ゆいゆいさん

アート資本主義 コメント部
http://rblog-biz.japan.cnet.com/takahito/2006/12/post_cc4a.html

私は高木こずえさんがグランプリであることに納得がいきませんでした。顔が左右で非対称であることは昔から知られていることであり、取り立てて目新しいものではありません。それこそテレビ番組でも半面を合成した顔を提示して、その違和を取り上げるということがやられています。少しググればその手の情報がすぐ出てくることからも明らかです。
http://diary3.cgiboy.com/0/gaseneta/index.cgi?y=2003&m=3
http://www.geocities.jp/vastwood2003/tonarimachi/con/sayuu.html
http://www.so-net.ne.jp/renaiyoho/bsen04_0303.html
http://www.1101.com/kasoken/2006-05-19.html
今更このようなことに殊更驚いてみせるような態度に疑問を感じえません。本当にまったく見たことのないイメージであったというなら、それは余りにも知識が不足しているとしか言えませんし、知っていて選んだのならその理由が私には理解できません。美しく出力して作品の体裁を整えたことへの評価だとしても疑問を感じます。単に技術的な話としても半面を反転させた中心線の処理が甘く、半面を反転し合成したという画像処理の違和感が、本来表現すべきである半面の顔のみで構成された完全に対称な顔というものの違和感を薄めています。また、この作品の最も重要な点はやはり顔の非対称性ということに尽きると思いますが、上記で挙げたようにそれは既に行われていたことですし、その驚きというものは一回性の高いもので、作品にまとめたから改めて評価されるという類のものではないように思います。本城直季さんがオリボ・バービエリの模倣であることは有名ですが、私は彼を単なるコマーシャルカメラマンだと思っているので批判の対象にしようとは思いませんけど、ミニチュア写真の驚きもまた同様の一回性を持った驚きだと思います。
写真新世紀は写真の新たな可能性を見つけるような公募だと思いますが、そういう意味では近年に選出されている作品はそういう所がほとんどなく、単にコマーシャルカメラマンを生産しているかのようです。清水朝子さんの作品がなぜ選ばれるのでしょうか。ウユニ湖の景色は余りにも消費された景色です。有名なコマーシャルカメラマンの藤井保さんでも撮っていますし、海外の写真家の作品としてたくさんあるでしょう。「Uyuni」をグーグルのイメージ検索をするだけでそれがいかにありきたりな写真であるかわかってしまいます。
http://www.ndc.co.jp/hara/home/muji2003/index.html
http://blog.ab-road.net/blog/02/46
グランプリ無しでよかったように思います。
小澤亜希子さんの新作「バブ」にしても何がおもしろいのでしょうか。幼稚になった大人というテーマに目新しさはなく、それをおしゃぶりというイコンで表現するということは余りにも安易です。


ゆいゆい on 2006/12/05 12:38