放射線の晩発性障害

放射線の晩発性障害について私が学生だった1976年当時「人体リスクは直線的でしきい値閾値)はない」というのが定説であった。これをLNT(Linear Non-Threshold)モデルという。今でもICRP(国際放射線防護委員会)はLNTモデルをベースとしている。
しかし一方、最近の研究から生物は放射線でやられたDNAを修復する能力があることがわかってきた。修復するのであればカーブは非線形となり閾値があるやもしれない。LNTモデルは修正が必要かもしれない。
原発事故について見解がわかれるのは、この辺も関与しているようだ。

放射能と理性』(2009年)によるとICRPが厳しい数値を敷いている理由のひとつは「核の恐怖の政治利用」にあったという。「核兵器は恐ろしい」と思われていたほうが抑止能力が高いというわけだ。この着眼点は興味深い。
一方「地球温暖化CO2対策のため原発は有用」ともある。ここは私は賛同できない箇所だ。なぜなら「地球温暖化CO2説」自体があやしいからだ。




 放射線 ふたつの見解