)転移(権威ある存在を味方につけ、自らを正当化)

(4)証言利用(有名人の発言を利用)

(5)平凡化(立場を似せて、親近感を得る)

(6)カードスタッキング(都合のいいことの強調と、都合の悪いことの隠蔽)

(7)バンドワゴン(ある事柄を、世の趨勢であるかのように宣伝)

 三浦さんは選挙キャンペーンマネージャーとして、これらの方策を実践していくのです。そして、選挙はプロパガンダによる洗脳工作だと言い切っています。

 「選挙は単純なメッセージの刷り込み(洗脳工作)の積み重ねである。」

 いや、この本には政略も崇高な政治理念も一切出現しません。しかし、現在の選挙戦における戦術面が余すことなく赤裸々に語られていてとても貴重な情報を得ることができました。

 ・・・

 しかし、このプロパガンダ「7つの方策」は見事ですねえ、今回の選挙戦でもアホみたいに実践している陣営がありマスですよ。



●日本の政治家のホームページでプロパガンダ「7つの方策」を検証する

 不肖・木走も政治家のホームページも何件か作成したことがありますので、この「7つの方策」はすべて実例を挙げて検証できますですよ。

(1)ネーム・コーリング(悪いイメージのレッテル張り)

 これはいろいろなところで見受けられますよね。今回の選挙では、ネーム・コーリングの例としてはやはり落下傘候補に対する「刺客」というレッテルでしょうか。

 まあ、ホームページで対抗馬(政敵)のネーム・コーリングを全面に出しちゃうと諸刃の剣でイメージ戦略上はちょっと微妙ではあります。

(2)華麗な言葉による普遍化(「自由」「博愛」「愛」「平和」といった不変的な価値との結びつけ)

 これはもうどの政治家のHPでもすぐ散見できますので、検証は割愛しますです。

 しかし、かつて「博愛主義」を掲げている政治家が、議員会館で秘書を怒鳴りつけていてぜんぜん「博愛的」でなかったことは、不肖・木走のちょっとしたトラウマになっているのでございます。(苦笑)

(3)転移(権威ある存在を味方につけ、自らを正当化)

 これはHPの写真ですぐ検証できますね。自民党で言えば、小泉さんや阿倍さんと笑顔で候補者が握手している例のアレですね。また、学歴もしばしば利用されていますよね。 特に海外ブランドが政治家さんにはお気に入りのようでして、どこどこ大学大学院留学なんて、ときどき卒業もしてなくて問題になったりしてますが(爆

(4)証言利用(有名人の発言を利用)

 候補者のHPでよく散見できます「○○君を推薦します」などと偉い政治家や著名人がよいしょ推薦文を載せていますあのページですよね。

 これもひどいもので下手すると推薦文を政治家の秘書が書いて、あとから先方に事後承諾してもらうってなのもありましたですね。(汗


(5)平凡化(立場を似せて、親近感を得る)

 これこれ。この平凡化(立場を似せて、親近感を得る)は、特に日本では決定的に重要な要素なんです。

 多くの政治家のHPではプロフィールとして幼少期からの写真付きページがありますですよね。またたいていの政治家は子供達に囲まれた笑顔の写真を用意しております。

「庶民的」親近感を持たせるのですよね。

 写真では笑顔で子供達の頭なでたりしていて、実は夜な夜な飲み歩いて夜はクラブのオネイサンのいろいろなとこ撫でちゃってた先生もいましたなあ(苦笑

(6)カードスタッキング(都合のいいことの強調と、都合の悪いことの隠蔽)

 これも検証割愛させていただきますね。100%全ての政治家に例を見ることが出来ることでしょうが。

 これ、ある代議士にまつわるとっても笑える裏話があるのですが、その方は本当に記憶力がよろしくなくて、いわんでいいひとこと(いわゆる暴言タイプですな)を語っちゃうタイプなんですが、あるオフレコ会見で都合の悪い隠蔽していた事実を記者から指摘されたとき、思わず「ああそれは公には言わないことになっているんだ」と正直に発言したそうな(苦笑

 まあ、どの政治家も触れられたくないカードスタッキングしたい事実もあるようで。

(7)バンドワゴン(ある事柄を、世の趨勢であるかのように宣伝)

 うーん、バンドワゴン、これ強烈なんですよね。日本の政治家の場合、バンドワゴンするときのキーワードは「国際的に見て」、これですね。

 例えばある政策をとなえるときに日本の実情など無視して「アメリカではナニナニ」「ヨーロッパではコレコレ」と、さもその政策が世界の趨勢であるがごとく訴えるあの論法ですね。これも繰り返し言われると有権者は洗脳されていくのですよね。

 ・・・

 ふう。

 まさに、選挙とはプロパガンダによる洗脳工作なのであります。

 え?

 もっと具体例を教えろって?

 ・・・(汗

 今の日本のブログ上では、選挙期間中はこれ以上できません(爆笑

 ・・・

 さてさて、小泉さんや岡田さんにもそれぞれ、プロの選挙参謀がついているのでしょうねえ。

 うーん、もしかして選挙参謀の「腕の差」が現状の支持率にでてますかね?

 あるいは、役者の「技の差」か?



(木走まさみず)

トリルトリル 2005/09/04 18:30 広告代理店的な手口はプロには通用しません。
見透かされます。
それを崩す手口というのもアメリカの大統領選挙など見てると参考になりますよ。
また、有能な参謀ほど普通勝ち目のない御輿には付きません。
ま、報酬との折り合いということになりますが、ドングリの背比べなら資金のある方、スタッフの質量が優秀な方が有利に戦えると思いますけどね。
役者が馬鹿とか、党略が馬鹿だとか足下見ていないとか、スローガンやプロパガンダを絶叫したらどうにかなるとかレベル低く過ぎになるのも、議員定数も議員候補者が大杉なんでしょうな。

荏原仲信荏原仲信 2005/09/04 21:33  興味深いエントリーの連発ですね。ブロガーの選挙期間中の発言については、自民党の世耕弘成氏(参議院議員)は自分のブログ http://blog.goo.ne.jp/newseko で、特定の候補者の名前を出さなければ自由だと主張していました。
 プロパガンダとか洗脳工作というのは確かにそう言う側面はあるでしょうね。でも、それも含めて智恵の競い合いをしているわけで、国民も百も承知で愉しんでるでしょう。
 野党がヘタだなと思うのは「小泉マジックから国民の目が覚めれば」とか「はっと気づきつつある」などまるで国民が騙されているかのように口にしてしまう神経。国民はバカかもしれないけどバカだと思っているひとはいない訳で、その言葉でバカにされたと感じてしまう。そんなこともわかっていない人間の方がもっとバカだと思う。

Yagyu8beiYagyu8bei 2005/09/05 09:00 …宗教みてぇ。
まぁ洗脳とか刷り込みとかその辺はどっちもどっちなのかも知れませんねぇ。

取り合えず選挙カーで叫んでる馬鹿うぜぇッス。あれで選挙勝てると思うんならそれはそれで。昨日なんか共産党のおっちゃん、住宅街の真ん中で誰も見てないのに演説ってたしなぁ・・・

GedolGedol 2005/09/05 11:50 ども。自分のトコではイマイチ言及する気になれないグダグダ政治の候、いつも楽しませて頂いています。
 さて、広告代理店的な手口を崩す手口も広告代理店の手口な訳ですが、まぁ結局選挙活動というのは「候補者という商品」を売り込む行為なわけで、商品広告と同じ手法になるのは当然と言えば当然ですね。
 ダメPDAやゴミソフトや糞ゲーなどで「『先進の技術』『世界標準』『新たなる体験』なんて売り文句は信用しない」が身についてしまっている層が本気で政治に関心をもってくれるとこの手の広告選挙の影響もさほどではなくなるのではないかなー・・・なんて、やられっぱなしの私は思いました。

kibashirikibashiri 2005/09/05 23:56 トリル様

>広告代理店的な手口はプロには通用しません。
見透かされます。
それを崩す手口というのもアメリカの大統領選挙など見てると参考になりますよ。
また、有能な参謀ほど普通勝ち目のない御輿には付きません。
ま、報酬との折り合いということになりますが、ドングリの背比べなら資金のある方、スタッフの質量が優秀な方が有利に戦えると思いますけどね。

 なるほど。

>役者が馬鹿とか、党略が馬鹿だとか足下見ていないとか、スローガンやプロパガンダを絶叫したらどうにかなるとかレベル低く過ぎになるのも、議員定数も議員候補者が大杉なんでしょうな。

 やはり議員数削減ですかね。

荏原仲信様

>興味深いエントリーの連発ですね。ブロガーの選挙期間中の発言については、自民党の世耕弘成氏(参議院議員)は自分のブログ http://blog.goo.ne.jp/newseko で、特定の候補者の名前を出さなければ自由だと主張していました。

 私は5日付けエントリーでメディア批評の形で、パロディ化してみましたが、いかがでしょうか。

>プロパガンダとか洗脳工作というのは確かにそう言う側面はあるでしょうね。でも、それも含めて智恵の競い合いをしているわけで、国民も百も承知で愉しんでるでしょう。
 野党がヘタだなと思うのは「小泉マジックから国民の目が覚めれば」とか「はっと気づきつつある」などまるで国民が騙されているかのように口にしてしまう神経。国民はバカかもしれないけどバカだと思っているひとはいない訳で、その言葉でバカにされたと感じてしまう。そんなこともわかっていない人間の方がもっとバカだと思う。

 なるほど、そうですね。そのへんが野党のお馬鹿なとうころかもですよね。まあその手の失言は優等生タイプに多いんですよね。

Yagyu8bei様

>…宗教みてぇ。
まぁ洗脳とか刷り込みとかその辺はどっちもどっちなのかも知れませんねぇ。

 でしょう、オウムもビックリって感じでしょう。

>取り合えず選挙カーで叫んでる馬鹿うぜぇッス。あれで選挙勝てると思うんならそれはそれで。昨日なんか共産党のおっちゃん、住宅街の真ん中で誰も見てないのに演説ってたしなぁ・・・

 うーん、聴衆のいない演説って、なんか哀愁がありません?

Gedol様

 ども。

>自分のトコではイマイチ言及する気になれないグダグダ政治の候、いつも楽しませて頂いています。

 はい、5日付けでもくだらないエントリーしましたので、お楽しみいただければ嬉しゅうございます。

>さて、広告代理店的な手口を崩す手口も広告代理店の手口な訳ですが、まぁ結局選挙活動というのは「候補者という商品」を売り込む行為なわけで、商品広告と同じ手法になるのは当然と言えば当然ですね。

 うむ、そうですね。

> ダメPDAやゴミソフトや糞ゲーなどで「『先進の技術』『世界標準』『新たなる体験』なんて売り文句は信用しない」が身についてしまっている層が本気で政治に関心をもってくれるとこの手の広告選挙の影響もさほどではなくなるのではないかなー・・・なんて、やられっぱなしの私は思いました。

 どうでしょう、劇場型選挙にはホリエモン含みでけっこう若者もノッカッテしまっているようにも思えマスですが・・・



 みなさま、コメントありがとうございます。

antonianantonian 2005/09/06 03:55 この手のプロパカンダというのは選挙に限らず、あらゆる日常で見出すことが出来ますね。選挙に限れば、選挙人当事者は言うに及ばず、それに対するマスコミの批判の裏などにも気をつけないとなぁとも思いますです。

>…宗教みてぇ。
まぁ洗脳とか刷り込みとかその辺はどっちもどっちなのかも知れませんねぇ。

「プロパカンダ」とはそもそもが宗教用語なのですね。増殖させるとかそういう意味があり、信徒を増やすべく宣教する行為をプロパカンだと申します。ですので「宗教みたい」なのではなく「宗教の伝統的システムを利用している」というコトですね。
これをもっとも効果的に用いたのがルターで、印刷という最先端の技術で以てアジビラを作り、大衆に訴えかけたのが近代における大衆思想運動の形式の始まりと申せましょう。

ですので宗教においても聖職者がほざく教義などはまずはじめに疑ってかかるのが実は大切だったりしますが、選挙などでもそれは応用できますね。

kibashirikibashiri 2005/09/06 12:42 antonian様

 さすがだなあ、勉強になりますです。

>この手のプロパカンダというのは選挙に限らず、あらゆる日常で見出すことが出来ますね。選挙に限れば、選挙人当事者は言うに及ばず、それに対するマスコミの批判の裏などにも気をつけないとなぁとも思いますです。

 ですね。

>「プロパカンダ」とはそもそもが宗教用語なのですね。増殖させるとかそういう意味があり、信徒を増やすべく宣教する行為をプロパカンだと申します。ですので「宗教みたい」なのではなく「宗教の伝統的システムを利用している」というコトですね。
これをもっとも効果的に用いたのがルターで、印刷という最先端の技術で以てアジビラを作り、大衆に訴えかけたのが近代における大衆思想運動の形式の始まりと申せましょう。
 ふーん、元々宗教用語なのですね。
 しかし、ルターがアジビラって、おもしろい表現だなあ(笑

>ですので宗教においても聖職者がほざく教義などはまずはじめに疑ってかかるのが実は大切だったりしますが、選挙などでもそれは応用できますね。

 なるほど、政治家の発言も「はじめに疑ってかかる」ところが大切なのですよね。

 貴重な意見、ありがとうございます。

antonianantonian 2005/09/06 16:38 ルターのアジビラは面白いですよ。教皇がとんでもない化け物にかかれていたりして、風刺漫画の先駆といえます。優等生的な歴史ではグーテンベルグの聖書が印刷を発達させたという話になりますが、このアジビラこそ実は印刷技術の発展と普及に寄与したんではないかと思うのですね。
歴史を遡っても人間はやってることはさほど変わらんと申しますか・・・。
このエントリのご指摘はなかなかに面白く、こちらこそ勉強になっております。他のエントリも含め、選挙前に貴重な視点をいただけるので助かっております。