僕がブログを今更やり始めた理由

アーキテクチャの生態系

アーキテクチャの生態系

アーキテクチャの生態系が届く。研究室の同僚だった人が出世するのは悔しくもあるが、嬉しい。
すらすら読んだ。面白い。

この本で一番面白いのは時間を絡めたニコニコ動画分析である*1。それ以前の、グーグル、ブログ、2ch、P2Pの話は、一緒にいたころの話なので懐かしい。

ブログvs2ch

特にブログvs2chの話は懐かしい。要するに、アメリ個人主義的なブログと、日本集団主義的な2chの対立である。この議論はすごい飛躍があるけど、僕がブログを今更やり始めたことに通じる。

僕は昔は(今も?)断然2ch派であり、ブログに関してはかなり否定的*2だった。濱野氏は、ブログの黎明期に、SFCでブログの普及プロジェクトをやっていた(はず)のだが、僕はそれに結構ケチをつけていた。その頃(2003年くらい)、研究室で深夜にビールを飲みながら、だらだらしていた議論の洗練されたものを2章、3章に見た感じだ。

とはいえ、今ブログなるものを書いているわけで、それなりの心境の変化はあった。一つは、2ch的になってしまったと揶揄されるはてなブックマークの存在を今更知ったことである。

はてなブックマーク

今までブログの全体的な可視性が悪いと思っていたが*3、そうでもないということがはてなブックマークをつかってみて今更ながら気づいた。注目語ランキングとか出しているサイトが多くあるけど、アレは造るのは簡単だけど、それほど意味はないと思っている。見たい、知りたいのは、同時多発的にキーワードを書いて反応している姿ではなく、旬の良質なエントリーであり、それに対する反応であるからだ。ぶっちゃけ、あちこちで書かれる、とるにたらない文章には用はないし、馴れ合い的なトラックバックにも暇なときは見るけど、それほど興味がない。これにははてぶは最適だ。

この意味で、濱野氏の議論を受けると、はてなブックマークはブログ的なものと2ch的なものを繋げるものであるような気がする。うーん、こんなしょぼい議論は昔どうせあっただろうなぁ。まぁ、とりあえず、2chの住人だったものには参入障壁は低くなっている。ブログ側の人の2chへの障壁は大して変わらないのだろうけどw

知るのを遅すぎました。アホですね。だって、初めは普通のブックマークをネット上に共有させたものだと思ったのだもん。僕は、グーグルの登場から「ブックマークなんてやらない主義」になったから、それほど必要性を感じなかった。記事単位でポンポンブックマークしていくことで、こんな面白いことになっているなんて!!!!
アンテナが腐っています。またバカにされるね。

排除されかかっている僕

もう一つは、僕自身が、いろいろなWebサービスから、排除されかかっていることだ。格好良く書いてみたけど、つまりは「なんだかなじめない」。いろいろと回り回って、どんどんなじめないものが増えていっている。*4

2chは年寄り臭くなってきたし、Mixiには書くことがない。MMOでの、人間関係構築の努力をする気がもうないし、ニコニコのハイテンションにはついていけない。あと、物忘れが悔しくなってきたし、人の反応がそれほど気にならなくなってきた。
こんな風に感じてしまうのは、僕には友達がいない、というのと、さすがに歳を食ってきたというのがあるだろう。

まぁ、そんなわけでブログをやり始めた。続くかどうか未だわからないけど、ブクマがそのモチベーションの一部になっているのは確かで、続けられそうな気がする。

いろいろな日本的なサービスを回り回って、個人主義的なブログにたどり着くのは、まぁ、よくあることなのかもしれないが、面白いなと思っている。

*1:ワイヤードの記事をまとめたやつ

*2:一般個人なんて所詮、空っぽ

*3:2chの可視性はなんだかんだいって高い。

*4:一応、濱野氏のアキバ発のViperになれなかった加藤容疑者論を受けている。まぁ、秋葉原でXXするきはありませんがw