二重、三重の恵み-G.L.Ladd A Theology of the New Testamentの場合ー

二重、三重の恵みーG.L.Ladd A Theology of the New Testamentの場合ー

★東京キリスト神学校で、新約神学の授業を担当していた時期、新約神学への切口の代表的な著作との対比を提示しながら、G.L.Ladd A Theology of the New Testamentの講読を中心に、その素朴とも見える、私たちがてにする新約聖書の構造を、そのまま自らの新約神学理解の構造とする利点を強調してきました。今思えばある時期でしたが、くる年もくる年も。
 共立基督教研究所で研鑽をなさっていた方で、その授業をとって下って方もおられました。つい最近も、その方が現在も、ラッド先生についての学びを深め、今後も発表予定の拝見、うれしかったです。

☆ラッド先生は、私と約30年の年齢差がありますが、ゴードン(先生はかれじも、Divinity Schoolの)からハーバートへ進んだ一群の新約学徒の一員で、カナダ生まれの方です。

 1961年夏軽井沢での黙示録の集中講義で、参加した私たち一同に感銘を与えたホイートン大学のテニ―先生。あのテニー先生が、私が知る限り先達です。
 私もゴードンで学んだ、特別な才能を与えれた学者としか言いようのない、レイン先生。ゴードンからウエストミンスターでストーンハウスのもとで指導を受けたの後、ハーバートへ進まれました。
 ゴードンとハーバートで2年先輩で、後年ラッド先生と同様フラーの新約教授、しかも末期がんの中で身をもって聖書のメッセージを伝えたショラー教授など、一つの流れのようにゴードンからハバートへ進む新約神学の学徒が、今と比較にならない小規模なゴードンから起こされてきたのです。

 私も、その歴史の中で末端にいる立場を自覚します。
特にソルボンヌを卒業、ゴードンでテニー先生にギリシャ語を学び、ハバートで組織神学・教理史の分野で学位を取られた、スイス人の恩師ニコール先生の指導を、先生が90歳を越え、愛する主のもとに召されるまで受けた恵みを、今も心から感謝しています。

 受けた恵みへの応答を、神学教育の現場において次の世代へ、それなりに伝えたあの当時の恵み、さらに現在クリスチャントゥデイを通して、世俗のただなかに生き戦う方々へ、キリストの僕仲間(黙示録22:8,9)である記者やコメンテイターの諸兄姉と広く伝え得る事実を、二重、三重の恵みと覚えています、感謝。