1990年代、沖縄から、日本女子大の新井明先生への手紙 その2

1990年代、沖縄から、日本女子大の新井明先生への手紙 その2

「頌主
 夏休みの日々、いかがお過ごしでしょうか。
この度も、『インタープリテーション』第十五、十六号をご恵送くださり感謝いたします。一つの家庭集会と水曜日の聖研でイザヤ書を味わっているところです。また、現在、教会として葬儀の課題について特別に関心を払っているときですので、いずれの号も具体的な助けになります。
 
四月末に、沖縄に来て最初の教会員の召天、葬儀を経験いたしました。九七歳のMN姉の生前の歩み、召天、先祖崇拝の強固な親族の方々との関わりの中での葬儀などを通して、何か沖縄に生かされているキリスト者、牧師として腰がすわってきたように感じております。M姉の葬儀を通し課題として示されていた課題に、現在の私どもの群として少しでも応答できるように願い、七月十九日に半日修養会を持ちました。

七月四日には、佐藤全弘先生を、首里福音学生センター講演会の講師としてお迎えすることが許され、幸いでした。ユニバーシティーにあって、各自の専門分野の学びの中で聖書を正しく、深く、豊かに読み、主に従いつつ若き学徒たちが、それぞれの全生活と全生涯を通して、聖書を足のともしび、道の光として宇宙の意味を正しく、深くそして豊かに悟り、人としての生に喜びを感じその責任を果たし、三位一体なる御方を礼拝しつつ生活するよう祈ります。
 
七月二八日には、姉妹教会の若い牧師、重元先生と伊江島を訪問してきました。私は三回目でしたが、重元先生ははじめてでした。重元先生は、熊本の農家の次男、東京農大出身で、恵泉女子短大の園芸科で働いた後、神学校へ進まれた方です。東京農大時代から、親しくしておりましたが、こうして沖縄でともに働く幸いを与えられています。三十年来の教会農場の祈りが、伊江島において実現されるのではと心を熱くしながら帰ってきました。沖縄における離島への宣教は、心の中に与えられている祈りの課題です。伊江島出身のN宅での家庭集会では、イザヤ書を学びつつ、伊江島で集会を開くことができるようにと祈り続けております。

琉大の医学部で聖研が誕生、医学生との聖書の学びは初めての経験ですので、全く新しい思いで「からだ」ということばを読むなど、恵みを受けています。医療従事者の方々の小さな集い、「からし種の会」と深い結び付きを持ちながら前進できるよう願っております。
 新井明先生の日本女子大での尊いお働き、そして経堂聖書会、特に若木の会の歩みの上に豊かな祝福がありますように。
 九二年八月三日 宮村武夫 
新井明先生」