平和の温故知新@はてな

ライトノベル関連のニュース、感想、考察などを書いていました。管理人まさかの転職により2013/04/06を持って更新停止。……のはずが、たまに更新されることも。

ライトノベル読者に作者買いを勧める話

「涼宮ハルヒの分裂」の構成と続きに興味があるなら「学校を出よう!」を読もう
上記記事の続き
「涼宮ハルヒの分裂」の構成と続きに興味があるなら「絶望系」を読もう


ライトノベルの読者は『作品』に集まるので、『作家』を追いかけようとはしない」という言葉がある。いや、誰かが明言したわけではないのだが幾つかのデータからこれは確かな重みを持って語られる。
たとえば上遠野浩平ブギーポップシリーズとその他のシリーズには売り上げに相当な差がある。これをレーベルや出版社の差と説明するのも決して間違いではないのだが、「ブギーポップのファンはブギーポップしか読まない」という理由もそれらしく聞こえはしないだろうか。
(しかし、例として挙げた上遠野浩平はどちらかというと作者を追いかけるファンも多い作家だと思うのだが)


彼らは「作品」を見るが「作者」を見ない。なぜなら見る必要が無いからだ。自分の好きなシリーズだけを受容していて不都合は無いからだ。
だがそれは正しい反面、酷く勿体無いことでもある。なぜなら「作者」を追いかけることで、より深く自分の好きなシリーズを理解できる可能性があるからだ。


当たり前の話だが作家というのは一人の人間で、悩みもするし調子の良し悪しもある。その内面は作品に間違いなく現れる。特定のシリーズだけを追いかけていては見えてこない、作者の嗜好というべきものも複数のシリーズを読むことによって見えてくることがある。
複数のシリーズを読むことは、最初に読んだシリーズに対する新たな見方を示してくれる、優れた書評になる可能性がある。
以上のような事柄を踏まえて、上に記述したリンク先の記事を読んでいただければ、新たな発見があるかもしれないだろう。