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2008-02-17

南米は左派政権だらけ 南米は左派政権だらけを含むブックマーク 南米は左派政権だらけのブックマークコメント

15年くらい前まで、南米は「IMFを通してアメリカ合衆国に併合されるかも」と冗談で言われていた。だが、ここ数年の流れであっという間に南米中で左派政権IMF・世界銀行に反対=反市場原理主義を掲げる立場)が登場するに至り、(中道左派も含めると)コロンビアとパラグアイを除く全ての国で左派政党が与党になっている。

面白いもので、この左派政権の多くが反米(対米非服従)を唱えている。若干違和感のある表現だが、現在の南米においては、左翼がナショナリズムの担い手になっていると言えるだろう。まるで戦後直後の日本のようだ。

左派政権が続々と登場するにつれ、経済においてはメルコスール、情報通信の分野ではテレスールといった形で南米諸国が急速に結束を強め始めた。その盟主となる国は、日本でも有名な反米主義者チャベス大統領率いるベネズエラだ。どんな形であれ、もはや南米アメリカ合衆国に併合されることはないだろう。

南米におけるベネズエラのように、中東においてはイラン*1サウジアラビア、西欧においては欧州連合、東欧及び中央アジアではロシア東アジアにおいては中国(+ユーラシア大陸東側を上海経済協力機構)、そして東南アジアはASEANと世界の各地域にアメリカ覇権とは独立した政治構造が成長しつつあるのは確かだ。

これがアメリカの外交政策の失敗によるものなのか、あるいは意図的な世界の多極化*2を狙った戦略なのかは判断できない。少なくとも現象面から見れば、アメリカ覇権が世界の各地に届きにくくなっていることだけは確かなようだ。

以下に南米諸国における左派政党の躍進振りを確認できるよう、各国の与党と大統領名を列挙した。

ブラジル連邦共和国

  • 与党:労働党(左翼)
  • 大統領:ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ

アルゼンチン共和国

  • 与党:正義党(左翼)
  • 大統領:クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル*3

ガイアナ協同共和国

  • 与党:人民進歩党(国自体が共産主義的政策を採用)
  • 大統領:バラット・ジャグデオ

ウルグアイ東方共和国


エクアドル共和国

チリ共和国

与党:チリ社会党(左翼)

大統領:ミシェル・バチェレ*5

スリナム共和国

与党:スリナム国民党(中道左派)*6

大統領:ルナルド・フェネティアーン

ベネズエラ・ボリバル共和国

ボリビア共和国

  • 与党:社会主義運動党(極左
  • 大統領:フアン・エボ・モラレス・アイマ

ペルー共和国

パラグアイ共和国

与党:国民共和協会(中道右派

大統領:ニカルノ・ドュアルテ・フルトス

コロンビア共和国

右派政権を持つ二国のうち、コロンビアベネズエラと国境を接している。こうなると、コロンビアの背後にアメリカ政府の暗躍があるという噂は本当…のような気がしないでもない。

*1イスラエル中東におけるアメリカの出先機関であることは疑いないが、周辺国との関係を考えると地域の盟主とは言えないだろう。

*2田中宇氏が主張している説

*3カトリックの国なのに女性が大統領。

*4:大統領チャベスが有名なブッシュ批判の演説(「硫黄=悪魔の臭い」発言)をしたとき、「ブッシュを悪魔に比べるのは悪魔に失礼だ。悪魔は邪悪だが、少なくとも知性はある」と述べている。

*5:ここもカトリック国なのに女性が大統領。

*6スリナム国民党は経済イデオロギーとは無関係な民族主義的な政党だが、元々は中道左派の政治連合である「民主主義と発展のための新戦線」の一派であった。

sudasuda 2008/02/17 21:17 この程度の民族問題で「パレスチナ化」はないでしょう。

kilemallkilemall 2008/02/21 06:06 >>suda氏
コメントありがとうございます。

>この程度の民族問題で「パレスチナ化」はないでしょう
同感です。

今回の文章で「パレスチナ化」という言い回しを使った理由は3つあります。第一に、異なる宗教及び民族間における問題であること。またセルビア(+コソボ)が大国の思惑に左右される立場にあること。そして世界を巻き込んだ紛争が起こりうる地域であること。以上の3つです。

問題を取り巻く状況が似ているというだけですから、「パレスチナ問題のミニチュア版」とでも表現するべきだったかもしれませんね。ご指摘がなければ気付けませんでした。ありがとうございます。

但し、「この程度」という表現には若干違和感を覚えます。確かにセルビアは、パレスチナやスーダン(ダルフール)に比べれば大した問題ではないでしょう。しかし、実際に現地で暮らす人々は精神的・肉体的に傷付きましたし、街もまだ完全には復興してはいません。異民族からの暴力を恐れて故郷を離れ、難民化している人々もいます。しかもユーゴ分裂以前は(ある程度)仲良くやってきた民族同士がいがみ合っているよういう政治状況ですから、「この程度の民族問題」という捉え方で本当に良いのか疑問に感じるところがあります。

また「古いヨーロッパ」の国々自身も幾つかの民族問題を抱えています。彼らが目と鼻の先で起きた民族(宗教)紛争をどのように解決するのかという点も非常に興味深いでしょう。

そういうわけで個人的には、コソボがパレスチナと比類するくらい大変な民族問題なのではないか、と感じています。

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