市來健吾の日記

プログラマ、(元)物理屋(ナノテク、流体)

「 複雑流体の数理(II)」 (京大数理研)、二日目


  • 「2次元弾性円盤の衝突:反発係数出現のミクロメカニズム」 國仲寛人 et al(京大・人環)


  • 「粘性流の粒子間相互作用の高速,高精度計算法」市來健吾( 京大・人環)


  • 「時間遅れを含む系の関数空間への展開について」引原隆士(京大・工)  


    • 制御工学(?)の話。 まったく知らなかった分野、まったく違う見方(目標)が新鮮。 逆に話の方向を捉えるのが(聞き慣れた分野の話と比べて)大変。 目的意識は研究の進め方に大きく影響する。慣れる事の危険性に注意。

  • 複雑系化学物理学における分布関数法」牛木秀治 et al.(農工大・農)


    • 自分で「アナロジーに終始するのはダメ」と言った手前 引っ込みがつかず色々質問、時間超過してしまう。 「論理を作って論理的に云々」は良く分からない。 ゲルの体積相転移の現状が(不勉強のため)不明で、はっきりしたこと言えず。 この approach の威力を結局認識できず。 logical には正しいが physical に間違った理論はいくらでもあると思うが、 その判断はどうするのか? 「分布関数法」のdemoとして何でも fitting 出来ますと言われると、 逆に一般的過ぎて取り出せる情報は少ない気がする。 Levy 分布が色んな Gaussian の重ね合わせで書けるからと言って Levy process が Gaussian process の重ね合わせではないし。 大信田氏の Kepler のたとえと同じか。

  • 「プロテウスによって形成される時空パターン」渡辺一彦 et al.(中大・理工)


    • パターンが「青空に浮かんだ雲」みたいできれい。 落ちは moire(らしい)。

  • 縲沓acillus subtilisの同心円状リングコロニーにおける レプリカプリンティング」島田宏俊 et al.(中大・理工)

懇親会、二次会、飲みすぎた。眼鏡忘れた。


  • 今回の自分の発表の為に唯一書き下ろしたトラペ 「0.背景」、 初日の空気を見て行けそうだったので少し挑発


    • 最近、基本的に攻撃/批判(/愚痴)モードなので、 行きすぎると生産的にならない事に注意しつつ…

    • 6/8/2006: 旗振り向きじゃない

    • サマリー:旗振り

  • 引原さんには恐縮されてしまったが好意的に捉えてもらう。

  • 松下さんとはその後少し喋って、 人それぞれの時代背景でポイントも違うので、 形(それこそ「上っ面」)で良い悪いと言うのも問題と感じた。


    • 「第一原理 vs 現象論」ってのは所詮シーソー

    • 松下さんの時代は現象論が低く見られいて、 逆に私は現象論が(不当に)高められている気がしている


      • 統計物理の非線形に限定、物性の常にお硬い分野は除く

    • 「バランスが欠けていないか」という問題意識は同じ(と勝手に解釈)。

    • 10/28/2000 記、 早川さんの認識は 「基礎論 (というのは物性基礎論で、上で私の言った「統計物理の非線形」を包含) の中でも現象論がもてはやされたことは一度もないと思います。」 との事。


      • 私が、何も知らない状態で大学院に上がり、 以降の空気しか知らずに当時の空気に(勝手に)染まっていたと言う事か。

      • 逆に言うと、今の自分たちの行動なり空気が、 今の学生さんたちに与える影響はかなり大きいと言う事か。

  • 稲垣さんに「一枚のトラペにまとめられるのはよかった」と言ってもらう


    • が、 (私の場合は)それだけ手間をかけてようやく出来たもので、 M2 の人にサクっとまとめられ(たり批判され)てしまう分野ってあったら (その M2 の人は素晴らしい、ということは置いておいても) その分野の連中は何だってことになる。

  • 二つのeventsで二つの側(攻守/加被)に立つ。


    • が、共に正しい一人の仲裁者を持つ。

    • 分かっているつもりでも、一旦意識化するまでは気を緩めると流される。

    • あるsubjectに関しては良い人物でも別の話では妙な考えを持っていたり。

    • まわりが言っても「自覚」しないとダメみたい。

    • 「苦労は買ってでもしろ」は正しいかも。辛いけど。