怠惰な日々

 *blogではありません。日記です。

貨幣の物神性から始まり、熱い塊で終る1日

午前中、昼食用その他の買物。昼食は結局おはぎということに。
おはぎは業務スーパーで買った例のまずい餡を使い切り、ほっとした気分。
食後お出かけ。原宿経由で表参道にあるGYREといういけすかないビルの中のEYE OF GYREで「Money after Money | 信用ゲーム 2013」展。ちょっと面白そうだと思い出かけたのだが、予想以上に面白かった。目玉なのかと思ったウォーホールの作品は客寄せのようなもので、実際見たら惹かれるのはニティパク・サムセン「TRAIL$」、フィリップ・ハース「マネー・マン」、クリスティン・ラール「資本論」といった作品。お金って何なのか、財布に入ってるその紙切れの何が大事なのか、お金をやり取りするということはどういうことなのか。考えさせられるし、作品としてとにかく面白い。これが無料。無料といっても作品販売が目的でも物販が目的でもない、本当の無料だというのにこの充実ぶりはお得で、ほんとお金っていったい。こんなに面白いならもっと時間を割いておくべきだったが、今更仕方ないので後ろ髪をひかれつつエキソニモを体験しないままに東京ミッドタウンへ。
東京ミッドタウンの裏にはなんだかよくわからない緑地があってそこに大量の人が集まっている。僕は遅刻なので人を縫って乳母車の後ろに陣取った。座るとステージが見えないのだが、このあと大事な用があるので体力重視で座って環ROY×蓮沼執太×U-zhaanを楽しむ。遅刻したので10分ほど見逃したのだが、遅刻したくなかったなと思う良さ。フリースタイルでやっているようだが息が合ってるのか合ってないのか、そんなことはどうでもよくなる空気感。緑の芝生と体育座りの人の上を流れていく音としてはちょうどいい。ぽやーんとした30分余りで、ほんとはビールでも飲みながらというところだけど。ちなみに乳母車の人は僕に気付いて途中から見えるようにしてくれてほんとありがとうございます。
この後はCaravan×U-zhaanもあるのだが、まあそれは残念ながら割愛して高円寺へ。新高円寺で降りてブックオフへ。Jamiroquai「Late Night Tales」500円。Jamiroquai名義になってるけど、選曲したのはJKでバンドがしたわけじゃないと思うのだが。
頃合いになったのでUFO CLUBへ。入るときちょうど準備中のコモリさんとすれ違う。
早めなので椅子でのんびり待ち、結局そのままアンダーボーイズを聞く。アンダーボーイズという名前からはもっと違ったイメージを持っていたのだが、全然違いましたね。なんていうんだろ。センスあるな、と思いつつ、一瞬おおおというフレーズを入れたりとか。よかったので音源買って帰りました。
次が原マスミ。名前は知っているが今まで全くライブを見る機会がなかったのでありがたい。で、出てきた瞬間、これは怖いと。表面的にはベテランの弾き語りということになるのだと思うけど、何かが暗黒なんですよ。暗黒という言葉は僕の中で独特の使われ方をしてるので他人には伝わりにくいけど、まあこれは日記なので。黒い渦のようなものを目の当たりにしたような気がする50分。何が毒気というのも説明しづらいけど、これはなかなか見当たらない猛毒ではないかと思う。壊れかけからは「妖精」という言葉で紹介してたけど、たぶん意味するところはほぼ同じではないかと思います。妖精って怖いし。
そんなわけで他人には説明できない種類の良さを持った2組の後は壊れかけのテープレコーダーズ。1曲目の箱舟は、僕が思うにこのバンドの本質をよく伝えるテーマソングのようなもので、1曲目にふさわしい、もちろん名曲。そこからてるてる坊主への繋ぎがまた最高で、一気に沸点に達した。何度もライブに行っているにもかかわらず、新鮮さを失うことのない演奏は、上手いだけのバンドには絶対にない4人の情熱の賜物だと思う。そして「踊り場からずっと」。この曲はリズム隊の2人なくしては存在しなかった曲だと思う。コモリさんを見つつ聞きつつも、視線と耳はしのさん44Oさんに吸い寄せられる。本編最後の天気の話も締めくくりにふさわしい大好きな曲で、やはり50分あると起伏のあるいいセットリストができるなと思った。あと、ユサさんがドアーズのTシャツを着ていて、やはりオルガン弾きとしてはレイ・マンザレク追悼とかいう気持ちがあるのかなでもどこで買ったんだろそういえば妻が昔LOVEのロゴTシャツをどこかで買ったというか僕が勧めて気に入って着てたけどドアーズはまだしもLOVEのTシャツって需要あったのか、とぼんやり思っていたけど、後から思うとじっと女性のTシャツを見るのはよくないなと思ったので以後気をつけます。
最後は原さんとのセッションでこれがまた弾き語りとは違ったものを見せてくれて、しかもセッションとは思えない仕上がりっぷりが凄かった。もちろん最後の最後は壊れかけ単独で。
壊れかけの良さを表現するのはすごく難しいけど、あの熱量と風圧はライブでしか体感できないのは間違いない。今日のライブを聞いて何も感じないならもう二度と聞く必要はないし、感じたらもうそういうことでしょ。それだけだと思う。
あと、昨日今日の2デイズ、別会場なのは会場側の都合かと思ったらそうではなくて、同じような場所にある2つの違ったイメージのライブハウスでやる意味というのをコモリさんが語っていて、またゲストを計4組呼んだ意味とか、こういうところが壊れかけらしいなと思う理念があって、そこも良かった。
さっさと関西に戻りたいという気持ちは強いけど、壊れかけの企画に行けるのは関西では体験できなかった利点だなとも思う。