平岡公彦のボードレール翻訳ノート

ボードレール『悪の華[1857年版]』(文芸社刊)の訳者平岡公彦のブログ

切断の原理と肯定――千葉雅也『動きすぎてはいけない――ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』を読む2

 前回の『動きすぎてはいけない――ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(河出書房新社)の書評を著者の千葉雅也さんご本人が読んでくださったようだ。おかげでやる気が出たので、続きを書いてみた。
 

 
 誤解のないように最初に断っておくけれども、前回わからないと言ったところは、謙遜でも皮肉でもなく、ほんとうにわからない。考えに考えて、「これはこういうことだろうか?」とそれらしい解釈を思いついたところも、あとで考えなおしてみると、ただわかったと思い込みたいがためにひねり出した屁理屈じゃないかとさえ思えてくる。今回もずっとそのくり返しだ。だが、ただどこがどうわからなかったかを書き連ねているだけの記事でも、著者ご本人が読んでくださるなら、もしかするとどこかでそこのところをわかりやすく説明していただけるかもしれない。それならこの長ったらしい記事も無駄ではないだろう。以下、敬称は省略する。
 

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