「 複雑流体の数理(II)」 (京大数理研)、二日目
「2次元弾性円盤の衝突:反発係数出現のミクロメカニズム」 國仲寛人 et al(京大・人環)
「粘性流の粒子間相互作用の高速,高精度計算法」市來健吾( 京大・人環)
最近のいつもの話。 「タイトル」と 「0.背景」 以外のトラペは 10/3の 第32回流体力学講演会の(完全な)使い回し (更にそれは7/25の 日本流体力学会年会の使い回し (更にそれは3/24の春の物理学会の話 を大幅に改訂したもの))。 これら過去の一連の発表の中でも一番質問が多くて良かった。 今後は良い現象論も目指します(多分)。
「時間遅れを含む系の関数空間への展開について」引原隆士(京大・工)
制御工学(?)の話。 まったく知らなかった分野、まったく違う見方(目標)が新鮮。 逆に話の方向を捉えるのが(聞き慣れた分野の話と比べて)大変。 目的意識は研究の進め方に大きく影響する。慣れる事の危険性に注意。
「複雑系化学物理学における分布関数法」牛木秀治 et al.(農工大・農)
自分で「アナロジーに終始するのはダメ」と言った手前 引っ込みがつかず色々質問、時間超過してしまう。 「論理を作って論理的に云々」は良く分からない。 ゲルの体積相転移の現状が(不勉強のため)不明で、はっきりしたこと言えず。 この approach の威力を結局認識できず。 logical には正しいが physical に間違った理論はいくらでもあると思うが、 その判断はどうするのか? 「分布関数法」のdemoとして何でも fitting 出来ますと言われると、 逆に一般的過ぎて取り出せる情報は少ない気がする。 Levy 分布が色んな Gaussian の重ね合わせで書けるからと言って Levy process が Gaussian process の重ね合わせではないし。 大信田氏の Kepler のたとえと同じか。
「プロテウスによって形成される時空パターン」渡辺一彦 et al.(中大・理工)
パターンが「青空に浮かんだ雲」みたいできれい。 落ちは moire(らしい)。
縲沓acillus subtilisの同心円状リングコロニーにおける レプリカプリンティング」島田宏俊 et al.(中大・理工)
懇親会、二次会、飲みすぎた。眼鏡忘れた。
今回の自分の発表の為に唯一書き下ろしたトラペ 「0.背景」、 初日の空気を見て行けそうだったので少し挑発
引原さんには恐縮されてしまったが好意的に捉えてもらう。
松下さんとはその後少し喋って、 人それぞれの時代背景でポイントも違うので、 形(それこそ「上っ面」)で良い悪いと言うのも問題と感じた。
「第一原理 vs 現象論」ってのは所詮シーソー
松下さんの時代は現象論が低く見られいて、 逆に私は現象論が(不当に)高められている気がしている
統計物理の非線形に限定、物性の常にお硬い分野は除く
「バランスが欠けていないか」という問題意識は同じ(と勝手に解釈)。
10/28/2000 記、 早川さんの認識は 「基礎論 (というのは物性基礎論で、上で私の言った「統計物理の非線形」を包含) の中でも現象論がもてはやされたことは一度もないと思います。」 との事。
私が、何も知らない状態で大学院に上がり、 以降の空気しか知らずに当時の空気に(勝手に)染まっていたと言う事か。
逆に言うと、今の自分たちの行動なり空気が、 今の学生さんたちに与える影響はかなり大きいと言う事か。
稲垣さんに「一枚のトラペにまとめられるのはよかった」と言ってもらう
が、 (私の場合は)それだけ手間をかけてようやく出来たもので、 M2 の人にサクっとまとめられ(たり批判され)てしまう分野ってあったら (その M2 の人は素晴らしい、ということは置いておいても) その分野の連中は何だってことになる。
二つのeventsで二つの側(攻守/加被)に立つ。
が、共に正しい一人の仲裁者を持つ。
分かっているつもりでも、一旦意識化するまでは気を緩めると流される。
あるsubjectに関しては良い人物でも別の話では妙な考えを持っていたり。
まわりが言っても「自覚」しないとダメみたい。
「苦労は買ってでもしろ」は正しいかも。辛いけど。