バカとテストと召喚獣7
体育祭。それは、バカでもヒーローになれる数少ない校内イベント。
2年F組の連中も例に洩れず、優勝を狙うのか、と思いきや……。
抜き打ち持ち物検査で没収された聖典(エロ本)を取り戻すため、
力を合わせ生徒VS教師交流野球に挑む。
だが、彼らの野球大会がただで終わるはずもなく、
雄二や明久の思惑を超えて事態は進んで……。
毎度毎度笑わせてくれる「バカテス」。
並行されて行われる体育祭の様子にバカ笑いしつつ、メインの野球大会では電車内ということも忘れ、ずっとニヤニヤが止まりませんでした。
でも、今回自分が印象に残ったのは、前回のアレクサンドロス大王のようなギャグじゃなくて、決勝戦での美波と明久の言葉。
≪「それじゃ、ウチは土屋に交代してもらおうかな」
「え?」
こちらの攻撃を務めるはずの美波が、突然そんなことを言い出した。
交代?どういうことだろう。
「どしたの美波?自身がないの?」
「そりゃまぁ、ね。いくらなんでも、ウチだって
男子と同じレベルで野球なんてできないもの。体力もそうだけど、経験でも敵わないし」
「あ、そっか……。確かに女の子だと、あまり野球ってやらないもんね」
授業を抜け出してまでやっている僕らとは、
野球に触れている時間に差があるのは事実だろう。
体力に差があるとはあまり思わないけど……。
「そ、だから、土屋と交代。きっとウチよりうまくやってくれるだろうし、それに――」
それに、こういう時って、男の子が頑張るから格好いいんじゃない?」≫
最終回、バッターの美波が自ら土屋との交代を申し出て、ベンチに戻ったときのこの一言。
巻が進むにつれて、どんどん美波が可愛くなっていく。
最初は賑やかしの暴力キャラだったと思ったのに……。
自分の中の美波株は急上昇。お昼休みのお弁当もポイント高し!
姫路さんのような化学兵器出ない時点で圧勝!
そんな美波だけでなく、いつものバカモードでなくシリアスモードで
≪「―今日の主役は僕じゃないってことです」≫
と言い残し一塁に進んだ明久。
渋い、渋すぎるぞ、明久。普段なら、雄二が言っている科白なのに。
全力で(エロ本を取り戻すため)駆け抜ける青春の1ページをさわやかな気分になって読んでたが、ラストは「ああ、やっぱりそうなるか」と脱力の展開。
でも、それがバカテスらしくてやっぱり好き。
毎度おなじみテストも今回は、野球のルールについて。
高橋先生がぐっと親しみやすくなった瞬間でした。
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