木走日記

場末の時事評論

この流れを軽く見てはいけない〜「橋本聖子はセクハラ常習犯」(文春最新号)記事を大騒ぎ始めた韓国メディア

東京五輪パラリンピック大会組織委員会会長に、橋本聖子氏が選出されました。

その同じ2月18日に、週刊文春最新号が橋本氏に容赦のないスクープ記事第二弾をぶつけてきました。

記事タイトルは橋本聖子はセクハラ常習犯」です。

髙橋大輔「キス強要」<写真>
<“五輪崩壊”全内幕>
橋本聖子はセクハラ常習犯
▼被害女性「私もずいぶんキスの犠牲になりました」
f:id:kibashiri:20210219123641p:plain
http://shukan.bunshun.jp/

記事は、かなりセンセーショナルな内容で、橋本氏のセクハラは「常習犯」であり、酒に酔うと気に入った相手(男女問わず)にキスを強要しまくり、またキスやハグだけでなく、ときには「体を見せてあげる」と話し体を「露出」しようとする行為に及んだ等の証言を当時の当事者からあつめているものです。

記事の真偽はともかく、このタイミングの文春最新号スクープ記事「橋本聖子はセクハラ常習犯」はこれは新会長の今後にとって強烈な火種になりかねません。

この種の日本の国益にマイナスの影響を与えかねない「文春砲」記事を、韓国メディアは好んで取り上げるからです。

さっそくハンギョレ新聞速報記事から。

東京五輪組織委員会の新会長に橋本氏が就任…過去のセクハラ問題などで論議
http://japan.hani.co.kr/arti/international/39178.html

記事より文春最新号を取り上げている部分を抜粋。

週刊文春は17日に発売された最新号で、「橋本五輪相のセクハラは高橋選手一人ではない」とし、被害者の一人である元女性議員が橋本氏は酒に酔うと周囲の人にキスをする癖があると証言したと報じた。

つぎは中央日報速報記事。

「酒に酔うと誰彼構わずキス」 東京五輪後任会長候補も論争に
https://japanese.joins.com/JArticle/275703

記事より該当部分を抜粋。

当時、これを報じた週刊誌「週刊文春」は17日に発売された最新号で「橋本聖子はセクハラ常習犯」というタイトルの記事を載せた。記事には橋本氏が酒に酔うと男女関係なくキスを強要するクセがあるという前職女性議員の証言が載った。また、酒の席で「体を見せてあげる」と話すなど「露出症」があるという証言まであった。

最後に朝鮮日報速報記事。

前任者は女性蔑視、後任者はセクハラ…東京五輪組織委会長交代でゴタゴタ
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/02/19/2021021980003_2.html

朝鮮日報は最も詳細に文春記事を引用しています、該当箇所を抜粋。

18日に発売された週刊誌「週刊文春」は、「橋本聖子セクハラ常習犯」という見出しの記事を6ページにわたって掲載した。この記事は、橋本氏が2014年に男子フィギュアスケート日本代表だった高橋大輔選手にキスする写真を掲載、別の男性にもセクハラをしたという疑惑を提起している。この記事によると、当時日本スケート連盟会長だった橋本氏が、ソチ冬季五輪閉会式後に開かれたパーティーで高橋選手に近づき、突然、ほおにキスして「大丈夫じゃない?」と言ったという。驚いた高橋は拒否したが、結局キスをした。この事件はすぐに明らかになり、橋本氏は事実上セクハラをしたとの指摘を受けた。

 週刊文春は、匿名の女性議員が「橋本氏はキス魔だ」と言ったことも紹介した。別の男性議員は「橋本氏が『私の胸を見せてあげようか』と言ったこともある」と語った。橋本氏は同日、会長選出後の記者会見で、「その当時も今も、深く反省している」と述べた。

・・・

最新文春砲「橋本聖子はセクハラ常習犯」報道(17日)から韓国メディアが大騒ぎ(18日)、この流れを軽く見てはいけないでしょう。

まだ文春が発売されて2日しかたっていません、このスクープ記事が国際的に拡散するとすればこれからだからです。

現在は橋本新会長を歓迎しているIOCですが、国際世論の風向きが変われば、簡単に森擁護から森批判に“手のひら返し”をした「前科」があります。

IOCはブランドを守るためなら簡単に“手のひら返し”をします。

「橋本氏セクハラ常習犯」記事が国際的に広まるとすれば、ブランド第一のIOCが橋本新会長を認めるはずはないのでしょう。

最新文春砲「橋本聖子はセクハラ常習犯」報道(17日)から韓国メディアが大騒ぎ(18日)、国際的に広まるか分岐点は韓国以外のメディアがこのスクープを取り上げるか否か、そしてその流れが拡散するかどうか、にかかっています。

ここしばらくの海外メディア報道を注意深く見守りたいと思います。

この流れを軽く見てはいけないでしょう。



(木走まさみず)

森会長辞任劇で浮き彫りになったJOCの古き悪しき「体育会系」体質

11日の速報ネット記事によれば、東京五輪大会組織委員会森喜朗会長が11日、女性蔑視発言をめぐり辞任の意向を固め、後任は、Jリーグを発足させた元日本サッカー協会会長の川淵三郎氏(84)で調整しているとのことです。

(関連記事)
森喜朗会長が関係者に辞意伝達 後任は川淵三郎氏で調整
https://digital.asahi.com/articles/ASP2C3QKGP26UTIL01L.html?pn=6

ここへきての森会長電撃辞任でありますが、決め手は、IOC国際オリンピック委員会)の「完全に不適切な発言だった」の“手のひら返し”の森会長非難声明でありました。

当初、IOCは「森氏は今日、発言を謝罪した。IOCは問題は解決したと考えている」とし、不問に付す姿勢を示していました。

(関連記事)
IOC、失言の森氏に不問の姿勢「問題は解決したと考えている」組織委も擁護
https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2021/02/05/kiji/20210205s00048000114000c.html

が、大会スポンサーも次々と非難声明を発表。海外メディアも、森会長の辞任を要求する世論を明確に支持し始めたのをみて、IOCは自己保身のために森氏を見切って完全に『ハシゴ外し』の“手のひら返し”の森会長非難声明を出したのであります。

(関連記事)
態度豹変のIOC非難声明が森会長辞任への決定打?!海外メディアも「叱責されても職に留まる」と続投方針を疑問視
https://news.yahoo.co.jp/articles/5a6f5bf985b2dffb7166448f68648dd7af2e22b9?page=1

で、IOCを“手のひら返し”に突き動かしたきっかけは大会スポンサーも次々と非難声明を発表したことがありますが、中でもアメリカ三大TVネットワークのひとつ、NBCが森会長批判に動いたことであります。

IOCの予算の7割はオリンピックの放映権料に依存しており、その放映権を持ち、開催是非のキーを握るとされるのが米NBCなわけです。

そのNBCが、「東京五輪のトップ、森氏が性差別で大坂なおみや他の人々から非難を受ける。彼は去らなければならない」との見出しを取って辞任を求める、以下の意見記事を掲載したのです。

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https://www.nbcnews.com/think/opinion/tokyo-olympics-head-yoshiro-mori-called-out-naomi-osaka-others-ncna1257163

ご覧いただけるように、記事見出しの最後に、「彼は去らなければならない("He must go.")」という強烈な言葉を用いていて、この意見記事におけるNBCの森会長辞任への強い意思を示したのであります。

・・・

五輪スポンサー(NBC)から圧力により森擁護から森批判に“手のひら返し”をしたIOC、その外圧により森会長は12日にも辞任表明する運びです。

しかし情けないのはJOCです。

そもそも森会長は数々の暴言癖を有する危険人物なのでありました。

当ブログは、そもそも論として、そんな彼を会長に据えていたほうが悪いのだと、指摘してきました。

2月5日エントリーより当該箇所を抜粋。

元から危険人物です。

森喜朗氏が女性蔑視だけでなく外国人や特定職業や地域などにきわめて差別的で、昔から無防備に暴言を繰り返してきた危険な政治家であることは万人の知るところであります。

さらに付け加えれば彼の推進する政策・プロジェクトの多くが実現困難なトラブルに見舞われてきた事実もあります。

そんな危険人物を、やり手がいないからと6年前に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長に押し付けておいて、何をいまさら彼を非難できましょうや。

2021-02-05
森喜朗氏は劣化などしていない、最初からだ! 彼を会長に据えていたほうが悪い より抜粋
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2021/02/05/105058

そんな危険な彼を会長に担ぎ出したものの当然の責務として、今回の暴言による騒動に対して、JOCとしての責任ある意思表明があってしかるべきでした。

しかし今に至るまでJOC内部からの一切の意思表示はありません。

IOCなどの外圧により森喜朗氏自身が辞意表明をしました。

報道によれば森氏自ら水面下で根回しして後任(川淵三郎氏)の調整までしたようです。

その間、JOCは一切の沈黙をしているに等しいのです。

今回の森喜朗会長辞任劇で、一番浮き彫りになったのは、実は上に対して意見を一切言えぬJOCの古き悪しき「体育会系」体質だったのであります。

ある意味単純な森氏の女性蔑視発言よりも、こちらのほうが問題の根が深いのかもしれません。



(木走まさみず)

新型コロナウイルス対策と日本人の被統治能力・ガバナビリティ【governability】の関係

ここへきての感染者数減少の驚異的ペースをグラフで確認しましょう。

東京都で1日の感染者数が276人となり、300人下回るのは去年12月7日以来
2ヶ月ぶりのことです。

(関連記事)
東京都 新型コロナ 276人感染 300人下回るのは去年12月7日以来
2021年2月8日 15時31分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210208/k10012855361000.html

NHK公開データより全国の感染者数の推移を確認します。

■日本国内の感染者数
f:id:kibashiri:20210208160522p:plain
※NHK公開データより『木走日記』作成
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

ここ一ヶ月、緊急事態宣言(1月8日〜2月7日)のもと、驚くべきペースで感染者数が減少していることが確認できます。

赤いグラフの七日平均数が顕著ですが、ピークの6442人(1月11日)から直近の2229人(2月7日)へと、半減どころか、三分の一近くに減少しています。

この結果はもちろん喜ばしいことなのですが、「驚異的」と感じてしまうのは、もしこの驚くべきペースでの感染者数の減少が、1月8日に発出した緊急事態宣言の効果に起因するのだとしたら、日本という国はやはりすごい国民性を有しているのだなあと思うわけです。

欧米に比べて何の罰則規定もない、ゆるい「要請」に過ぎないあのゆるゆるの宣言で、ここまで国をあげて宣言に従い、感染者を減少させる、これはすごいことだと思うのです。

本件は医学的には科学的エビデンスでもって語るべきなのでしょう。

今回はしかし医学的エビデンスから離れて当ブログが強く感じるところをエントリーしたいと考えます(もっとも、素人の私は現時点で正確なエビデンスを示す情報も能力も有していません)。

・・・

本当に日本人は真面目で健気です。

各人が、一生懸命、マスク、手洗い、3密予防、自分のできる感染予防策につとめています。

コロナ禍で、真冬なのに車窓を開けつつ、全員がマスクをして通勤する電車車内の風景、街を歩く人々もほぼ全員がマスクを着用しています。

私はこれらの光景を目にするに、どうしても10年前の3.11のときの日本人の振る舞いを思い出してしまいます。

震災当初、被災地東北で、そして計画停電で大混乱の首都圏で、日本人は実によく秩序を守り他者をいたわり冷静な対応をしておりました、暴動や略奪もない、この日本人の非常事態のときもいささかも動じない我慢強さ・冷静さ・マナーの良さは、当時、世界から賞賛されておりました。

当時のアメリカからは、「多くのアメリカ市民は、自国なら間違いなく暴動や略奪が起こる悲惨な無秩序の大災害の中で、多くの死者を出した被災地でけなげにも礼儀正しく振る舞う被災した日本人を、信じられないと驚きを持って受け止めているようだ、日本人の高潔なスピリットに対して尊敬の念がメディアに溢れている」と伝えられています。

震災当初、日本人大衆の被統治能力・ガバナビリティ【governability】の高さに世界は驚嘆し讃辞を惜しみませんでした。

日本人のガバナビリティ(=統治される能力)が国際的に高いのはかねてから指摘されてきたことですが、3.11でこれが証明され、TV報道あるいはネットにより世界中に「日本人はすごい」という認識が広まりました。

ガバナビリティは日本ではよく指導力とか組織力とかの間違った意味で誤用されることが多いのですが、その正確な意味は「ガバナンスされる能力」、支配される能力という意味になります。

悪く言えば「従順さ」といってもいいでしょう、しかしこの英語の本来の意味はもっと積極的で肯定的なニュアンスを持っています。

よく海外では、戦後のドイツ復興と日本復興において、「同じ占領軍に支配され国土が廃墟の中でそれぞれ奇跡の経済復興を遂げたのは、ドイツ人と日本人がガバナビリティが極めて高かったからだ」というような評論を見受けます。

この場合、ガバナビリティの使われ方は「従順」のような消極的意味では必ずしも無く、両国民は占領軍に支配される能力が高くその力を源泉に復興を遂げたのだという肯定的な意味合いがあるわけです。

国という単位ではなく会社、あるいはチームといった小規模のグループにおいても組織構成員のガバナビリティは組織の命運を握るほど重要な要素となります。

私はよく経営者セミナーの講師などでガバナビリティの話をするとき例に出す話があるのですが、世界ヨットレースに出場するほどのレベルのヨットチームの構成員のガバナビリティの高さです。

ヨットチームを構成する構成員(クルー)は練習のときからそれぞれの持ち場で最高のパフォーマンスを出せるように自身の能力の向上に努めますが、と同時にリーダー(キャプテン)の指示を以下に忠実に実現するべく全神経を集中して命令を実践することをトレーニングいたします。

ちょっとした風向きの変化などでリーダーは迅速に自分のヨットが一番有利になるような操舵をしなければなりません、それに対して構成員は自分の持ち場の範囲で最高のパフォーマンスで応えることで、チームの勝利という共通の目的に向かってまい進する訳です。

チームの勝利という自分にとって(利己的な)最高の報酬を得るために、リーダー(キャプテン)の指示を忠実に(利他的に)実現していくわけです。

ガバナビリティの真髄は、組織の構成員として、自分を守るための行為(利己的)を追求すると、なによりも組織の秩序を守る行為(利他的)に行き着くことです。

・・・

日本人がマスクを付けるのは、もちろん感染者からの飛沫を防ぎ感染することを予防するため(利己的)でもありますが、自分自身が加害者(感染者)として他者に飛沫を飛ばしてしまうことを防止する(利他的)、実は後者の意識が高いと言われています。

このような国民性・ガバナビリティの高さが、罰則規定のないゆるゆるの非常事態宣言に、みなが協力し、国として感染者数を大幅に減少させるという全体の果実を得ることに成功している原動力なのではないでしょうか。

もちろん医学的エビデンスはない私見ではあります。

読者のみなさんはいかがお考えでしょうか。



(木走まさみず)

森喜朗氏は劣化などしていない、最初からだ! 彼を会長に据えていたほうが悪い

小ネタです。

さて森喜朗氏であります。

暴言を吐き、コロナ禍でただでさえ危ういといわれる東京オリ・パラの本年開催に黄色信号を自ら点灯してしまったのであります。

謝罪会見では記者に逆切れ、完全に暴走機関車と化してしまった森喜朗会長なのでありました。

森喜朗会長が問題発言を謝罪も辞任は否定 記者に語気強める場面も
https://blogos.com/article/514744/

さっそく日本中大ブーイングでありまして、朝日新聞社説も『女性差別発言 森会長の辞任を求める』と掲げています。

(社説)女性差別発言 森会長の辞任を求める
https://www.asahi.com/articles/DA3S14789266.html?iref=pc_rensai_long_16_article

日本の政治はここまで劣化してしまったですって?

ちょっと待っていただきたいのです。

森喜朗氏は断じて劣化などしていません(キッパリ

元から危険人物です。
森喜朗氏が女性蔑視だけでなく外国人や特定職業や地域などにきわめて差別的で、昔から無防備に暴言を繰り返してきた危険な政治家であることは万人の知るところであります。

さらに付け加えれば彼の推進する政策・プロジェクトの多くが実現困難なトラブルに見舞われてきた事実もあります。

そんな危険人物を、やり手がいないからと6年前に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長に押し付けておいて、何をいまさら彼を非難できましょうや。

当ブログでは14年前、2006年からこの危険人物森喜朗先生にまつわる法則をネットにて提唱してまいりました。

森喜朗の法則 (出典:木走日記)

その1・森先生が賛成する政策は100%に近い確率で実現しない

その2・森先生が反対する政策は100%に近い確率で実現する

世界の絶対法則一覧 より
http://www22.atpages.jp/yasz/hunbook/column/absolute_low.htm
(リンク切れしています)

当時この法則はネット界隈でちょっと話題(笑いの種としてですが)となりました。

ポイントは、法則その1『森先生が賛成する政策は100%に近い確率で実現しない』、これです。

関連エントリー
2006-05-29
森喜朗の法則』〜森先生が反対する政策は100%に近い確率で実現する(爆笑)
https://kibashiri.hatenablog.com/archive/2006/05/29

上記エントリーでも触れていますが、森喜朗氏の政策非実現能力の原動力のひとつはその暴言癖にあります。

「大阪はタンツボだ」発言から「森政権私生児」発言まで、エントリーより抜粋、ご紹介。

●見よ! 森喜朗先生の数々の「名言」を!

 ちょっと上記サイトから引用させていただいて主だった森先生の「名言」をピックアップしておきましょうか。

■「大阪はタンツボだ」発言(1988年4月)

「大阪人は金儲けばかりに走り、公共心も選挙への関心もなくした。低俗な風俗産業も必ず大阪から生まれる。言葉は悪いがたんつぼだ」
(4月23日 京都市内で開かれた自民党京都府連主催の政経文化懇談会で)

 他ならぬ関西での発言が先生らしいでしょう(爆)

■「韓国労働者軍事暴動」発言(1992年6月)

「横浜の寿警察署管内には1500人くらいの韓国から来た労働者がいる。ベトナム戦争に参加しているから銃を撃つことに不慣れではない。1000人くらいまとまれば、大変な軍事行動ができるといわれる」
(6月 早稲田大学での講演会で、直前に米国、ロサンゼルスで起こった暴動に触れ)

 先生ならではの警鐘でございました。

■「重油は九州の方に流れていけばいい」発言(1997年1月)

重油は九州の方に流れていけばいい」
(1月24日 ナホトカ号から流出した重油に対して)

 えっと、ノーコメントということで(しかし、フォローできんな、これは(苦笑))

■「エイズが来た」発言(2000年1月)

「選挙運動で行くと農家の皆さんが家の中に入っちゃうんです。なんかエイズが来たように思われて」
(1月13日 福井県敦賀市で行われた講演で。'97年7月、遊説先の神戸市内でも同様の発言をしている)

 エイズ感染拡大防止への国民へのダイレクトな啓蒙発言でございました。

■「アメリカ人なんてギャングや殺し屋」発言(同年2月)

「(2000年問題に絡んで)日本は水やカップラーメンを買ったが、米国はピストルと銃を買った。仮に停電などが起きたら、必ずギャングや殺し屋がやってくる。(米国は)そういう社会だ」
(2月27日 埼玉県所沢市で行われた講演会で)

 アメリカの悪化する治安を憂いての先生ならではの発言でした。

■「沖縄は日教組共産党が支配している」発言(同年3月)

「沖縄は学校で君が代を教わっていなかった。日教組共産党が支配していて、なんでも反対する。沖縄の2つの新聞もそう。なんでも政府に反対、国に反対です」
(3月20日 石川県加賀市での講演で)

 沖縄以外の県で発言しちゃったのがお茶目でしょ(苦笑

■ご存知「日本は神の国」発言(同年5月)

「日本の国、まさに天皇を中心にしている神の国であるぞ、ということを国民の皆さんにしっかりと承知をしていただくこと」
(5月15日 神道政治連盟国会議員懇談会にて)

 堂々とした正論でございます。

■「無党派層は寝ててね」発言(同年6月)

「(衆院選に関心のない有権者は)寝てしまってくれればいいが、そうはいかない」
(6月21日 総選挙の遊説中、大分県三重町での記者会見で)

 卓越した先生の選挙分析がこの発言に見事にあらわれていますよね。

■「森政権私生児」発言(同年9月)

「(政権の成立過程が)私生児のように言われるのは不愉快だ
(9月28日の衆院予算委員会で)

 国会で堂々と発言されているのが先生らしくてステキです(汗

暴言を繰り返しては必要のない政敵を自ら大量に作り出しては、結果自らの政策遂行能力をそもそもそれほどないのに貶めてしまうわけです。

そんな危険人物を、やり手がいないからと6年前に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長に祭り上げたとき、当ブログはこの国に警鐘を鳴らしたのでございます、「誰か先生に引導を渡してあげてくれ」と。

2015-07-17
新国立競技場建設に「無報酬」で尽力する森喜朗先生に光りあれ!!〜誰か先生に引導を渡してあげてくれ(涙)!
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/20150717/1437104228

当時、森喜朗会長のもと、エンブレム(パクリ)問題や新国立競技場デザイン問題など大きなトラブル続きでありまして、森会長は国立競技場の当初採用になったザバ氏のデザインを「あんな生牡蠣をドロッと垂らしたようなデザイン」などと、当時もプチ暴言を繰り返していましたが、誰もそこは気にしていなかったのです。

しかし当ブログは警鐘を鳴らしていました、このままでは法則発動もありうると。

2015-07-30
森喜朗組織委員会会長の東京五輪でトラブル続出〜もしやあの恐ろしい法則が、発動されつつあるのかも(嘘付け!)
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/20150730/1438235513

そして今日の事態です。

繰り返します。

森喜朗氏は断じて劣化などしていません(キッパリ

元から危険人物です。

そんな人物を会長に据えていたほうが悪いと思うのです。



(木走まさみず)

残念ながら緊急事態宣言の中行動変容できなかった松本純衆院議員と二人の仲間たち

さて共産党議員がお怒りです。

井上哲士
自民・公明議員が辞職、離党
https://blogos.com/article/514074/

井上議員は「松本氏は発覚時以来、"飲食は1人だった"と繰り返しのべており、一週間にわたりウソをついていた」とお怒りです。

失礼してエントリーの一部抜粋。

「国民には外出自粛要請、自分たちは深夜まで銀座のクラブ」――こんなことが許されるのかという国民の怒りが朝から与党を追い詰めています。

 公明党の遠山衆院議員は今日、衆院議長に議員辞職願を提出。一方、辞任した自民党の松本国対委員長代理の銀座クラブ訪問に大塚衆院議運委理事、田野瀬文科副大臣が同席していたことが朝から報じられ役職辞任、更迭に。さらに松本氏はじめ三氏は午後、自民党を離党しました。

 松本氏は発覚時以来、"飲食は1人だった"と繰り返しのべており、一週間にわたりウソをついていたことになります。報道されるまで放置した自民党の責任は重大です。

うむ、「国民には外出自粛要請、自分たちは深夜まで銀座のクラブ」――こんなことが許されるのか、至極ごもっともではあります。

さにありながら、ここは冷静に読者のみなさんとともに、このシュールな国会議員たちの行動を味わいたいと思います。

一週間前、松本純衆院議員はメディアに銀座のクラブをハシゴしたこと(料理店=>クラブ=>クラブ)が報道され、「これら(3つの店)には私一人で、陳情を伺いに行った」と、のたまいました。

何で国会議員が選挙区でもない銀座のクラブにわざわざ出向いて「陳情」を受けるのか、しかも11時過ぎまでハシゴまでして、と疑惑を深めたいいわけなのでした。

私は松本氏の釈明もどうかなと思いましたが、彼のお店のハシゴの順番(料理店=>クラブ=>クラブ)に着目いたしました、これは銀座のクラブ遊びをするオヤジの定番コースではないかと。

別に銀座だけではないですが、クラブの常連客の何割かは、店のお気に入りのホステスを誘って会食してから、「同伴」でクラブに「出勤」するのがつねなのであります。

「同伴出勤」は女の子の営業成績に反映されるのです。

さて案の定、今週、松本氏はクラブ訪問について「1人だったと説明したが、実は後輩議員2人とともに訪問した。事実と違うことを申し上げ、心からおわびしたい」と嘘をついたことを記者団に謝罪します。

クラブには、松本氏とともに離党届を提出、受理された田野瀬太道文部科学副大臣大塚高司国対副委員長が同席していたのです。

今明らかになった、シュールな国会議員たちの行動を味わいたいと思います。

真実はこうです。

松本氏は後輩で飲み仲間である田野瀬氏と大塚氏を誘って、「いつも」の銀座のクラブ遊びをしようと声かけます。

ここで重要なことは彼らが銀座のクラブ遊びの「常連」であったことです。

なぜなら、最初の会食場所であるイタリア料理店には、松本氏、田野瀬氏、大塚氏の他に、女性2名の計5名で会食しているからです。

この女性2名は、後輩の田野瀬氏が常連のクラブBのホステスなのです。
(※松本氏たちは同伴ではないと会見で否定していましたが、おそらくまたプチ嘘を付いています。状況から事実「同伴」していますので、本エントリーでは事実を重視して「同伴」と表現します。)

なぜそれがわかるかと言えば、田野瀬氏、大塚氏の両名はホステス2名同伴でクラブBに「同伴出勤」しているからです。

イタリア料理店会食後、松本氏は単独で自分の行きつけのクラブAに「陳情」(?)を伺いに行きます。

一方田野瀬氏、大塚氏の両名はホステス2名同伴でクラブBに「同伴出勤」しています。

お客様と「同伴出勤」というのは、ホステスにとっては、ただで高級な食事はできるし売上成績は上がるし、とてもおいしい営業になります、はい。

さてしばらくしてクラブAで単独「陳情」(?)を受けた松本氏が、田野瀬氏、大塚氏が待つクラブBに合流して、11時過ぎまで飲食して過ごした、というわけです。

・・・

つまりです。

緊急事態宣言の中、深夜まで銀座で飲食をしていた、この3人の国会議員は、おそらく間違いなく、銀座のクラブの常連客であったのであり、彼らにとっては、いつも通りの行動だったのであります。

残念ながら緊急事態宣言の中行動変容できなかった松本純衆院議員と二人の仲間たちなのでした。

なんとシュールな国会議員たちの行動なのでしょう。

ふう。

老婆心ながら、やばいぞ自民党、と警鐘を鳴らしておきます。



(木走まさみず)

高齢者への接種は危険というイメージが独り歩きしてしまうことを心配する〜高齢者対象のワクチン摂取が開始すれば必ず一定の割合で摂取死亡者が発生する当たり前の事実

日本で真っ先に接種が始まるのは、米ファイザー社と独ビオンテック社が共同開発したワクチンですが、1月中旬に、世界の医療関係者が注目した報道がありました。

ノルウェーで両社のワクチンを接種した約4万2千人のうち33人が、発熱や吐き気などの副反応を示し、接種後数日以内に亡くなったと報じられました。

大半は80歳以上の高齢者でした。

ファイザー株式会社の広報担当者は、メディアの取材に対し、次のような見解を示しています。

(亡くなった方の)ご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様にお見舞いを申し上げます。

ノルウェー当局は老人ホームの入居者等に対するワクチンの接種を優先していますが、その多くは非常に高齢で基礎疾患を有しており、中には終末期の方もいます。

ノルウェー医薬品局は、医学的にリスクの高い人に対する本剤の接種と死亡の関連性は完全には否定できないものの、ワクチン接種との直接的な因果関係を示すエビデンスは得られていないと表明しています。

北欧でワクチン接種後に高齢者死亡…ファイザー社の見解は より抜粋
1/29(金) 11:12配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/a43c9a24429b20174b85edf260c9db6915d97772

一方、ドイツの予防接種常設委員会(STIKO)はアストラ製ワクチンについて、接種対象年齢を18歳から64歳に限定して使用を認めるよう勧告しました。

ドイツ政府のワクチン評価作業を担う同委員会は、アストラのワクチンは他のワクチンと同様に機能するようだとしつつ、65歳以上の高齢者に対する有効性の情報が十分ではないと判断しました。

(関連記事)
ドイツ、アストラゼネカ製ワクチンの推奨対象から高齢者を除外
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-28/QNNAJMDWLU6S01

・・・

ノルウェーで80歳以上の高齢者を中心に33人が、発熱や吐き気などの副反応を示し、ワクチン接種後数日以内に亡くなりました。

ノルウェーは日本と同じように高齢者が多い国ですし、その状況は今後も注視すべきだと思います。

またドイツ政府の「アストラゼネカ製ワクチンの対象から65歳以上の高齢者を除外」判断は、「高齢者に対する有効性の情報が十分ではない」との理由に基づくものです。

このふたつの記事を目にして、私は近い将来日本において誤解に基づくワクチン批判報道が跋扈することを恐れています。

高齢者への“ワクチン接種は危険なのではないか”というイメージだけが独り歩きしてしまうことを心配しています。

ファイザーや米国のモデルナが開発したのは“mRNAワクチン”という種類のものです。ファイザーのワクチンは有効性が95%、モデルナは約94%と、非常に優秀です。

さて日本におけるワクチン接種は2月下旬から医療関係者、4月1日以降高齢者と予定されていますが、高齢者のワクチンが始まると、科学的根拠のないマスコミの無責任な批判が巻き起こることを危惧しています。

何故ならワクチンを摂取した高齢者が、摂取後日を置かずにノルウェーのように大量に死亡することが予想されるからです。

日本における高齢者死亡者数を最新のデータから確認しておきます。

厚労省の『令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)の概況』では、いくつかの統計表がPDFファイルとして公開しています。

資料の『図4 死亡数及び死亡率(人口千対)の年次推移』によれば、日本の2019年の死亡数は138万1098人であります。

図4 死亡数及び死亡率(人口千対)の年次推移
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https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai19/dl/kekka.pdf

その75%以上が75歳以上の高齢者が占めており、『表6-1 年齢(5歳階級)別にみた死亡数・死亡率(人口 10 万対) 』で確認すれば、以下です。

表6-1 年齢(5歳階級)別にみた死亡数・死亡率(人口 10 万対)
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https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai19/dl/kekka.pdf

2019年には日本の死亡数138万1098人の76.5%105万6367人が75才以上の高齢者が占めております。

年間105万6367人の高齢者が死亡している我が国では、統計上、一日当たり2894.2人の高齢者が亡くなられており、一週間では2万0259.4人が、ひと月では8万8030.6人の高齢者が亡くなられるわけです。

以上の統計上の事実から、4月から高齢者対象のワクチン摂取が開始すれば、摂取後すぐに一定の割合でワクチン接種した高齢者から一定数の死亡者が発生するはずです。

これらの死亡数は、ノルウェー政府が分析しているように、その大半がそもそもワクチンを打とうが打つまいが余命を迎えた高齢者なのであります。

75歳以上の高齢者が毎週2万人死亡している日本で、高齢者対象のワクチン接種が4月から始まります。

その際、高齢者への“ワクチン接種は危険なのではないか”というイメージだけが独り歩きしてしまうことを心配しています。



(木走まさみず)

感染者数減少〜季節性要因よりもGOTOキャンペーンを全国一律に停止した要因が影響してはいないか?

さて、25日全国の新規感染者が2764人で28日ぶりに3000人を下回りました。

(関連記事)
東京618人、全国2764人感染 28日ぶりの少なさ、重症は最多―新型コロナ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021012500606&g=soc

直近一ヶ月の全国の新規陽性者(感染者)数の推移をグラフで確認いたしましょう。

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※NHK公開データより『木走日記』作成
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

全国の感染者数は、ピークの1月8日の7882人から直近の1月25日の2764人にと、この18日間で、アップダウンはありながらですが、グラフに青い補助線で示したとおり急減していることが見て取れます。

さてピークの感染者を記録した1月8日といえば、偶然ですが今回の緊急事態宣言の発出した日でもあります。

当然の疑問が生じます。

ここでグラフに表出する感染者数は、10日〜12日前の値であることを考慮すると、今回の緊急事態宣言の効果が現れるのは、おおよそ1月20日以降であることになります。

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※NHK公開データより『木走日記』作成
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

ご覧のグレーゾーンの期間は1月8日発出の緊急事態宣言の効果が及ばないのにも関わらず、いかなる要因で感染者数が下がり始めているのでしょうか。

明らかに1月8日を変極点にして感染者数発生数は上昇から下降に転じているわけです。

この点から、維新の青山議員はネットにて「緊急事態宣言が抑えたのではなく
季節性要因(冬になれば拡大)により減少したと主張します。

失礼して当該部分を抜粋してご紹介。

②GoToや緊急事態宣言が遅れたのが今の感染拡大招いたと責め付けながら、つい「冬になれば拡大するのわかっていた」とポロリ。そこでしょう!東京も全国もほぼ緊急事態宣言時がピーク。陽性者数はその前の感染状況を表しているのだから、緊急事態宣言が抑えたとは言い難い。

菅さんはやっぱり偉い! より抜粋引用
https://blogos.com/article/512459/

反論というか別の仮説を考えます。

季節性要因ならば平均気温が年間で最も低い現在(1月下旬〜2月上旬)に至るまで、それに10〜12日の時間差を加えて、少なくとも2月下旬までグラフは上昇を続けるとみるべきでしょう。

季節性要因よりも、GOTOキャンペーンを全国一律に停止した12月28日を起点としてグラフを考えると、その効果が出始めたのが12日後の1月8日以降と考えるとどうでしょう。

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※NHK公開データより『木走日記』作成
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

GOTOキャンペーンを全国一律に停止した12月28日から、その効果が現れる12日後の1月9日あたりから感染者数が減少し始めたと推測できます。

ここで提示したのはあくまで仮説でありますが、もちろん当ブログだけが唱えているわけではありません。

季節性要因も現状はあくまで仮説なので、せめて並列で論じていただきたいと考え、取り上げてみました。

本エントリーが、読者が本件の知見を深めるためのささやかな問題提起になれば幸いです。



(木走まさみず)