Darwin Streaming Server5.5.3/Axis211Aでストリーミング
あまり Darwin Streaming Serverの日本語情報がないので構築例を書いてみます。
Darwin Streaming Server 5.5.3(以下DSS)とネットワークカメラである Axis211A を使ってライブカメラの映像をストリーミング配信するための構築例を紹介します。
Axis211A はカメラ自体に動画配信機能を備えています。
しかし、多数の閲覧者がいる場合には DSS のようなストリーミングサーバ経由で配信を行う方が効率的です。
そのため、ここでは DSS がその動画を受信して配信する手順を説明します。
仕組み
DSS にはリレー機能というものがあります。
これは、他のサーバが配信している動画を受信し、他サーバに配信するというものです。
Axis211A は RTSP 経由で MPEG4 動画を配信することが出来るので、受信は RTSP 経由となります。
DSS は RTSP 経由で動画を受信するために必要なメタファイル(SDP ファイル)を Axis211A から取得し、
動画の受信を開始します。
それに成功すると、Axis211A と同じように、
DSS は指定した場所にストリーミング用メタファイル(SDP ファイル)を作成します。
クライアントはそのファイルを取得することにより、
DSS からのストリーミング配信を受信出来るようになります。
クライアントは RTSP 経由で動画の受信が可能であれば DSS サーバ以外でもOKで、
Quick Time Player でも受信が可能です。
インストール
今回は Redhat Enterprise Linux 2.1 / Fedora Core 3 上で構築しました。
ソース一式を取得して、展開・ビルドします。
なぜかソース一式のアーカイブはtarでまとめられているだけで、
圧縮されていません。
以下の手順はrootで行うことが前提です。
# tar xvf DarwinStreamingSrvr5.5.3-Source.tar
# cd DarwinStreamingSrvr5.5.3-Source
# ./Buildit
# ./Install
以上で完了です。
設定
まず DSS 側の設定です。
web 管理画面から「Relay Settings」→「New Relay」を選択し、リレー設定を新規作成します。
リレー設定新規作成のための情報入力画面に遷移したら、以下のとおり情報を入力します。
Relay Name | 任意の設定名 |
Status | チェックを入れる |
Source Settings | |
Source Hostname or IP Address | Axis211A のIPアドレス |
Mount Point | メタファイルの配置位置(Axis211A の場合は「/mpeg4/media.amp」) |
Request incoming stream | チェックを入れる |
User Name | Axis211A の管理ユーザ名 |
Password | Axis211A の管理パスワード |
Destination Settings | |
Hostname or IP Address | サーバのアドレス(通常は「127.0.0.1」でOK) |
Announced UDP | チェックを入れる |
Mount Point | メタファイルの配置位置 |
User Name | DSS の管理ユーザ名 |
Password | DSS の管理パスワード |
設定を保存すると、DSS は Axis211A に対してリレー接続を開始します。
接続に成功したかどうか確認するには「Relay Status」を選択し、リレー状況を表示させます。
その画面で新規作成した設定名のリレーが表示されており、かつ「Bytes Relayed」列の値が増加していればリレー成功です。
ストリーミングの受信
Quick Time Player で受信する例を次に示します。
DSS が稼動しているサーバのアドレスが192.168.20.80、「Destination Settings」の「Mount Point」が/media.sdpの場合、Quick Time Player で「rtsp://192.168.20.80/media.sdp」に接続すると受信できます。